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カイコ  作者:
36/52

封具

部屋に戻るのが遅くなった。


ユーリは寝入っている、彼女の眠りは深い。


出会って直ぐの頃、抱きかかえる度に目を覚ますのではないかと、壊れものを扱うように気を配っていたことを思い出す、彼女は一度たりとも目を覚ますことはなかった。


そう、一度も。



ドクッ



少しだけだ。


封具をユーリの首にあてる。





イヤだ。


これは、イヤだ。



蠱惑的なその姿に、込み上げてきたのは、表現し難い、眩暈がするほどの嫌悪感だった。






取り去った封具をもち、部屋に戻る。


落ちつこう、私は何をしていた?





ダメだ寝室に戻ろう。ユーリの側にいたい。


ユーリの寝姿は変わらず健やかで、安心し、少しだけ、残念な気もする。



ピピンの言葉が浮かぶ。


余り時間をかけると、成人前のカイコを強引に囲いこんだと嫌疑をかけられる、と。



ユーリを失うのは耐えられない。

なにものからも護りたい。


知らず抱え込んだ柔らかい身体に、長い息をふりかける。





OOOOOO





少しまどろみ、腕のなか眠るユーリをみている。

少し口を動かしたり、ピクリと瞼が震えたり、飽きることがない、一日の素晴らしい時間の一つだ。


眠っている時間は心が無防備になる為、カイコは自分で防御をはり、怖い夢をみたからといって力が暴走するわけではない。


ただ、ユーリはまだ不安定な様で、抱きかかえていると、時々押し流されそうな感を受けることがあった。


それもピアスを急いだ理由の一つではあるが、勿論第一ではない。


ユーリからの初めての口づけ、、


そうか!




私が素晴らしい考えに身震いした目の前でユーリもふるりと身を震わせる。



目を覚ました彼女に、私は打ち明けた。


「口づけが欲しい。」と。


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