魅力
「ふぅーん。
毎度のことながら、青臭い話だわねぇ。」
なっ!
背後から!
いきなり何を!
「カールさんっ!」
「アタリッ、大当たりっ!」
バチんっ
「あらぁん?」
ビチッ、ビチッ
「ふっ。」
静電気?
「自分が手を出せない苛立ちを、こーんな形で発散してるわけね。」
ビチッ
一体何?
何て言ったの?
「あら、羊チャンは何がなんだかわからないって顔ね?」
羊とは、昨夜さんざん仲良くしましたが、、
そばのイザベルさんを見上げても、笑顔でかわされた。
私は痛くも痒くも無いですが、カールさんは大丈夫なの?
そんなことより、今日は随分妖艶な格好ですね、見ているだけなら素敵です。
今日の秋の洋服の為の採寸ですが、なんと!胸が大きくなってました!
オトナの階段の〜ぼる〜っです。
幸い成長はまだ止まってなかったみたい!
いやぁ、最近、なんか服がキツイな、太ったのかなと心配していたの。
良かった良かった!
お散歩相手の犬も、もういないしねぇ。
カールさんは新しい遊びに直ぐ飽きて、ピピンさんとの打ち合わせに行ってしまった。
「ユーリさま。」
カーラさんに呼ばれた。
カーラさんの声は低くて、けして大きくはないけど、よく通る。
隣にすわってカーラさんが指ししめすデザイン画を覗き込む。
みるみる紅くなったと思う頬を押さえた。
なんで透け透けセクシーなネグリジェ?
私は昨日のアレでいっぱいいっぱいなのに!
膝立ちして身体をひねったポーズもイカガワシイっ
それも、なんとなく、だけど、そのモデルは私じゃないですか?
「新婚向けのラインなの。」
は?
「あやかり婚というか、結婚ラッシュだったでしょう?
それで今、プレゼント用などで、ネグリジェが良くでるの。」
はぁ。
「ユーリさまも、どうかと思って。」
え、えーと。
「いつもと雰囲気を変えるのもいいと聞きますし。」
い、いつもっていうか、まだっていうか、、
その辺は皆待ってないの?
当たり前だ!
待ってたら、プレッシャーでしょっ
男の人はプレッシャーに弱いっていうし。
イヤイヤイヤイヤ
私もプレッシャーだよ!
「皆も待っております。」
や、やっぱり待ってるの!?
ど、どこまでどうなんだこの世界、、
OOOOOO
私は目の前の箱を睨んでいる。
これは、チョーカーだ、いや、チョーカーに見せた封具だ。
私がことに及ばない理由は、ユーリが望むまで待ちたい、ただそれだけだ。
周りのヤル気に溢れた者たちが云うように封具をつければ彼女の魔力の暴走を防げ、行為に及べる。
今すぐにでも、、
だが、封具に繋がれ、泣いていたユーリを思うと、それは余りにも惨い仕打ちに思える。
しかし、このチョーカーを着けた彼女を見たいという気持ちも無いわけではない。
そして、これが封具であることは、カイコである彼女にはわからないのだ。
これは夫がつけ、夫が外すものだと云えば、ずっと気づかないかも知れない。
今はただ、触れることに慣れさせているだけで、この方法でいつ彼女に反応がでるかわからない。
今のところ兆しはない、全く無い。
私に魅力が足りないのか、彼女はやはり成人してなかったのか?




