表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カイコ  作者:
32/52

「見つかったのですね?」


「はい、、」


この国で、私は、教会に保護され、半年で見習いとして城に上がることになった。

教会を立つ日、世話をしてくれたシスターは、生きる目的が無くても焦る必要は無い、だけど、夢や希望を探すのを諦めてはいけない、それは人生を素晴らしい物にしてくれるものだからと云ってくれた。


「素晴らしいでしょう?」


「はい!」


私は初めて、シスターに心から笑うことが出来た気がする。


「さようなら。」


「はい、、、」


「いつでも、訪ねてきてね?」


「はい、、」


「フェイ、、」


「ありがとう、ございました。」





「よーし、これできっちり俺のモンだな!」


「はぁ、、」


「なんか腹が減ったな!」


「はぃ、、」


「おい、ここで待ってろ!なんか美味いもん食わせてやっからよ」


「はい」


小さく溜息がでそうなのを、伸びをして、深呼吸に変える。


シスターの言葉を思いだす。


「ゆっくり。一つづつ。」




「よオ。」


まだ、始まったばかりなんだから。






OOOOOO






「ねぇ、イザベルさん。タマゴって、知ってる?」


「タマゴ、ですか?」


「うん。コウムがね。フェイのこと、俺ので、タマゴだって。」


アレ、何て言ってたっけ?


「フェイがタマゴ、ですか?それは蛋のことですね」


ふむふむ?


「フェイもカイコの仲間なの?」


「蛋はカイコとは少し違いますね。魔力の湧く量に対して容量が大きいので、ユーリ様の様に溢れだすことはありません。」


「じゃあ、魔法使いになれるんだ?」


「ええ」


いいなぁ。


「フェイは、魔法使いの修行をするの?」


そんな様なものですね、とイザベルさんは微笑んだ。





OOOOOO





「お、フェイ!待たせたなっ」


「お前、なんだよ」


男は低い声でうなるように云った。


「俺か?まぁ、こいつの主人、だな」


「なっ、フェイッ!本当か!?」


嘘ではないので、頷いておく。

どこからそんな度胸が湧くのか、私は凄く冷静だ。

コウム様の人型の違和感のせいかも知れない。


大怪我で動けない筈の男は、元気に怒りで震えている。


「ま、そういうこった。

俺たちはさっき教会で手続きも済ませてきたとこだ。

ずっとついて来てたんだから、わかってんだろ?」


男の顔色がかわり、汗がみえる。


「往来で野暮は無しだ、二兎を追う者一兎も得ずだ、な?」


ニカアとコウム様が笑い、男の肩を叩く。


男はなおも何か言おうとして、だが周りの視線に押しだされるように去って行った。


「兄ちゃん、あの男はここらで有名なクズだ!やってやったな!」


「そうよ、お嬢ちゃん、あんな顔だけの男に騙されなくて良かったじゃない!」


「これは祝いだ、とっときな!」


「幸せにね!」






まだ、始まったばかり。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ