像
俺はあの娘を俺達が護ってやることを約束する。
「だが、お前に何かあったときは連れていく。」
何処へだ、と低く問われる。
「森に。」
正しくは水の精霊の御元に。
いいだろう。そう、返事があり、交渉は成立した。
「しっかり印のこと守らせてくれよ?」
「ああ、民にそれが自分達の命綱だと伝える。」
「教えちまったら、逆効果じゃねぇのか?
森に入る為に無法者が、壊して欠片を得ようとするんじゃないのか?」
「壊れたら守護の効果が失せると言えば、他の者が許さない。
自分達の命の為だ、必死で守るだろう。」
一理ある。
「どうせなら、あの娘の像にしたらどうだ?可愛いからついでに俺にも一つ、、すまん」
危ない危ない。
猛犬を怒らせたら、折角の交渉が台無しだ。
大事な点を念押しする。
「俺達無しで森に入るのも、無しだ。」
これで俺達は印のある村へは近づかない。もともと行きたくもないから、それで構わない。
あの娘の護衛も利害が一致するからこそだ。
森に入って狼藉を働く者は、今回娘を攫った輩のような、金で雇われた難民か、水への渇望を抑えきれない異国の者だ。
そして、そんな森の者とのトラブルに時間と労力を割いているこの男も、助かる筈だ。
俺達は人よりずっと鼻が効くし、犬型になれば探知追跡能力は人の及ぶところではない。
ただカタチを変えるには大きな魔力を必要とし、実際森から離れれば不可能だったが、この男と契約すれば、あの娘の魔力でそれが可能だ。
先日は不安定なあの娘の魔力を直接受けたから偉い目にあったが、器を通してくる魔力は穏やかな流れで使いやすい。
あんとき意識を失ったら、きっと犬型にも人型にも、いや、形あるものには二度となれなかっただろう。
OOOOOO
「さあ、愛の伝道師カールさんにお任せ!の時間がやってまいりました!」
ひっさしぶり。
でも、慣れない、このノリ。
「今日はユーリちゃんの髪の毛を整えて、夏髪の傷みをリカバーなヘアパックと、頭皮のマッサージもしちゃいましょうね!!カーラが。」
じゃああんたは何しに来たのよ!
イザベルさんのツッコミが聞こえる。
無駄だとわかってるのに、ツッコまずにいられないだね。
「カーラさん、エステも出来るんですね〜」
カーラさんは静かに微笑みをかえしてくれる。
この間の手をさすって貰ったの、凄く気持ち良かったのはプロの仕事か!
「よろしくお願いしま〜す!」
イザベルさんが、ちょっとコウムちゃんを預かりますねと紐をもち、コウムは尻尾をふりふりして外へ出ていく。
楽しんできてね!




