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カイコ  作者:
27/52

俺はあの娘を俺達が護ってやることを約束する。


「だが、お前に何かあったときは連れていく。」


何処へだ、と低く問われる。


「森に。」


正しくは水の精霊の御元に。


いいだろう。そう、返事があり、交渉は成立した。


「しっかり印のこと守らせてくれよ?」


「ああ、民にそれが自分達の命綱だと伝える。」


「教えちまったら、逆効果じゃねぇのか?

森に入る為に無法者が、壊して欠片を得ようとするんじゃないのか?」


「壊れたら守護の効果が失せると言えば、他の者が許さない。

自分達の命の為だ、必死で守るだろう。」


一理ある。


「どうせなら、あの娘の像にしたらどうだ?可愛いからついでに俺にも一つ、、すまん」


危ない危ない。

猛犬を怒らせたら、折角の交渉が台無しだ。

大事な点を念押しする。


「俺達無しで森に入るのも、無しだ。」


これで俺達は印のある村へは近づかない。もともと行きたくもないから、それで構わない。


あの娘の護衛も利害が一致するからこそだ。

森に入って狼藉を働く者は、今回娘を攫った輩のような、金で雇われた難民か、水への渇望を抑えきれない異国の者だ。


そして、そんな森の者とのトラブルに時間と労力を割いているこの男も、助かる筈だ。


俺達は人よりずっと鼻が効くし、犬型になれば探知追跡能力は人の及ぶところではない。

ただカタチを変えるには大きな魔力を必要とし、実際森から離れれば不可能だったが、この男と契約すれば、あの娘の魔力でそれが可能だ。


先日は不安定なあの娘の魔力を直接受けたから偉い目にあったが、器を通してくる魔力は穏やかな流れで使いやすい。


あんとき意識を失ったら、きっと犬型にも人型にも、いや、形あるものには二度となれなかっただろう。






OOOOOO






「さあ、愛の伝道師カールさんにお任せ!の時間がやってまいりました!」


ひっさしぶり。

でも、慣れない、このノリ。


「今日はユーリちゃんの髪の毛を整えて、夏髪の傷みをリカバーなヘアパックと、頭皮のマッサージもしちゃいましょうね!!カーラが。」


じゃああんたは何しに来たのよ!

イザベルさんのツッコミが聞こえる。

無駄だとわかってるのに、ツッコまずにいられないだね。


「カーラさん、エステも出来るんですね〜」


カーラさんは静かに微笑みをかえしてくれる。


この間の手をさすって貰ったの、凄く気持ち良かったのはプロの仕事か!



「よろしくお願いしま〜す!」


イザベルさんが、ちょっとコウムちゃんを預かりますねと紐をもち、コウムは尻尾をふりふりして外へ出ていく。


楽しんできてね!




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