食事
「ねぇ、コウム?」
「コウムって、もしかして、本当は悪い魔物で、グレンに捕まえられて、首輪つけられたの?」
「ナニイッテンダよ、この馬鹿。
こんどは何のお話だよ、そんなことあるわけねぇだろ。」
「それで、もしかしたら、実態はすっごい大きな魔物で、村の家畜とか攫ったんで恨まれていて、今仮のこの姿でほとぼりがさめるのを待ってるんじゃない?」
「否定してるのに、話を進めるなコラ!」
「イヤイヤ、もしや村の娘さんを生贄に要求して、、」
「だから!なんで!設定悪者なんだよ!」
「だって、それ、魔具でしょ?その首輪とこの紐。
それに喋れるし。」
「おい、なぁ?魔具で繋がれたら、ふつー被害者だろ?
お前、なんで可哀想な仔犬ってなんねんだよ!」
ぷふっ
「今日は何のお話ですか?また随分楽しそうですね?」
「あ、イザベルさん!
オヤツ有難う!聞いて、あのね!」
あ!コウムがブランコから飛び降りて、お腹みせてクネクネしてる!!
いつもながら、私に見せるのとは随分違う態度だなぁ。
「でも、なんでコウムの話、イザベルさんに聞こえないんだろうね?」
「犬と人とは話が出来ないものですから、仕方ありませんわ。」
コウムを優しく抱き上げて、耳の後ろをかいてやりながらイザベルさんが話す。イザベルさんも、ピピンさんも、大の犬好きらしい。
「今日は、コウムの正体についての話をしてたんだよ」
「お前が一方的にな」
「たぶん、コウムって、凄い悪い魔物で、悪いことしすぎてグレンに退治されて、改心するまでタダ働きさせられてるんだよ。」
「人にとって悪くても、魔物にとっちゃただの食事だって考えはないのかよ、おめぇにはよ。」
「あら、まぁ。
コウムちゃんはそんなに悪いコだったのですか?」
「開きなおって、ただの食事ってゆってるよ」
「生きる権利は人にしかねぇのかよ?食事する権利はねぇのかよ!」
う、、
「まぁあっ」
「ゥくぅっ」
コウムのツンな顔?にメロんとなったイザベルさんに羽交い締めにされて、変な声をだしたコウム。
いっつも、苦しそうなくらい抱き締められるのに、そんなに懐いて、あなた、Mなの?
「あぁ、仔犬がこんなに素晴らしいなんて!」
イザベルさんのスリスリが始まった。
コウムの毛は、その、そんなに触り心地良くないと思うけど、ちょっと硬いし。
「犬って、珍しいの?」
「はい。森にはいると聞いていましたが、こんなに愛らしいとは!」
イザベルさんのクンクンが始まった。
コウムの匂いって、微妙じゃないのかな?犬だし。
森にしかいないのか、、
じゃあ、わざわざ、捕まえてきたんだ?
えええっ!!
「イザベルさん!
コウムは、つまり、お母さんから引き裂いて連れて来たんですか!?」
は!
まさかまさか、お母さんを、、
そんな!
私が犬の散歩したいと云ったが為に!




