初めてのお出かけ?
ごとごと、、、ごとん、、、ごとごと、、
身体が痛い。
ごとんっの度にどこかにぶつかった。
OOOOOO
潮の匂いがする。
波の音も。
身体は痛むけど、ちゃんと動く。
お腹空いた、、トイレも。
もぞもぞと起きると、見たことの無い部屋だった。
ドレスはそのままで、だけど、首輪?と鎖がついている。
鎖がついてるから、ネックレスじゃなくて、くびわだ、、
ナニコレ。
新たな変態行為にげんなりする。
取りあえず、トイレ行けるのかな、、鎖を引っ張って長さと根元をたどる。
ベッドの脚につないであるみたい。
トイレまでは余裕だ。
鎖のせいでドアは閉まら無いけど、誰か来てもスカートで隠せるし、いいや。
そうして洗顔もすまし、一息ついた。
乱れてしまった髪はゆるく横に編んで前に垂らす。
気持ち悪さは無くなってるし、頭もそんなに痛くない。
この鎖はベッドを持ち上げればなんとかなるけど、ベッドは持ち上がりそうにない、、。
ぼんやり昨日のことを思い出す。
ちょっと一休みとソファに横たわり、うたた寝をしていたら、ドアが開いたんだった。
疲れていたのと、しごかれた反抗心から、すぐ起き上がる気がしない。
でも、何故ノックしないのか、イザベルさんの声もしない。
捜せ!と短い声がして、人が近づいてきた。
私と目が合うと見つけたと笑って、起き上がる間もなく押さえつけられた。
もう1人が布に瓶の中身をふりかけて、鼻と口を押さえてきた。
苦しくてもがいているうちに、どんどん気持ち悪くなってきて、、、
攫われたんだよね、これ。
みんなは気づいてくれているだろうか?
それより、みんなは無事なんだろうか?
薬がのこっているのか、けだるくて、なんだか緊迫感も感じないまま、また眠りに落ちてしまった。
OOOOOO
「あれはどうしている?」
「まだお休みでございます」
「そうか、、様子を見に行こう」
コンコン、、
部屋から返事はない。
ドアを開けると、濡れたような瞳と、長い黒髪の匂い立つ様な少女がベッドの上に座り込んでいる。
「お久しぶりですな」
少女は無言だ。
「ご無事で何より、貴女様が箱に詰められていた姿を発見した時は肝を潰しましたぞ。」
「助けて、、下さったのですか?」
「勿論ですとも、我々保護機構の第一の勤めは、姫様達の保護にございます。
さぁ、もうじき船が参ります。一緒に機構へ参りましょう。」
少女は怪訝な顔だ。
「ここは危険です。
貴女様を攫ったのが、誰だかご存じですかな?」
「、、、、」
「なんと、あのピピンという者ですぞ?
か奴は、異国へ貴女様を売り飛ばす算段をしておったのです。
機構での研修を終え、とっくに城へ帰っていた筈の奴が戻らぬと、領主様より連絡をうけ、丁度この地へ来ておった私どもも探索に加わったのです。
あやつは機構で得た知識を用いて貴女の拉致を実行し、高飛びしようとしていたのです。」
少女はそれに答えず、鎖をつかんで示す。
「、、、これは?」
「封具にございます。
奴は貴女様のピアスを探知することが出来るのです。
今すぐピアスを外すことは叶わぬゆえ、ご不便をおかけしております。」
少女はゆっくり頷いた。
「これは大変なお手数をおかけ致しました。
城に帰って後に正式にお礼を致したいと思います。
取り急ぎ、城へ連絡し、迎えを呼んでは頂けませんか?
皆も、、、心配していることでしょう。」
男はかぶりを振った。
「それはなりません。
まだ奴の手の者や残党がどこに潜んでいるやも知れませぬ。
まずは安全な機構へご一緒頂きとうございます。」
「ピピンは捕らえたのですか?」
「取り逃がしました。
他の者も抵抗したので、生きたまま捕らえたものはおりません。」
少女はまた頷き、少し休むと云った。
OOOOOO
「何をしている」
真下の方から、いやに落ち着いた声がかかった。
あっという間に見つかったらしい。
手が震える、、
「何をしているかと聞いている」
答えられる訳がない。
ギロチン窓をあけて外をみると、真下は道の様だった。
庭に離されている犬にやられる的な最期は避けられそうだったので、手に布をまいてこの切れないコンキチショウな鎖を伝って壁を降りてきたのだ。
人間やればできる!
取りあえず二階の窓の雨よけ部分に着地して、残りの長さをみたら地面までは足りなさそうだったので、ここで鎖を切るべく窓枠にかかった部分を左右にギコギコやっていたのだ。
しかしこの鎖、細いのにやたら頑丈で、なかなか切れない。
「それは魔具だ、そんなことでは切れない。このままでは首をつることになるぞ?」
わたしも。そんな気がしてきたところです、、
「世間知らずの上玉だというから見にきたが、、馬鹿をつけ忘れてるな」
そう云うと、男は此方に向けてナイフを構えた。




