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いい加減、理解して欲しいんだがな

「…先程から聞いていれば随分と自分勝手な意見しか言わない、聞かないな。それもでお前はこの学園に入試全部満点で入って来た奴か? 勉強出来るだけの馬鹿か? 今までの光景と忠義の発言は紛れも無い事実だ」

「なっ…! お前も親衛隊だから忠義を騙してるんじゃねーのか?!!」


 アホだ。アホ過ぎる。本当に今までの一体何処の何を聞いてたのか。


「話にならねーな。ただ勉強が出来る自己中じゃねぇか、てめぇは。忠義も言っただろう? 親衛隊を作るには、その親衛隊を持つ者からの許可が必要だと。勿論、それらは誓約書も書かれていて、それぞれで保管している。俺達は忠義の親衛隊だ。間違っても忠義の迷惑になる様な行動は取っていない。それを疎かにしたのは…」


 言いながら三笠は会長達を見やった。三笠と言う世間にも認められている天才で尚且つ、親衛隊の隊長を務め、学園内1和やかなで精錬された親衛隊を見事な手腕で持って纏めるトップなのだ。

 バ会長達とは格が違うのである。


「そこの生徒会と親衛隊を纏める気すら無いくせに勝手に承諾して、あまつさえ良い様に使う事しか考えて無かった故にそれぞれの親衛隊を纏めると言う事をしなかった奴等の責任だ。その責任を放置しておいて、可愛そう? 友達が出来ない? アホか。全部己の無能さが引き起こした事だろうが。だったら最初から親衛隊を作らなきゃ良かった。ああ、面倒くさいからって理由で許可出したのも自業自得だからな。その際は風紀に願い出れば対応もしてくれたんだ。これは、この学園に入った当初に説明された筈なんだけどなぁ…?」


 そう。風紀もそうやって準備万端に用意していたのにも関わらず面倒がって勝手にサインしたのは会長達なのだ。しかもちゃんと親衛隊が出来そうな奴等には風紀から直接その話をしていたのだから。

 それも利用しないで、誓約書にサインしたのは正に自業自得である。


「け…けど! 親衛隊とか絶対に可笑しい!」

「可笑しいのはてめぇのアホな頭だ。いい加減、自分の年齢を考えて、少しは物事の判断を出来る様になりやがれ」

「お、俺はちゃんと自分の判断でしてるぞ!」

「…だからてめえの判断が可笑しいってさっきから何度言えば分かるんだよ。いい加減人の言葉を理解しやがれ…」


 おーお。暖簾に腕押し糠に釘な状態だ。

 三笠の堪忍袋の緒も切れている気がするな。

 俺はこれ以上は不毛な戦いにしかならないと判断をして、三笠に手を出してストップを掛けた。


「春人、これ以上は時間の無駄だ。このままではずっと堂々巡りで疲れるだけだ」

「ああ、そうだな…」


 そして今度は俺は風紀委員長に視線を送ると、此方も準備は出来ていたのか頷いてくれる。

 さあ、断罪はこれからだ。

 幾度と無くチャンスはあった。

 けど、もう遅い。


「……もう貴方方には期待も信用も信頼もしません…。現時刻を持って俺以外の貴方方生徒会にリコール投票させて頂きます」

「な…」

「何ですって?!!」

「そんな話、俺様は聞いちゃいねぇぞ!!!!」


 秘密裏に動いていたから当たり前だ。

 お前達、本当に気付いて無いのな。

 確かに阿鼻叫喚の渦に巻き込まれていた生徒達は声を一言も発していない。

 それ所か、ほぼ全員が失望の表情を取っている。


「当たり前です。貴方方の態度を見て、それから見極める様にと、既に貴方達以外の生徒に青い紙と赤い紙を渡してあります。それでもって赤い紙の不信任投票率が過半数を超えた場合は貴方方は生徒会職から辞職出来る。良かったですね。なりたくてなった訳じゃ無いのでしょう?」

「な…! そんな勝手な事許されると思っているのですか?!!」

「おや、納得が行きませんか? 貴方達も既に勝手にそこの転入生を生徒達に何も告げず入れようとしていたでは無いですか。…そうですね…それで納得しなければもう一つの信じられない物的証拠を我々は手に入れています。ですのでこの映像もお見せしましょう」


 そう言って再度映像担当に視線を送ると頷いて、例の問題発言をしたあの言葉入り映像を見せてやった。


『書類が止まると、各方面の運営状況にストップが掛かり、機能しなくなる。生徒が楽しみにしている模様し物なんかもな。それが潰れてみろ? 生徒達の不満は一気に爆発。幾らあんた達でも抑え切れない最悪な事態に突入だ。現在、生徒の多くがお前らに失望を感じている。お前らに対する信仰心とやらも薄れている奴まで現れている。歴代生徒会でも武石以外、最悪の評価を持った生徒会だぜ、お前ら』

『……そんな物好きに言わせておけば良い』

『そーだよ! 僕達は好きで生徒会になったんじゃ無いし~』

『やってやてるだけ有難く思えって感じ~?』

『だよね~』

『好きでやってるんじゃ……ない…』

『私達だって一生徒です。私達を頼りにせずにすれば良いんですよ』

『てめーら。本当に何様? そもそもその役目を受け入れたのはお前達自身だ。トップになって置きながらそれを今更投げ捨てるだと? 愚かな考えも大概にしろよ? だからてめーらみたいなのは絶対に己の会社を潰すんだ。周りの状況を良く見やがれ! 愚か者どもがっ!! 一度受け入れたからには最後まで遣り通せ! じゃなきゃ貴様らの相手何ざご免蒙る。やる事やってからもう一度宣戦布告に来いや!』



 この映像が流れた後、恐ろしい程に室内は一斉に冷たい視線に満たされた。

 それは主に壇上の上にいる奴等に対して。

 だが、奴等も最後の悪あがきをする。


「こんなのはでたらめです!」

「そうだ、そうだ!!」

「どうで、また風紀の作り物だろうが!」


 さっきと同じ言葉吐いてる。マジで頭良いの?

 ま、そう言われると分かってたので、今度は風紀委員長にバトンタッチだ。


「それは断じて作り物では無い。その証拠にお前達の音声パターンや映像等の検分を警察も政府も使う特殊機関に依頼した」

「そうどす。それがこちらになります。これはコピーどすが、間違いなく、この映像と音声は本物で、映像の中の声も貴方方であると専門家からの回答も得ました」


 その言葉に会長達の顔が怒りに染まった。

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