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断罪の始まりです

 そして強制的に始まる、宇宙人達のどうでも良い戯れ。

 ホント、どうでも良い会話を繰り広げている上にあのもじゃぐるを取り合っている様子が鮮明に映し出されている。

 が、大事なのはそれだけじゃないんだぜ。

 映し出されている場所も問題何だよ。

 そう、場所はあの 生徒会室・・・なのだ。未決済であろう書類が山済み(・・・)の汚い部屋。

 しかも大事な書類は勿論、床にも散乱。

 その上を気にする事無く踏み付ける奴等。

 一番踏み付けて居るのは勿論宇宙人である事には代わりないけどな。

 周囲の一般人達はその光景に唖然として、次第に壇上に上がっている生徒会役員+何故か番犬三人と宇宙人を冷めたり、怒りの視線で持ってそれを見ていた。

 勿論、失望の雰囲気もこれを一気に広がったのが肌で感じ取れる。

 ま、そうだよな。

 突然始まった上映会に宇宙人達は呆然としていた。


「この様子を見てまだそんな事が言えるのですか、会長方」

「…っ! こんな画像を何時の間に!!」

「風紀からの好意で譲って頂きました。…ちゃんと生徒会室・・・・には居たみたいですがも仕事をしている素振りは全くと言って良いほど見えませんね。あまつさえ貴方方が踏み付けているのはまだ未決済の書類の様ですね…」

「消しなさい! これは立派な盗撮では無いですか!!」

「そ、そうだ!! しかも風紀からの提出だと?! 俺達と敵対している奴等が生徒会室に入れるものか! 奴等の捏造に決まっているだろう?!!」


 おーおー良く吠える、吠える。

 ま、さっきまで俺達ちゃんと生徒会室で仕事してました! 仕事していないのは武石の方と言っていたのに、実際は生徒会じゃない奴等四人含めて全く仕事する素振りも見せない室内の様子が映し出されていたのだから。

 焦るわな。

 武石をある意味悪者に仕立て様と企てていたのに現実はこれだ。

 俺は周囲の雰囲気を見て生徒会と人気者だった奴等に憧れやら尊敬やらを向けていた空気が完全なる失望の雰囲気になるのを悟って俺はまだ画像を止めずに良いと風紀委員に視線を向けながら合図を送ると、風紀委員もそのまま黙って頷く。

 そして俺は心底呆れましたと言った風にため息を吐き出してから、キーキー喚く奴等に鋭い視線を向けた。


「…確かにこれは立派な犯罪ですね。ですが、貴方方にはそうでもしないと事実を突き付けられないでしょう? それにですね、他にもこんな物もあります」


 そう言って俺は風紀委員に合図を再び送る。

 今度は宇宙人のせいで生徒会室に呼び出された時の俺の映像をも映し出した。

 実はちゃんと音声録音、及び画像の録画もしていたのだ。

 まあ実際に室内に入って気付かれない大きさの機材を設置するだけだったし、帰りも煙幕で室内が混乱している間に余裕で回収も出来たが。


「こ…これは…」

「どうです? これも風紀委員から貰った物の一つです。呼び出された生徒は万が一の保険として持っていたそうです。何もしてない生徒…しかも調べによるとただ断って、そこの生徒の足らなさを指摘して泣かれただけで退学勧告をするとはどう言う事です? 俺にもきっちりとその辺の説明をして頂けますか? それだけじゃありません。たった生徒一人に対して全校生徒の模範であるべき生徒会の者と…一部有望視されている者達によって見るからに集団暴行とは。これこそ犯罪じゃ無いですか?」

「それは……」


 言えないよなー。こんな実際にあった真実が周囲に晒されているのだから。

 正当防衛の為に録音機及び録画機を持ってました! は通じるであろう。しかも、俺はあの時、一切攻撃らしい攻撃はしていない。攻撃をかわし続けただけだし。

 そうして次々と明るみに出る生徒会の惨状に更に他の生徒達が絶望したのは無理も無い。


「で、これで仕事をしていましたとまだ言いますか?」


 問い掛けに応えは無い…と思ったら出て来ました、自己中もじゃもじゃ。


「な、何でだよ。みんな悪い事して無いじゃないか! 息抜きしないで何時も書類仕事ばっかで生徒会とか他のみんなだって自由な時間すら無いなんて、そんなのおかしいじゃん! 休息取るのは人として当然の権利なんだぞ!」

「……呆れて物も言えないな転校生。お前は一体何を見て言っている? そもそも生徒会室は役員以外は原則立ち入り禁止区域。扱う書類も書類だから本来ならば生徒会役員でも無い、転校生であるお前が頻繁に出入りして良い場所じゃない。たとえ、会長達から招かれたとは言え、それにも限度はある」

「だったら今日から俺も立派な生徒会役員だから大丈夫じゃないか!」

「だが、役員の補佐になるには全校生徒過半数以上の同意を得なければならない。俺には周囲の生徒が同意した様に見えないが?」

「こいつらは俺にただ嫉妬してるだけだろ?! 仲の良い奴等が周囲に友達出来ないのはそもそも親衛隊とか変な組織が邪魔しているからだ! 近付いただけで制裁とかそんなの可笑しい!! だから俺はそんな親衛隊と戦うんだ!」


 …まあ正論を言っている。が、お前のそんな態度で過半数取れると思ってる訳?

 まがりにもこの学園は特権階級の子息が集まる学園なんだ。

 人柄を見抜く事にも長けている奴等だって大勢いる。


「その親衛隊を利用するだけ利用して、ある日突然用済みとして放置したのは生徒会長達の方だ。確かに、親衛隊の一部分は行き過ぎた行為をしているな。これは後で処罰する事になるが…」


 そう言うとびくりと震えた親衛隊の奴等は後ろ暗い事を行って来た連中だろう。

 俺はそちらを一瞥してから目の前の宇宙人に目を向けた。


「それにな、生徒会がそう言った過激な行動に出るのも会長達がちゃんと自分自身の親衛隊を制御していなかったのが問題なんだ。俺の様に信頼の置ける者と交流を図り、更には色々とこちらから言い聞かせれば全く問題無く過ごせる。寧ろ、彼等は良く助けてくれる人材になるんだ。上に立つ者として、身近な者を纏められなくてどうする?」

「で、でも…」

「それを都合の良い時だけ利用するだけ利用して、後は捨てる…。その方が理解し難いな。しかも突如一方的に何の前触れも無く。だからこそ、今回の様な陰湿な事が起こるんだ。俺は何度が会長達に進言させて頂いたのだがな。だが、面倒だと放置して、親衛隊の好き勝手にさせたのは会長達自身。会長達がその事を放置していなければ彼等は良い助けをしてくれる者となったのに…」


 俺が語っているのは事実である。

 だが、武石の助言も聞かずに放置したのはバ会長達なので、自業自得である。


「だからって好きでも無いのに勝手に親衛隊作られて、そのせいで友達出来無くなるもの可笑しいだろう?!!」

「……お前は知らないのか? そもそも親衛隊は持つ者はその本人が承諾しなければ作れないんだ。会長達は勿論、橋等も自分から受諾して作られた物だ。だから、その時点で、親衛隊を持つ者はその集団を纏める事も自己責任となる。荒れ放題になったのは会長達が制御もせず、また交流も殆どしない故に起こった出来事になるのだ。自分が纏めるのが苦手であれば己が最も信頼出来る者を親衛隊長として任命すれば良かったんだ。俺の様に」


 そう言って俺は隣に控えている三笠に視線を送ると、三笠が頷く。

 そして親衛隊の代表として三笠がもじゃぐるから武石・・となっている俺の前に出て、庇う形を取る。

 こっからは親衛隊代表にバトンタッチだ。

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