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四紀のもう一つの顔

遅くなりました!更新再開です!!2、3日に一回のペースで頑張りたいと思います!!

 そして注目を浴びながら俺達は授業を受けた。


 勿論吉永も俺もそんなのは無視。本当に相手するの面倒だからな。


 宇宙人の突撃の無いこの時間がもの凄く平和だ。そうして平穏なまま四時間目も終えて昼休み。本日一回目の騒動が起こりやすい前の回避作戦だ。


「吉永」


「わかってるよ」


 俺達は急いで教科書を仕舞い込むと教室を出た。


 そして宇宙人と狂信者と鉢合わせないルートを頭に叩き込んでいて、それらと遭遇せずに中庭の誰も来ない木陰までやって来た。


 勿論、俺と吉永の手には久々に作った弁当がある。


「はぁ…」


「ふぅ…」


 二人揃ってため息を吐いた。


 いかにあいつ等の存在そのものが騒がしいのかが良く分かる。顔を合わせる事無く此処までこれた。ちょうど良い日差しとそよ風が心地良い。ついでに宇宙人関係に遭遇していないので俺と吉永の気分は最高に良かった。


 これぞ俺達の望んだ平穏な時間なのだ。


 誰にも邪魔されずゆっくりと休める昼休み。これは俺よりも吉永の方が望んでいた物だろう。


 俺達は意識的に宇宙人の話題を避けて取り留めない話をしていた。うん。これって普通の男子高校生の姿だよな。こんなになるまで時間が掛かった。


 最も吉永とは宇宙人つながりで出会ったので友人と言うカテゴリーで無く同士と言う括りな訳だが。ま、友情なんて気が付いたら出来てるもんだ。


 それに吉永は俺の特殊体質と家の事を知っているにも関わらず普通に接する事が出来る様だからこの先、友人と言う位にまでなれるんでは無いだろうか。

 …高等部でようやっとまともな友人か…。何だか感慨深いものがあるが、それはそれだ。


 そして弁当を食べ終わり、あらかた喋り終わったら教室に戻るには程よい時間になっていた。


 奴らと遭遇する可能性は低いとは言え、念には念を入れて、ギリギリに教室に着く様に計算する。チャイムの鳴るジャスト30秒前。これではたとえ宇宙人でも待ってはいられまい。


 最も狂信者達と例の書類が散乱している異世界できゃっきゃしてるかも知れないが。昨日の今日の騒ぎなので警戒は怠らない。


 相手は何度も言うが地球外生命体なのだ。奴は日本の常識を宇宙語で脳内変換されているから警戒し過ぎるに越した事は無い。


 勿論それは委員長からの命でもあったが。俺と吉永は普段もなるべく一緒に行動しろと。俺一人で学園のアホ相手に上手く立ち回る事が出来る上に、吉永を無傷で守る事も出来るからな。


 今夜辺り、更に警戒を強めて、学園内の情報屋として何か話題を掴んで置こう。俺は学園内の情報屋をやっているが、顔も本名も晒さずやっている事である。


 地道に築き上げた結果、俺は学園内一有名な情報屋になっていた。


 まあ、こちとらプロですから。半分遊びまがいで能も無いのに情報屋やってる学園で知られている情報屋は俺程の情報を持っていない。だから俺への指名率はかなり高い。扱っている情報も機密紛いの物まであるからな。

 だが、情報は全て本物だ。それは断言しよう。裏を取るために俺自ら確かめる事だってあるのだ。


 これは忍者の十八番だろ。はっきり言って。


 そんな訳で俺はその情報屋を使ってアホ生徒会の動向も探るつもりだ。


 まさかと思うが正体も知らず学園随一の情報やNの俺に接触してくるアホ達が接触して来る可能性も無きにしもあらず。


 まあ、その場合はどんな情報によるか…だが、勿論奴等の依頼なんぞ此処は即効断わる。どうせ下らない事だろうし。金弾むとか言いそうだが、知ってるのかねー? 俺が金だけで動く情報屋とかとでも思っているのか。


 様は此方に優位な情報を持っていればその依頼をその情報だけで引き受ける。金だけでは無いのだ。

 最も正当でない情報を得ようとする奴はお断りしている。


 強行手段に出れば返り討ちにすると言う事もした。お陰で情報屋Nの扱う情報は上質な物でお金じゃなくてそれに見合う情報等を持っていればくれると言われている。


 んで、アホ生徒会共は俺に対する何かしらの情報との対価に絶対に黒もじゃぐるの事を出してくるとみた。アホか。そんなの何の特にもならないしいらない。


 どうせ黒もじゃぐるの可愛い素顔だのその正体だのを苦肉の策として情報として差し出して来るだろうが、いらん。宇宙人の情報なんて。お前らアホの生徒会の動向も黒もじゃぐるが来てからの起こした数々の騒動も既に知っているしな。


 接触図って来たら断ってやろう…。


 そんな事をつらつら考えていたら吉永が肩を叩いて来た。


「流山、そろそろ教室戻らないと」


「お、そうだな。丁度良い時間か」


「何か考え事?」


「ん? 今後の対策の素案を考えてた」


「それなら流山に任せてれば安心だね。行こう」


「おう」


 そして人気の無い場所から俺達は歩き出した。


 …歩き出したらまさか目の前に倒れている生徒を発見するとは思っても見なかった。


「な、流山!!」


「ああ」


 俺達は二人揃って倒れている生徒の側に駆け寄る。…と、ある事に気が付いた。


「大丈夫ですか?! しっかり……っあ!」


「………書記の武石か……」


 青白い顔に周囲には書類らしき物を散乱させて倒れていたのは何とあの書記の武石だった…。


 やっぱり倒れたか…。



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