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FOREIGH BLOOD プロローグ2

作者: ライガー

スレイター先生とミユキ。大学教授と生徒だった。




[今、天井が落ちて先に行けなくなった。確か東校舎だな。あの先は][いい加減、校内の地図ぐらい頭に入れて下さいよ!もう!あの先は保健室がありますよ。東校舎もありますがね][つまり、我々は西校舎に取り残された。ここは八階の食堂だから………][最悪!先生と取り残されたなんて!お嫁に行けないわ][まあ、そう嘆くな。誰かに連絡しないとな。アーそれから業者も頼まないと。天井の修理をしろと][ついでに女子更衣室もお願いしますね。扉が閉まりにくくて。皆、言ってるわ]




二人は食堂に戻る。何者かが座っていた。[アラ?おはよう。早いのね。まあ、うちらもだけど][オオ。聞いたか?さっきの音。怪我は無いか?][先生………ここの食堂ってこんな汚かったっけ?]黒い斑点の様な後を指差してミユキが言った。[さあ、突っ立って無いで掃除するぞ。モップを持ってきた。朝の掃除は良いんだぞ。生物学的に見ても素晴らしいのだ][ハイハイ。あんたも付き合いなさいよ。ホレ]ミユキが座っていた男の肩を叩く。男は音もなく崩れ落ちる。





[キャーッ!何これ!][どうしたミユキ!]腰を抜かすミユキに近寄るスレイター。[これは…………生物学的に見ても終わっている。つまり………死んでいる。何が起きたんだ?][セッ………先生。怖いよ。何かあったんだよ!ここで]スレイターは死んでいた男に警戒しつつ生徒手帳を拾い上げた。表紙には(ケンジ。大学一年生)と書いてあった。[うちの生徒らしいな。一体、何をやってたんだ?][ヤバイよ!先生!深入りしない方が良いって]やっと落ち着き椅子に座るミユキ。[そうも言ってられないだろう?教育委員会がうるさいからな][ソッカー。うちのママもうるさいもんなー。大変なんだね。教授って]机に顎をつくミユキ。[何かあるはずだ。失礼するよ]スレイターは手に唾をつけ、パラパラッと生徒手帳をめくった。







[感心な子だな。日記をつけている。そうだ。日々の気づき。それこそが勉強なのだ][いつも講義で言ってるわね]






昨日の日付で日記は終わっていた。[フムフム。昨日何かがあったらしいな]






(6月20日 水曜日。少し暑い一日だった。この調子だと今年も猛暑だろう。部活の帰りに前の二人が奇妙な話をしていた。暗くて姿は見えなかった。その人達いわく、この大学が買収されると。名前は覚えてないが外資系だろう。実験がなんとか言っていた。多分、科学か何かの話しだろう。僕は頭が悪いから関わらない事にしよう。今日は調子が悪い。季節外れのカゼなのか咳が止まらない……………)次のページは破れて読めなかった。最後に3、5、7、と何かの暗号の様な文字が書いてあった。





[困ったなー。ミユキ君。法律に詳しいかね。亡くなった人間が落とした物は誰の物か解るかな?][一応、本人の届け出が無いと窃盗罪にはなりませんよ。でもこの調子ジャー………]ミユキは遺体を見た。[まだ書ける。メモ帳になりそうだな]





校内放送が入る。[今、校内にいる皆さんに、報告があります。直ちに校内から出て下さい。校内は感染しました。現在、復旧のメドは立ちません。校内から出て…………ガーッガーッ………ブツッ]放送は切れた。





[感染?何の話だ?聞いてないぞ!][早く逃げた方が良くない?急ぎましょう][待て、食堂に果物ナイフがあるはずだ。一応、持っていこう][そうね。こんなもん見せられたらただ事じゃ無いわよね。ガスバーナーもあるわ。予備のガスも]ミユキとスレイターは果物ナイフとガスバーナーを1つづつ持った。





[エレベーターがある。とりあえず一階まで行こう][そうね。階段だと何があるかわからないわ。早い方が良いわよね。逃げるなら]二人はエレベーターに走った。





二人が出た食堂には亡くなったはずのケンジが再び動き始めた。その声は既に人の物ではなかった。






FOREIGH BLOODプロローグ 完結




次回、EMERGENCY 1 感染

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