表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/175

Episode:80

 だがディオンヌのほうは、私の受け答えが面白かったようだ。声を上げて笑いながら「やだもう」とかなんとかと言っている。

「――何が嫌なんだ」

「そこで怒らない。というか、あたしだって知ってるってば。あのルーフェイアの彼氏でしょ」


 どうやら分かっていて、私のことをからかったらしい。

 見ればイマドのほうは、まんざらでもなさそうだった。ちゃんと自分がルーフェイアの相手だと認識されているのは、彼としては悪くないらしい。


 ――まぁ、そうだろうな。


 ルーフェイアがどこまで分かっているかは怪しいが、少なくともこの二人、傍から見る限りでは「ふつうの友達」のラインは超えている。

 その先がルーフェイアに分かるかどうか定かではないが、いずれにせよそのうちそういう関係になるだろう。


「で、カップルの片割れ同士が何の話してたの? 浮気の相談?」

「違うと言ってるじゃないか……」

 また話題が元に戻る。どうして女子は、こういう話が好きなのだろう?


 ディオンヌのほうは、私の答えがよほど面白いらしい。「また真に受けてー」と言いながら笑い転げている。

 ひとしきり笑ってから、ディオンヌが真顔になって訊いてきた。


「で、実際のとこ、2人で何の相談してたの?」

「相談、ってほどでもないんですけどね」

 答えたのはイマドだ。


「うんうん、それで?」

 イマドがちらりと私を見た。このまま自分が話し続けていいのか、確認したかったのだろう。

 私が頷くと、彼は話し始めた。


「まぁ実際、ンな大した話じゃないんですよ。ルーフェイアが急に居なくなったんで、もしかしたらタシュア先輩と一緒かな、って」

「え、それ大事件じゃない!」

 訊いたディオンヌのほうが血相を変える。


「まだルーフェイアって、傭兵隊じゃないでしょ? なのに居なくなっちゃったら、ヘタすれば退学よ」

「あー、許可は取ってるっぽいです。俺も学院に聞いたけど、『急用で何日か出かけた』って聞いたんで」

 ずいぶんと学院側もいい加減だ。

 同じことをディオンヌも思ったらしい。


「ちょっとそれ、学院ってば何やってんの? 下級生が外泊するのに、そんないい加減な……」

「んー、でもアイツ、たまーにそゆことあるんで。つかあいつの場合、家がややこしいし」

 ルーフェイアの秘密にかかわることを、あっさりとイマドが口にする。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ