表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/175

Episode:19

 とはいえタシュア先輩はあっという間に見つけてしまったし、クローゼット自体を破壊されれば分かってしまう。

 もう少しこういう偽装を勉強しようなどと思ってる間に、タシュア先輩が身を屈めてクローゼットへと入っていった。


 あたしも慌てて後を追う。

 扉代わりの背板の向こうは、当然ながら真っ暗だった。本当なら通路には魔光灯が備えられてるうはずだけど、魔力節約のために切ってあるんだろう。


 光石を出して発動させる。自分の居場所を敵に知らせるだけだから本当は使いたくないけど、ここまで完全な真っ暗闇だとさすがに危険だ。

 足元も壁も岩肌のままの通路。たぶん地下洞へ続く洞窟を、そのまま使っているんだろう。ただ足元はきちんと均されているから、つまづくことはなさそうだ。


 通路は意外と広くて、幅は大人が三人手を広げたくらい。天井は大人の背丈の倍はあった。

 その中を先輩と進む。


「――ルーフェイア、ここの地図は覚えていますか?」

「え、あ、詳しいのはさっき一度、見ただけなので……でも、だいたいなら」

 夕べ見たほうだけでも、大雑把な造りは把握できた。


「そうですか。では動力炉へ向かいます」

「あ、はい」

 それだけ言ってすたすた歩いてく先輩のあとを、小走りでまた追いかける。


 先輩が動力炉にまず行こうとしてるのは、そこに人も物も集中してると考えたからだろう。

 施設の一部だけを使うのに、広範囲に散らばると何かと面倒だ。魔力炉の効率やお互いの連絡を考えるなら、なるべくまとまっているほうがいい。


 そしてまとまるなら、魔力炉の近くが減衰が少ないのもあって、いちばん便利なはずだった。だから、そこに全てがあるはずだ。

 真っ直ぐ続く通路を歩いていく。


「階段で……降りますよね?」

 シュマーの本拠地――何故か昔からファクトリーと呼ばれる――は地下だから、何かの方法で降りないとたどり着けない。距離が長いから出来たら昇降台を使いたいけど、見つかる可能性を考えると使えそうになかった。


「当然です」

 予想したとおりの答えが返ってきて、ほっとする。絶対に無いと思うけど、「昇降台を使う」なんて言われたら、あたしじゃ説得できなかっただろう。

 それからすぐ、竪穴の前へと着いた。


 ――どうやって掘ったんだろう?

 今の本拠地もそうだけど、シュマーの地下施設は謎が多すぎる。

 竪穴は小さいほうが昇降台で、大きいほうには階段が設置されていた。その階段のほうへ足を踏み入れる。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ