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Episode:173

 日差しに煌く、碧い海。

 寒い季節だから夏ほど冴えてないけど、でもあたしとグレイシアの瞳と、同じ色だ。

 ――そして、母さんと姉さんとも。

 また気持ちが沈む。


「今度はどーした」

 うつむいたあたしに、軽くイマドが訊いてきた。


 気を遣ってもらってばっかりだな、と思う。深刻な顔されたらあたしが余計に滅入るの知ってて、いつもイマドは軽く振舞ってくれる。

 まぁもしかしたら、単に性格なのかもしれないけど……。

 それでもイマドが隣に居てくれるのは、本当にありがたかった。


「その顔だと、まだなんかあるんだろ?」

「うん……」

 ずっと引っかかってた、もうひとつのことを話す。


「母さん達まで、造られたって……」

「なんだそりゃ」

 あまりにももっともな言葉が、イマドの口から飛び出した。


「えっと、だからね……」

 細かいことは省いて、大体のところを説明する。


「よーするに、お前のお袋も従姉も、その死んだ子とおんなじような目に遭ったってことか?」

「同じかどうかは分からないけど……でも、普通に生まれたのと違うって……」

 ため息が出る。何でこんなに次々、聞きたくもない話が出てきたんだろう?


「んでもお前のお袋とか、別にどこもヘンじゃねーじゃんか。いや、あの人性格ヘンだけど」

「それ言わないで……」

 母さんの性格は、あたしも否定できない。というか、否定できる人なんて居ないと思う。


「あー悪りぃ悪りぃ。けどよ、お前のお袋、自分で考えて普通に好きにやってんじゃん。何か問題あんのか?」

「ない、かも……」


 言動が他人をとことん振り回すっていう問題はあるけど、そもそも何もやれないとか、そういうことはない。むしろ決断力や判断力は、母さんは高いほうだ。

 その点は姉さんも似てて、普通の人よりよっぽど優秀だと思う。


「んじゃ、どーでもいいんじゃね?」

「そう、かな」

「そだろ。てーかお前が気にしたって、あの人たちが変わるわけねー」

 それもそうだ。


 人に何を言われたって平然としてやりたいことをやってる母さんが、他人に何か思われたくらいじゃ、変わるわけが無い。それどころか、面白がって余計に好き勝手やって、その相手を振り回すだろう。

 どうも、あたしの考えすぎだったみたいだ。





◇お知らせ◇

自サイトにて、期間限定でSFを公開中です。よかったら下のリンクからどうぞ

またこれとは別に、異世界トリップの連載も始めました。

こちらはなろう内に掲載です。よろしくお願いします



◇あとがき◇

新作にお付き合いくださって、ありがとうございます♪

でも実は、テーマが難しいのでいちばん書きたくなかった話の一つ、だったりします(涙)

【夜8時過ぎ】の更新です、たぶん。よろしければお付き合い下さい。

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