表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/175

Episode:169

 もう二度と、こんなことは。そう墓前に誓うけど、本当は自信がない。

 全力で当たるのは、もちろんその通り。

 けど人のやることだからどうしても穴があって、突かれちゃうわけで。そして穴を塞いでまた違うところを突かれて、の繰り返しになるはず。


 そういう意味で、全部きっちり止める自信はちょっと無かったり。

 まぁ無意味に「絶対大丈夫」とヘンな自信持ったり、一度塞げばもう大丈夫だと思ったりするよりは、まだこの考え方のほうがマシなんだろうけど。


 ただただ黙って泣いてるルーフェイアの頭を、そっと撫でる。

 後ろに並ぶスタッフからも、悲しみが押し寄せてた。

 それを背中に感じながら、もっと大々的に葬儀をやるべきだったかもと、とも思う。そうすれば悲しい事態がみんなの知るとこになって、繰り返さない力になったと思う。


 けど、出来なかった。

 それをしたら、ヒドイ目に遭ったグレイシアをさらに見世物にするのと同じ。

 死んでるんだから気にする必要は無い、という人も居るだろうけど、やっぱりあたしにはちょっとムリ。


 今回の件を公にはいつかしなきゃならないだろうし、したほうが絶対にいいわけだけど、もう少し先になっちゃいそう。

 そうやっていろいろ考えながら、ルーフェイアの頭を撫で続けて。

 適当なとこであたしは声かけた。


「あとは、部屋へ戻って泣きなさいな。ここじゃゆっくり泣けないわ」

「……うん」

 この子を返さないと、スタッフ達が戻れないわけで。そして彼らを早く返さないと、他の病気の子たちの看護に差し障る。

 まぁルーフェイアは素直だから何を言うでもなくて、そのまま従ってくれたけど。


「あなた達もありがとう。仕事のほう、お願いね」

「了解です」

 悲しみはまだ抱えたまま、スタッフ達が顔を上げる。


「助かるわ。さ、ルーフェイア、いきましょ」

 スタッフ達の間を通って、まず2人で墓地を出る。こうしないと、スタッフ達が出ない。

 いろいろと面倒だと思うけど、これがシュマーだった。


 ――上手く、行くかしら?


 とてもじゃないけど、このままの状態でルーフェイアに引き継がせられない。先代からだいぶゴタゴタあったけど、逃げ出したり潜られたりそもそも分からなかったりで、なかなか全部は片付かない。

 けどそろそろ、手段を選んでられないだろう。


 サリーアが居るから、その分だけ気は楽だけど、足が不自由な彼女に片っ端から負わせるわけにも行かないし。

 まだ泣いてるルーフェイアを抱えるようにして、ため息つきたい悩みに知らん顔しながら、あたしは部屋へと戻った。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ