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Episode:135

「いいじゃない、可愛いでしょ?」

「親が子供を可愛がるのは当然ですが、限度というものがありますよ」

「いいのよ、どうせそのうち、子供なんてどっか行っちゃうんだから」

 何言ってるのか、母さん自分でも分かってなさそうだ。


「まぁ構いませんが。――右の部屋をお借りします」

 先輩が、少し狭い寝室のほうを指差す。


「好きに使って。何かあったら呼び鈴でも押せば、すぐ誰か来るわ」

「そうですか。では出来たら何か軽食を」

 タシュア先輩の言葉に、母さんが呆れた顔になった。


「遠慮ないわねぇ」

「私が少々食べたところで、シュマーに影響あるとも思えませんので」

 平然と先輩が返す。


「まぁ確かに、その程度じゃ屋台骨揺らがないけどね」

 言いながら母さんが、通話石で軽食を頼んだ。


「そう、それでいいわ。あとそうね……ルーフェ、あなた何か食べる?」

「え? えっと、えっと……」

 急に話を振られてうろたえる。何かって言われても、何を頼めばいいんだろう?


「やれやれ。自分の要望くらい言えるようになったらどうです」

 タシュア先輩に突っ込まれたけど、それでもすぐに思いつかなかった。


 ――ダメだな、あたし。

 戦闘に関することなら、何をしなきゃいけなくて何が必要かすぐ分かるのに、それ以外はぜんぜんダメだ。

 情けなくなって下を向く。

 と、いきなり抱き寄せられた。


「かっわいいわぁ、泣いちゃった?」

「な、泣いてない!」

 なんでこう母さん、人の気持ち考えないんだろう?

 タシュア先輩なんて、向こうであからさまに呆れ顔だし。


「……荷物を片付けてきます。軽食が来たら呼んでください」

 それだけ言って、先輩は寝室に引っ込んだ。きっともう、母さんのとんでもない言動を見たくなかったんだろう。


「もう、タシュアったら付き合い悪いわね」

「母さんのせいだと思う……」

 思わずため息をついたけど、母さんは平然とした顔だ。


「そんなワケないでしょ。それより、あたしたちもなんか食べましょ」

「……うん」

 なんだか眩暈を覚えながらも、あたしはうなずいた。

 あと何日になるか分からないけど、母さんの無意味な言動にあたし、耐えられるだろうか……?





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