表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『黒猫』と『ランドセル』と『(異)世界一のパン屋さん』  作者: SHIRA
第1部 感情を取り戻したお姫様
8/9

ミルフィの報告書

【0日目】


 お疲れ様です。女王様。姫様が感情を取り戻したことにより、これからの変化を報告するように言われたのですが、お忙しい女王様がなかなかつかまらない為、こうして報告書として伝えさせていただきます。('◇')ゞ


 まずは今日のことですが、初日から色々とありました。姫様の生まれて初めての笑顔を見られて感激したのも束の間。姫様は颯爽と塔から抜け出してしまいました。


 このことはゴリラ婦人から宰相経由で報告がいくと思うので、ここには詳細は書きませんが、これだけは伝えさせてください。姫様はエルフの族長に会いに行こうとしていましたが、それだけではないと思います。姫様が脱走した時に姫様自身が寄ったと言っていたネズミ獣人の母親に改めて事情を聞きに伺った時に聞いたのですが、姫様はお母様、つまり女王様に会いたがっているのかもしれません。


 女王様もご存じのことですが、姫様はまだ七歳なうえに、感情を得たかわりに記憶を失っています。今、姫様には母親が必要だと思うのです。お忙しいとは思いますが、明日はどうか姫様に会って頂けませんか?



【1日目】


 姫様が少しでも寂しさを紛らわせられるようにと思い、徹夜で頑張って作った白兎のぬいぐるみをあげました! (失敗作が大量に出来てしまったので、あとで全部女王様にあげますね)


 そのぬいぐるみを姫様にプレゼントしたら、姫様はに私はそんなぬいぐるみで喜ぶほど子供じゃありません!」と怒られてしまいました。(可愛らしく頬を膨らませてプリプリしていました)。どうやら姫様は大人の獣人が噓を見抜けることを知らないみたいです。それに、尻尾がピンと立っていました(微笑ましいですね!)。獣人じゃなくても噓だと分かります。


 その後、暇そうにノワール様のお腹に顔を埋めていた姫様とボードゲームをしました。姫様が興味を示されたチェスです。少し大人げないとは思いましたが、本気でやりました。そしてボロ負けしました(しょんぼり)。徹夜で集中力が切れていたからです。(言い訳じゃないですよ。事実を述べているだけです)


 姫様は記憶力だけでなく、頭もいいみたいです。さすが女王様の子ですね。


 何度か勝負をしてお昼寝を挟んだあと、今度はババ抜きで勝負しました。私の全勝です。(悔しかったから私が勝てそうなゲームにしたワケじゃないですよ?)


 ゲームでボロ負けした姫様は、勝つまでやると言い出して、夕飯を挟んで姫様が寝落ちするまでずっとやらされました。(もう姫様とババ抜きはやりません!)



【2日目】


 朝起こしに行ったら、姫様が私がプレゼントしたぬいぐるみを抱きしめて寝ていました! (何だか涙が出てきましたよ)(そして可愛すぎます! 何ですかこの生き物は!)


 姫様が断固として「ぬいぐるみが好きなわけじゃない」とおっしゃるので、意地悪をして「ぬいぐるみを捨てましょうか?」と冗談で聞いてみたら、「ミルたんを捨てないでください!」と怒られました。ぬいぐるみに名前を付けていたみたいです。( *´艸`)


 暇そうにノワール様の肉球をぷにぷにしていた姫様をお誘いして、またチェスをしました。・・・が、またボロ負けしました。(-_-;)


 女王様。姫様は昼寝の最中に時折「ママ」と連呼することがあります。お忙しいとは思いますが、明日こそはこちらにいらっしゃって欲しいです。



【3日目】


 今日は、塔に人を招きました。姫様が抜け出した時にお友達になったらしい、ネズミ獣人のコンテちゃんです。姫様よりも1つ歳上だそうです。


 一般人の塔への立ち入りは禁止されていますが、姫様があまりにも暇そうで、私では遊び相手にはなれても、お友達にはなれません。ですから姫様と歳の近い女の子を招きました。事後報告になりますが、許可をお願い致します。しっかりと身辺調査をし、持ち物検査もしました。塔への持ち込み禁止のマタタビも持っていませんし、香りもしませんでした。


 姫様とコンテちゃんは相性がいいみたいで、お2人で楽しそうにお勉強していました。姫様曰く、パンはイーストという目にも見えないほど小さな生き物のお陰で膨らんでいるそうです。子供の発想は面白いですね。


 女王様。姫様はお友達と勉強した内容を女王様に伝えたいとおっしゃいました。お願い致します。明日はこちらにいらしてください。



【4日目】


 ところでご存知でしょうか? 姫様がいつの間にか持っていた赤いリュックのことを。変わった形をしているんですが、注目すべきはそこじゃないのです。(-"-)


 ノワール様と姫様がそのリュックでたまに爪とぎをしているのですが、まったく傷がつきません。姫様曰く「女神様から貰いました」だそうですが、女神様がいらっしゃる最果ての地はここからはるか遠くですし、そもそもそこに女神様がいらっしゃる確証もありません。なのに、暇様は噓をおっしゃてません。謎ですネ。(゜-゜)


 私が調べたところ危険はなさそうですし、ノワール様がそのリュックの中を気に入っているので今の所放置していますが、落ち着いたら本格的に鑑定をしたほうがいいかもしれません。


 それと今日の報告ですが、今日も姫様はお友達のコンテちゃんを招いて一緒に勉強(遊び)をしていました。私がそう仕向けたのですが、何だか私が入る隙間がなくなったようで寂しいです・・・(とほほ)


 コンテちゃんはとっても好奇心旺盛な女の子です。褒美(ギフト)はまだ得ていないそうですが、将来が楽しみです。姫様が女王になられた時には、いい右腕になるかもしれませんね(ワクワク)


 女王様。今の所姫様に例の症状は見られません。恐らく記憶を失ったことか、感情を得たことが原因だと思いますが、不安があります。姫様には、お友達や私には埋められない心の穴があるように思えます。どうか、姫様に会ってください。



【5日目】


 今日も今日とてコンテちゃんを招きました。ですが、今日はいつもの勉強会じゃあありませんヨ?。今日は獣王国騎士団長兼メイド長兼姫様の世話役兼姫様ファンクラブ会長の私自ら、獣化を教えました。


 コンテちゃんは既に出来るようになっていたのですが、姫様は中々獣化できませんでした。


 ですが、猫になりきろうと真剣な顔で「にゃんにゃん」と鳴きながら猫のポーズをとる姫様はとても可愛かったです(キュンキュン)。


 獣化は、同じ系統の獣人が教える方がいいと思いますし、普通は親から教わるものです。女王様。初の世界代理会議主催は大変だと思いますが、私は世界よりも姫様を優先して欲しいと思っております。きっと、姫様も同じ気持ちです。



【6日目】


 コンテちゃんと姫様はとても仲良しです。ここのところコンテちゃんが来るたびに姫様の声のトーンが少し上がります。ですけど、今日は何だか様子がおかしかったです。最初はいつも通りだったのですが、姫様と勉強をしている間に何かあったのか、私がノワール様にエサをあげ終わったら、なんというかこう・・・コンテちゃんの元気がありませんでした。


 「どうしたの?」と聞いたのですが首を振るだけで何も答えてくれません。無理に聞き出すのもコンテちゃんの負担になりそうなので、とりあえずは信頼関係を築くことに専念しようと思います。コンテちゃんとも、姫様とも。


 ・・・と思ったのですが、お昼を一緒に食べてからはコンテちゃんはいつものように戻りました。


 姫様のファッションショーをやりました。部屋に用意されている色々な衣服を姫様とコンテちゃんが2人で「これがいい」「あれが可愛い」「似合う」などと言い合いながら微笑ましい光景を繰り広げていました。ちなみに、姫様は白いレースが着いた黒のドレスを気に入ったようです。鏡の前でクルリと回っていました(可愛すぎて吐きそうです!)。


 記憶を失って感情を得てからの姫様ですが、私の印象は「素直すぎるパン好きな普通の女の子」という感じです。お昼は必ずパンをご所望されて、こわいくらい真剣な眼差しでモグモグと咀嚼されるのです。そして人の言葉をそのまま受け入れ、思ったことがそのまま言動にでるんです(分かりやすいですね)。


 でも、ノワール様とじゃれ合っている所や、お気に入りのぬいぐるみに名前を付けて可愛がっている所や、お友達と一緒に可愛い服を着て笑い合っている所を見ると、やっぱり普通の女の子だなって思います。


 ところで女王様。そんな姫様ですが、最近微かにストレス臭がします。【嗅覚強化】の褒美(ギフト)で常に姫様の健康管理をしている私だからこそ分かる程度なのですが、今までは無かった兆候です。


 どうか、明日には姫様に会ってください。お願い致します。



【7日目】


 だから、何度も申し上げたではありませんか。

読んでくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ