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第36話 職場での混乱

 「おはようございます」

 「はよーっす」

 「おはよー」


 俺と新菜はおそろいのお弁当ケースをぶら下げて営農センターの玄関に入っていく。

 周りの皆の反応はいつも通りだ。


 改めて神様パワーはすごいと思う。


 靴を履き替え新菜はお弁当を置くため更衣室へと入っていった。

 よく考えたえら俺女の子の時にも更衣室には入らなかったんだよね。

 そのまま仕事できる格好で通っていたし。


 「おはよう。……誠さ、新菜ちゃんは?」

 「あっ、おはようございます沙紀先輩。新菜なら更衣室です」

 「ふーん。……あれ?…誠、なんかあんた……今日お洒落じゃん。……良いね」

 「はあ、ありがとうございます?」

 「てかなんで疑問形?……まあいっか」


 そんなこんなで俺はデスクに座る。

 今日からはグラジオラスの球根の植え付けが本格的に始まる。

 一応圃場を回る必要があるんだよね。


 ……たぶんだけど新菜と手分けしてなんだけど。

 アイツ畑の場所とか分かるのかな?


 「おはよう誠。直樹君の家も今日行くよね。この前の話の新品種一つ余るからさ。もし行けそうなら届けてもらいたいんだけど」


 「おはようございます。はい、承知しました。えっと新菜があそこの担当だけど、今日は俺も付き合いますね」


 君島代理は一瞬ポカンとして、まるで何かを思い出すかのように頷いた。


 「……そうよね。新菜が行くんだったわ。……あれ?うーん」

 「代理、市場巡回の報告書はシンクラに入れてありますので、後で確認いいですか」

 「えっ?……ああ、うん。分かったわ」


 頭を振りながら「あれ、私そんなに昨日飲んだっけ?」とか言いながらデスクに戻る君島代理。

 神様パワーも少し弱いのかな?


 「誠、ねえ、今日からグラだよね」


 そんなタイミングで新菜が俺に声をかけてきた。

 うん、やっぱりすごく可愛い。


 「ああ、取り敢えず直樹さんとこから行こうか。新品種もあることだし」

 「うん。よろしく」


※※※※※


 俺は新菜を隣に乗せて会社の軽ワゴン車で畑を目指す。

 隣でご機嫌の新菜に俺は気になっていることを聞いてみた。


 「なあ、新菜さ、お前畑とか仕事内容とか分かってる感じなのか?」

 「ん?うん。凄いよね神様。なんかね、頭の中にそういう物があって見れる感じ。問題はなさそうかな」

 「ふーん。やっぱりすごいんだね。まあ、分かんない事あったら聞いてよ」

 「うん」


 俺達は程なく直樹さんの圃場についた。

 新菜が先に挨拶に向かう。

 俺は球根の入ったコンテナを運び出した。


 「直樹さん、おはようございます」

 「おーう、新菜ちゃん。いつも可愛いね。……おっ、誠、新品種か?」

 「おはようございます。80日タイプの緑色の品種ですね。ブラインド弱いらしいので日当たりのいい場所が推奨らしいですよ」


 「ふーん、じゃあ、あそこかな。誠サンキュ。ああ、先週はありがとうな」

 「いえいえ、こちらこそ。……忙しそうですね」

 「まあな。よしっ、じゃあ球根貰うわ。ああ、間隔をさ、少し詰めてみたんだけど見てくれるか?」

 「はい。……アドレナリンですよね?スノードンとかはダメですよ?ブラインド弱いんだから」


 おもむろに動きを止める直樹さん。

 躊躇いがちに俺に声をかける。


 「えっ?スノードン、ダメかな?……うーん、アドレナリンはなあ……」

 「直樹さん、畑いっぱいあるでしょうに。頑張ってマルチ張ってください」

 「うう、誠厳しいよな。……はあ、わかったよ。……でもまあ一応見てくれ」

 「はい。新菜も見ようか。お前どちらかといえば菊だもんな」

 「そうですね。直樹さん、見させてもらってもいいですか?」


 何故か顔を赤らめる直樹さん。

 ん?なんか反応違くないか?


 「あ、ああ、頼むね」


※※※※※


 「「お邪魔しました」」

 「おーう、また見に来てくれ」


 俺と新菜は直樹さんの圃場を後にした。

 新菜が俺に問いかけてくる。


 「ねえ誠。直樹さん、私の事好きかも」

 「えっ?……マジで?」


 ため息をついて貰ったお茶を揉む新菜。

 俺もつられるようにコーヒーを飲んだ。


 「なんかね、1年くらい前に告白された情景が浮かんだんだよね。……神様どういうつもりなんだろ」


 ううむ。

 明らかに違うな。


 ……もともと居ない設定を居ることにしたんだよね。

 俺の時は男だったから……元があった。

 これは情報集めた方が良いかもだね。


 「なあ、他にもそういうのある感じ?」


 何故か俯く新菜。

 そしてぽつぽつと話し始める。


 「う、うん。……うわーヤバイ。……20人くらいから告白されてるみたい」

 「20人!?」


 俺は広い場所に車を止めおもむろに君島代理に電話をかけた。

 迂闊に歩くと被害が出かねない。


 『もしもし、誠?どうしたの?』

 「あ、すみません。もしかして代理、新菜のことで相談とか受けてましたっけ?」

 『……そうね。……ごめんなさい。……休みボケかしら。……あのね……』


※※※※※


 結果新菜が行かない方が良い農家さんが8件ほどあった。

 ガチで新菜を好きになってしまっている農家さんの数だ。


 君島代理の記憶の中で、新菜数回襲われかけていたみたいだった。


 「ふう、ニーナさんやばすぎ。可愛いってそれだけで罪だね」

 「あうう。……ねえ、でもそれって私悪くないよね?」

 「まあね。……どうしようかな。……ん?着信?……!?次長だ、はい、誠です」


 俺は慌てて電話に出る。

 何かいつもと違う雰囲気に俺は緊張してしまう。


 『誠か。おい、今一人か?』

 「あ、いえ、その、新菜がいます」

 『っ!?……そうか。………ちょうどいいかもしれんな。おい、集荷場に来れるか?』

 「はい。今直樹さんの家を出たところですので、10分後くらいには行けます」

 『ああ、頼む。……詳しくは会ってから話すから。……気を付けて来いよ』


 俺は切れた電話に違和感を覚えた。

 とにかく向かおう。


 「新菜、ちょっと集荷場へ行くよ。シートベルトしっかり頼む」

 「う、うん。……どうしたの?」

 「わかんない。けど、何かありそうだ」


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