表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/46

第2話 夢の中のあの子

 俺は家に上がり、まず大きなショックを受けていた。

 家はさ、玄関に大きな鏡があるのよね。

 ほら俺一応オサレ男子だからさ。

 ……自称だけど。


 で、自分見たわけよ。

 何これ……


 茶髪でグラマラスな、雑誌とかでしか見たことない様な美女が、全身ズタボロの服着てんのよ。


 「は?」

 『ねえ!』

 「ひうっ!……なに?これ?……頭打ったのかな……」

 『おーい』

 「うわっ、……頭の中から声してる……は、はい」

 『あーもう、やっとだね。こんにちは』

 「……こんにちは」


 あー、やべえ、これ危ない奴だわ。

 たまに駅にいる『そういう施設』に出入りしている人みたいだ。


 『あの、ごめんなさい』

 「ん?……何が…」

 『あーもう、面倒だね。いいや、エイッ!』

 「っ!?」


 俺の意識が暗転した。

 そして夢のような物が脳裏に浮かぶ……


※※※※※


 古い古城のような建物の一室で、上品なソファーで一人の女性が座っている情景が浮かんできた。


 金髪の腰まで届くような長い髪を軽くウエーブさせ、頭にはヘアバンドのような物で髪を押さえているようだ。


 同じ色の長く整った眉毛に、大きな整った目にはエメラルドグリーンの瞳が輝いている。

 すっと通った鼻筋に、美しいピンクのやや薄めの唇が非常に可愛らしい。


 すげー美人だ。


 ……さっき鏡で見た顔とほとんど同じだ。

 髪の毛と瞳の色が違うくらいかな。

 確か茶髪で青っぽかったよな……


 なんか高級そうなドレスみたいなの着ているし……


 「失礼します」


 ドアが開き、鎧みたいなものを身に着けた兵士?が部屋に入ってきた。


 「ニーナ姫、もう敵の手がすぐそこまで来ています。どうか、お逃げ下さい」

 「いいえ。わたくしは最後まで務めを果たします。王家の最後の一人として、逃げるわけにはまいりません」

 「ですが、きっと捕まればひどい目に……ニーナ、頼むから、俺と逃げよう」


 あー、なんかコイツこの子のこと好きなのかな。

 必死な表情だわ。


 「…ごめんなさい。アーノルド。わたくしは心に決めた方がおります。あなただけでも逃げてください」


 うーん。

 悲恋ってやつかな。


 もったいないな。

 こんなに美人なのに……


 「くっ、姫、ご無礼を」

 「っ!?な、何を……あうっ……」


 男は突然女の子の首のあたりに手刀を落とした。

 「ゴッ」っていう痛そうな音したけど……


 あっ、へーまじで気絶するんだね。

 ドラマだけかと思ったわ。


 ん?この男、なんかおかしくね?

 ニヤっとしたぞ!?


 「ふう、おとなしく言う事を聞けばいいものを。……しかし本当に上玉だな。処女らしいし。くっくっ、高く売れそうだな」


 うわー、コイツクズだわ。

 最低だな。


 「ふん、取り敢えず運び出すか……良い体してるな……」


 あっ、コイツ変態だ。

 気絶してる女の子に手を出すとか……

 最低なドクズだな!!


 あーおい、やばいって、誰か、助けないと……くそっ、このっ、おい……


 「ふふん、良いもの持ってるねえ……どおれ」


 ああ、おっぱい揉むぞコイツ!?くそっ、触んな!!


 ちくしょー、見てるだけとか……


 良く判んないけど、俺はこの子を助けたいって思った。

 少なくともこんなことされる女の子を黙って見ているなんて……許せないだろ!?


 突然目の前の情景が消えて真っ白い空間にいた。


 「……は?」


 「ふむ、お主……まあまあじゃな」


 そして知らないおじいちゃんが目の前にいる。

 俺は思考停止状態だ。

 なんだこれ?


 俺はますます混乱していく。

 誰か教えてくれー


 プリーズテルミー!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ