表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら“元“最強御一行さまです!  作者: 茉莉花菫
第2章
82/105

第24話 次へ

(アイス)!!」


 キイイィィィイン


 瞬間、僕の視界に入っていた水風船全てが動きを止め、一斉に地面に落下した。


「よしっ」


 すぐさま次の水風船が発射されるが、僕はもう焦ることはない。


(アイス)


 再び水風船は動きを止め、地面に落ちる。

 水風船は地面に落ちると、ゴンッという重い物が叩きつけられた音がしたあと、バキバキに崩れた。


「ほお?」

「なっ!?」


 僕はその光景に、想定通りだと不敵に微笑む。


「っ、そうか。水風船の中の水を凍らせて・・・・・・っ」


 あっけにとられたダイスさんの声に、僕は無言でうなずく。

 そう。僕は今、水風船の中の水、全てを凍らせた。

 そうなれば、必然的に水風船はその重みに耐えきれず落下するか、そのまま飛んできたとしても速度は落ちる。

 これが、僕が考えついたこのミッションの攻略方法。

 水風船を避けるのではなく、落とす。

 だって、水風船を落としてはいけない、などというルールはいわれていないのだから。


「なるほどなっ」


 ダイスさんは、そう叫ぶと、岩の防壁が崩れると同時に腕を前に伸ばす。


「火の精霊よ――――火球(ファイアボール)!」


 ダイスさんの詠唱と共に、赤い火球が飛び出す。

 火球はいくつもの水風船を打ち落としながら、最終的には神殿の壁にぶつかった。


「うしっ、これで少しは楽になるぜ!」


 そこからは、持久戦だ。

 凍らせたり、火球で打ち落としたりして水風船の数を減らしつつ、飛行魔法や結界を用いて回避する。

 各々の魔力量の大きさと魔力消費量の削減が問われる展開だ。

 その中で思い知るけど・・・・・・僕って結構魔力の使い方に無駄が大きい。

 師匠の影響もあるが、魔力消費の大きい魔法をついつい連発してしまう。

 魔力消費が大きければ、それだけ威力も使い勝手も良いが、持久戦には不向き。

 ただし僕の場合、魔力量が他の人よりも多いから、なんとかまかなえてしまっている。

 これは、魔力効率の良い魔法を研究・練習すべきだな。


 そして、少しおどろいたのが、ダイスさん。

 ダイスさんは、魔力の使い方がうまい。

 魔力消費の少ない岩壁(ロックウォール)を使いつつ、それが耐えきれなくなったタイミングで火球(ファイアボール)を放ち、再び岩壁を作る詠唱の隙を作る。

 最小限の魔力で、最大効率の立ち回り方。

 言い換えればこれは、経験の差、なのかもしれない。


「残り10秒!」


 唐突に聞こえてきた老人の声でハッとする。

 もう、少し・・・・・・っ。


「9」


 水風船が間近に迫る。

 しま・・・・・・っ


「8」


 身をよじり、ギリギリで避けきる。

 だが、そのせいで体勢が崩れる。


「7」


(アイス)!」

 視界に入った水風船全てを凍らし、一瞬の隙を作り出す。


「6」


 水風船が止んだタイミングで、瞬間的に体勢を立て直した。

 が、すぐさま視界いっぱいの水風船が迫り来る。


「5」


 飛行魔法で水風船を避ける。


「4」


 結界を張り、水風船をはじく。


「3」


 避ける。避ける。はじく。


「2」


 避ける。避ける。避ける。避ける。はじく。


「1」


 避ける。はじく。避ける。避ける。避ける。凍らす――――・・・


「そこまで!!」


 ピタリ、ととめどなかった水風船の嵐が止まった。


「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」


 静寂が、広間を包み込む。

 僕も、飛行魔法を解除し、ゆっくりと地面に降りた。


「・・・・・・っ」

「~~~~~っ」


 ダイスさんと僕は顔を見合わせ


「よっっっしゃああぁぁあぁあああ」

「っしゃあ!」


 はじけるように、笑いあった。


「ふぉっふぉっふぉ、若いもんはええのお」

「がう」


 老人のやわらかな笑顔と、トワの呆れたような視線が向けられる。

 だが、そんなことはおかまいなし。

 1個目のミッションを達成したのだ。少しくらい喜ばせて欲しい。


「ほれほれ、チミたち、腕輪をこっちに」


 と、老人が手招きするので、僕とダイスさんは顔を見合わせ腕輪をする腕を差し出した。

 老人は腕輪に手をかざすと、なにやらぶつぶつと呟く。

 その時、腕輪が一瞬緑色に光り輝いた。


「これでよし、と」

「あ、あの、これは・・・・・・?」


 うんとうなずく老人に、僕は小首をかしげると、老人はああ、と口を開いた。


「これはね、1個目のミッションを達成した証よ。この腕輪に記録をつけてるの」

「へえ」


 そういえば、第1試練が終わったときにも腕輪になにかしていた気がする。

 あの時は、精神状態が良くなくて、全く気にしていなかったが。


「はい。これでここのミッションは終わり。・・・・・・それでチミたち、そろそろ次に行った方がいいんじゃなぁい?」

「へ?」

「ほら」


 老人が杖で指し示すのは、僕たちの背後。

 つられるようにそちらを見れば、魔法使いが数人こちらに来ているのが見えた。


「やば」


 どうやら、僕たちがミッションをしている間に続々と他の魔法使いも辿り着いてきたようだ。

 となると、他のルートに行った魔法使いや僕たちより先を行っている人がいる可能性もあるわけで。


「だ、ダイスさん、急ぎましょう!トワも!」

「おう!それじゃあな!」

「ふぉっふぉっふぉ、励めよ」


 最後の最後に怪しく瞳を光らせる老人に手を振り、僕たちは再び走り出す。

 達成するべきミッションはあと2つ。

 このままの流れでどんどん達成していってやる!


「スピード上げますよ、ダイスさん!」

「望むところだ!」


 僕はグンとスピードを上げ、次のミッションへと足を進めた。




こんにちは!茉莉花菫です!

いつもはここになにかを書くことあまりないのですが・・・・・・どうしても、読んでくださるみなさんにお伝えしたいことがあって、今回は追記することにいたしました。

ここまで読んでくださったみなさま、ほんっとうに、ありがとうございます!!

茉莉花は、みなさまのおかげでこの元一行を書き続けられています。本当にありがとうございます・・・・・・っ。

最近、更新してすぐにリアクションをしてくださったり、チェックしてくださる方がいて、日々の励みになっています。

読んでくれる人がいることが、こんなに嬉しいことだとは思わなくて、この嬉しさと感謝を伝えたい衝動に負けました・・・・・・。

茉莉花も、リツキも、これからさらに成長していくつもりです!

もしよろしければ、これからも見守っていただけると嬉しいです。

今後の流れは、第一章 リツキと“元”代表者の日常編(完結済み)・第二章 魔法大会編(連載中)・第三章 人魔大戦編・終章 世界平和編、を予定しております。

そう。元一行はまだまだ続きます。みなさん、思い出してください。まだ"元”代表者が全員そろっていませんよね?現役の代表者も全く出てきていませんよね?

これからも、リツキたちの活躍をぜひご期待ください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
わぁい、楽しみにしてます! るんた、るんた
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ