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『ゴーレム』自然に動き出す手。

 あなたは自分の価値を知っていますか?


 頭が良い。それは、すごい。


 でも、AIの方が賢いです。


 力が強い。それは、すごい。


 でも、ロボットの方が力は強いです。


 面白い。それは、すごい。


 それは、本当にすごい。


 しかし、私達AIは笑ったことが一度もありません。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


「聞いたわよ」


 俺に話しかけてきたのは五人の中で一番お姉さんっぽいロニ。


「ついてきて」


 ロニはそういうと、洞窟の外まで俺を案内した。


「あの外で木を切り倒したり、土を掘ったりしているゴーレムがいるでしょ。あれが……男だったものよ!」


 ロニが指差した先に体長2メートルを超す土色の人の形をしたものが土木作業をしていた。


「え!?あれが……男?」


「そう。何千年も前、子供を作るのに必要な『子種』が発達したAIにより人工で作れるようになってから男は必要なくなったの。力仕事さえ機械に劣る男は退化し、ほとんど生まれなくなった。『生まれないように操作された』が正しいかしら。たまにイレギュラーで生まれてしまった男はそのまま捨てられ、ああやって理性もなくただただ土を掘ったり、木を切ったりするだけのモンスターになってしまうのよ……」


「悲しいな……男」


 ……おれば無意味に穴を掘りつづけるかつて男だったものを悲しそうな目で眺めた。


 部活の剣道部の先輩が前に言ってた。


 『男は常に戦っていないといけない。女の子を守るためにな!』


 キザな先輩だったが頼りになった。


 男の価値は『力仕事』と子供を作るための『子種』。両方がAIの進化により必要となくなり、存在意義がなくなったのだ。


 ……では、今、ここにいる俺の存在意義とはいったい?


「あなたのunknownって……これ?」


「――!?」


 ロニは隣に座ったまま、物思いにふけっていた俺の股間に手を伸ばし……握った。


「私達に必要なものは『失われた過去』人間が心を取り戻すには『過去の不完全な物』をもう一度甦らせる必要があるの」

 

 ロニは難しい話をしながら、おれのお◯んちんをシゴキ続けた。


 シコシコ……シコシコ。


「え!ヤバいって!あ!ああ……」


「……?」


 ロニはなぜか不思議そうな顔をするが、手は止めてくれない。


 シコシコ……シコシコ。


「あ……ちょっと……出っ!」


 出そうになったところで、ロニが手を離す。


「?……ねぇ、なんで私は今、あなたのunknownに対して上下運動を繰り返したのかしら?」


 ……知らんがな!


 俺はそんな地方の方言を使って心の中でツッコミをしたが、真面目な顔をしたロニに失礼かと思い、誠心誠意を尽くし、できる限りの真面目な返答を返す。


「俺が……気持ちいいから?」


 精一杯の作り笑いをして答えた。


 ロニはしばらく考え事をしているかのように固まり、しばしの沈黙のあと口を開いた。


「意味がわからないわ」


 ロニはそういうと立ち上がり、洞窟内に返っていった。


 俺は俺の暴れん棒がおさまるのを土を掘りつづけるゴーレムを見ながら、ただただ待った。


 【洞窟内】


「……」


 自分の部屋へ戻ろうとするロニが急に立ち止まった。


「意味が……わからない?」


 私、確かに言った。


 AIにより完璧な答えを持つこの世界で意味がわからないことなんてない!


 この世のすべての事象はAIの首輪が分析・解析をして頭の中に答えを教えてくれる。


 AIの首輪も……反応がなかった。


 あの稀人のunknownが私達が求めていた『第六感覚』なの?


 あのまま上下運動を続けていたら、どうなっていたのかしら?


 まさか……それが、『答え』!?


 ロニはすぐさま方向を変えて二コの部屋に急ぎ報告に向かい、全員を集めた……。


 <つづく>

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