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第九十五話【奪われた、まさかの…!】

乱入者を迎え討つ白百合のプリンセスと美鈴メイリンでしたが…まさかの思わぬ展開に。


そのためその後の美鈴メイリン土門竜トゥメン・ノンは一撃勝負に望む事になるのでした。


美鈴メイリンと白百合のプリンセスが防御結界に覆われた土門竜トゥメン・ノンを前に並び立つ。


美鈴メイリンさん私が矢の射手を押さえます、貴女はあの剣と盾の者を…。」


「わかりましたわ、そちらはお任せ致しますプリンセスさん!」


「…では…!」 


二人はダッシュしてそれぞれの標的へと散開した。


「貴女は私が止めて見せます!」

白百合のプリンセスが矢の射手に襲いかかる。


「チッ!」

矢の射手は白百合のプリンセスが一気に距離を詰めて来たため後方へと退避する。


「お、おい!」

盾を持つ剣士は仲間が分断され思わず声をかけた。


が、


「そちらのお相手はこの私でしてよ?」

美鈴メイリンは盾の剣士に斬り込む。


ガツン!


刃を落とした試合用の剣で美鈴メイリンが斬りかかると、それをすかさず盾で防御する剣士。


「このっ!」

盾の剣士は美鈴メイリンに対して反撃するが、美鈴メイリンはこれを剣でいなす。


そしてそのまま一撃を加える。


ガキッ!


盾の剣士もまたこれを剣で防御。


「甘いですわ!」

上のばかり視線が行く盾の剣士に対し、美鈴メイリンはすかさず死角となる足元へとローキックを放つ。


ビシッ!


「ぐわっ?!」

盾の剣士は剣を持っての武術には覚えがあるものの、同時に繰り出される格闘術には一歩及ばないようだ。


「ホホホ、ご自慢の盾が死角を作ってしまうようですわね。」


嫌な顔をして笑う美鈴メイリン

なんか気が付けばどっちが悪役なのかわからなくなりそうだ。


(ちっ、とんだ誤算だ!)


盾の剣士は組み合うような間合いは不利だと悟り少し距離を取ろうとする。

 

だが美鈴メイリンは直ぐ反応して間合いを詰めてしまう。


「くそっ、嫌がらせか?」


「とんでも無い、自分に有利な間合いを保つのは勝負の鉄則ではございませんこと?」


「ほらほら、油断してますとまた…(笑)。」


ジャキン!


美鈴メイリンは左手にも魔法で作り出した剣を

握ると二刀流で攻め始めた。


「オマエ、試合用の剣だけで勝負しないのか?卑怯者!」


「何をおっしゃいますか?最初試合権利も無いのに二人がかりで乱入してきたのはそっちではありませんこと?」


「ソレにこれは正式な試合では御座いません、私はただ試合に無関係な乱入者達を危険と判断し排除しようとしてるだけですわ。」


「じゃあ、アレは何なんだ、あの金ピカ仮面の女は!」


盾の剣士は剣先を矢の射手と戦っている白百合のプリンセスへと向けた。


「ああ、あの方は…一般からの善良なる協力者様にございますわ!」


「あんなお姫様みたいな仮面剣士が一般の協力者〜?」


「ですから本人もプリンセスと名乗っておられるじゃ御座いませんか?」


「な、なんのプリンセスなんだ一体〜?」


「ですから白百合のプリンセス様ですわーっ!」


美鈴メイリンと盾の剣士は漫才のようなやり取りをしながらも真面目に剣技で戦っていた。


…時折、美鈴メイリンが足技でおちょくっていたが…。


そして彼女らの会話の話題にもなっていた白百合のプリンセスだが。


ビュビュッ!


二本の矢を避け剣の間合いに入る白百合のプリンセス。


「そろそろ矢も尽きる頃…覚悟はよろしくて?」


「ふ…。」


ニヤリとする矢の射手。


「何がおかしいのですか?」


矢の射手が最後に見える矢を放った。


それを難無く切り落とす白百合のプリンセス。


「さあ、もう勝負ありですね。」


顔の前でレイピアを立てる白百合のプリンセス。


「ここで貴女を拘束させていただきます。」

白百合のプリンセスは左手に黄金の鎖を出現させるの矢の射手に向けて放った。


矢の射手は弓を構える。


「矢も尽きたのに何を…」

白百合のプリンセスがそう語ると、矢の射手の口元が歪んだ。


「喰らえっ!」


嫌な予感のした白百合のプリンセスは咄嗟に半透明な半円型シールドを自身の前に形成する。


が、射手の弓から放たれた光線の矢は四方八方に分散しシャワーのように白百合のプリンセスへと降り注いだ。


ビュババババーッ!!!


ガチン、ガチガチイッ!!


数発は外れ、数発は半円型シールドにぶち当たる。


が、白百合のプリンセスが防御の為に形成したシールドはまだ完全に形成されていなかったのだろう。


光線の矢の高速は白百合のプリンセスのシールド形成の時間を僅かに上回った。


結果、シールドは光線の矢の貫通こそ防げたものの亀裂が入ってしまう。


「な、何ですかコレはっ?」


「フフフ…そんな事より自分の身体の方を心配したら?」

矢の射手は下を指差す。


「え…。」

白百合のプリンセスがそれに釣られて下を見ると…彼女の生脚に数本のかすり傷が見られた。


そして、一本だけの光線の矢が彼女の太腿に命中していた。


「ああっ…。」


ガックリと跪く白百合のプリンセス。


これが致命的となった。


そこへめがけて矢の射手は一気に接近していた。


「甘いね、プリンセスとやら!」


「はっ?!」


白百合のプリンセスは声に反応して上を向いた。


だがもう遅かった。


ガキッ!


思いきり矢の射手に蹴り上げられ白百合のプリンセスの身体は宙を舞った。


「…う…。」

白百合のプリンセスは顎から蹴り上げられていた。


その勢いのまま彼女の身体がえびぞると一回転した。


ドサッ。


うつ伏せのまま地に伏した白百合のプリンセス。



蹴られたせいか、或いは地面に顔から激突したせいなのか、彼女の仮面が顔から外れていた。


脳震盪を起こして意識がハッキリしないのだろうか、ピクリとも動かない。

  

…て、おいおいマジか?ヤバくね?


「プリンセスさん!」

ようやく状況に気が付いた美鈴メイリンが白百合のプリンセスに呼び掛けるものの、返事は無い。


「弓使いだと思って甘く見るからこうなるんだよ。」


矢の射手は真っ赤な上着を脱いだ。


其の下からはタンクトップ状の衣服で、引き締まりながらも筋骨隆々とした肉体が現れた。


「さて…戦利品としてこの女は貰っておくよ。」


白百合のプリンセスは矢の射手に抱え上げられてしまう。


幸いうつ伏せのままで持ち上げられたので彼女の顔は誰にも分からなかったが…。


「じゃあね、後は任せるよ。」


「お、おい任務は?私だけに押しつける気かよ?」


「私は自分の役目は果たした、アンタはアンタで自分の役目を果たすんだね。」


ハハハと笑いながら矢の射手は扉を出現させると白百合のプリンセスを抱えたままその向こう側に消えた。


美鈴メイリン急げ、白百合のプリンセスが…!


「お待ちなさい、白百合のプリンセスさんに何を…!」


美鈴メイリンが後を追おうとする、が。


「待ちな、私はアンタを倒さなきゃならないんだ。」


盾の剣士が美鈴メイリンの前に立ち塞がる。


「邪魔すんじゃありませんわーっ!」


そうだ、やったれ美鈴メイリン


美鈴メイリンは剣に旋風を纏わせた。


竜巻斬トルネイド・スラッシュ!!」


ズバアッ!


一振りで盾の剣士は吹っ飛ばされた。


「あ〜れ〜…………………」

キラン☆


遠くの森の中まで飛ばされるや星となって消えた盾の剣士の姿を見届けると、美鈴メイリンは扉の場所まで走った。


が、彼女が辿り着くと共にその扉は消えてしまった。


「そんな…。」


ガクッと美鈴メイリンは膝を着いた。


俺も目の前の出来事が信じられなかった…。


美鈴メイリンさん。」


その背後には土門竜トゥメン・ノンが立っていた。

彼女を覆っていた結界が消えたのだ。


「その…お気を落とさずに…直ぐに彼女の生命がどうこうとはならないハズですわぁ。」


「…。」

だが白百合のプリンセスを奪われたショックからか美鈴メイリンは返事が出来なかった。


「その…試合を始めましょう、先ずは私達がやるべき事をやってから今後の事を考えるべきやと思いますう。」


「…。」

しかし美鈴メイリンからの返事は無い。


黎美鈴リー・メイリン!」


美鈴メイリンの前に回り込んだ土門竜トゥメン・ノンがいきなり美鈴メイリンの胸ぐらを掴んだ。


「いつまでもしょぼくれとったらあきまへんわあ、アンタがそないな事でどないしはんのお?!」


「助けに行かなならんやろ?誰があの人を助けに行きますのや、アンタしかおらんのやおまへんかあ?どうですのん?!」


激しい剣幕の土門トゥメンの叫びにようやく我に帰った美鈴メイリン


「…そ、そうでしたわ…。」


「さあ、ほんなら試合開始といたしましょー!」


「…ですわね!」


土門竜トゥメン・ノン美鈴メイリンに吹っ掛けた勝った時のご褒美も忘れて試合に臨んだ。


「時間が惜しいから一撃勝負とまいりますわあ、よろしおすか?」


「願っても無いですわ!」


チャキッと剣を鳴らす美鈴メイリン


「ほんなら、私は…これやわ!」


土門竜トゥメン・ノンは両拳にナックルダスターを装着した。


「なるほど…貴女は拳闘士なのですわね。」


「懐に飛び込まれたら、貴女おしまいですよ…?」

ククク…と笑う土門竜トゥメン・ノン


二人は白百合のプリンセスへの心配を一先ず頭から振り払い、本来の試合に集中していた。


土門竜トゥメン・ノンは拳を纏う武具、ナックルダスターを紅蓮の炎で燃え上がらせた。


「火拳、溶岩竜ロンイェンノン!」


拳から溶岩流が噴出する、そしてその溶岩流を自らの拳の如く美鈴メイリンへと殴り付けた。


ドバアッと襲いかかる溶岩が竜の顎のように美鈴メイリンを一呑みすべく大きな口を開いた。


「フッ…。」


(パワー火山でサラマンダー相手に試すはずが彼らを哀れに感じ使わなかったコレが、よもやこんなところで日の目を見ようとは思いませんでしたわ…!)


両手の剣を十字に組む美鈴メイリン


「氷雪魔法剣・白雪の女王!」


ズバアッ!と十字に構えた剣をクロス状に振り切る美鈴メイリン


するとその十字の中心から粉雪が噴き出した。


それはみるみるうちに人型となり、女王らしいシルエットをかたどった。


キシャアアアッ!!

溶岩の竜が白雪の女王に噛み付く。


対する白雪の女王は涼しい顔で口を開く。


と、彼女の口から真っ白なガスが噴射された。


それは冷気だった。

ガスの周囲に氷のミストが舞う。


白雪の女王が放つ冷気と溶岩竜が激突する。


「負けへんなやあ、溶岩竜ロンイェンノン!」


「女王の前に跪きなさいな!」


互角にぶつかり合う凍気と火の気。


軍配はどちらに上がるのか。


ブァァァッ…。


熱気と冷気のぶつかり合いで周囲に濃霧が立ち込め視界が無くなる。


(こ、これはあきまへん…!)


(おおっと、視界ゼロですわ。)


二人は防御結界を張りながら一旦魔法を止めた。


美鈴メイリンさんも条件は同じ…勝負を決めるなら今やわ…!)


(…来ますわね…。)


互いに霧にまみれての一手を考えていた。


(…勝負!)


(………。)


美鈴メイリンの気配を探り、小走りに近寄る土門竜トゥメン・ノン


「とぁーっ…!」


ストレートを叩き込む土門竜トゥメン・ノン


ガシッ!


「?!」


確かに土門竜トゥメン・ノンの拳はヒットした。


「こ、これは人やない…!」


薄っすら霧が晴れてくると、彼女の拳が捉えた物が見えた。


「こ、氷…?」


そう、それは巨大な氷の壁だった。


「私得意の氷防御壁アイスシールドですわ♪」


氷の壁の向こう側から美鈴の声がした。


そして。

「貰いましたわ!」


ズドッ!


氷防御壁アイスシールドを貫いてきた美鈴メイリンの剣が土門竜トゥメン・ノンの鳩尾にぶち当たる。


「ひえっ?!」


パキ…!


剣先は胸にある防御アミュレットを割った。


「勝負あり、ですわ。」


美鈴メイリンはそう言うと風魔法で一気に霧を祓った。


全学院にこの勝敗が中継されたのは正にこのタイミングだった。


「やった!美鈴メイリン選手が勝った!」

中央学院は勝利に沸いた。


…しかし何時もよりやや盛り上がりに欠けたのも事実だった。


「ありがとうございました土門トゥメンさん。」


「いえ…これで心置き無くプリンセスさんを奪還に迎えますわね。」


そんな二人の下へやっと現れた三人。

ファン先生、芽友ヤーヨウ、そしてファン先生が助っ人に連れて来た多彩蜂ドゥオ・ツァイファンだった。


「すまん、援軍が遅れた…。」


「ゴメンナサイ美鈴メイリン様、転移アミュレットが魔力漏れを起こしてしまって途中までしか辿り着けませんでした。」


「というか状況が呑み込めてないんだけど私。」


口々に語る三人に呆気に取られる美鈴メイリン土門竜トゥメン・ノン


「実は、白百合のプリンセスさんが私達を襲った敵に囚われてしまいましたの。」


「えっ?あの白百合のプリンセスさんが?」


「敵は強さも然ることながら上手く相手を嵌められるキレモノらしいですなあ。」


「へえ…で、私達はどうすりゃいいの?」


「一旦学院に戻り準備致しましょう。」

「それと魔法研究部に行きましょう、プリンセスせんの居場所が分かる何かがあるかも知れないですわ。」


「あのう…私もついていってもよらしいやろか?」


土門トゥメン君、君は西の学院に帰らなければならないんじゃ?」


「いえ、私はその場にいながらみすみす目の前の誘拐を止められませんどした責任がありますよって。」


【なあなあ、俺なら千里眼で白百合のプリンセスの居場所も見れるハズ…。】


(だとしても名尾ナビ君の存在は他の人達に秘密ですのよ?)


(貴方から得られた情報、どうみんなに伝えればよろしいのかしら?)


【そ、それもそうか…。】


それに良く考えたら向こうが結界張っていたら俺にもその中は確認出来なかったな。


……!


俺の思考の中に、女の意思が…流れ込んだ…?


誰か知らないが一応その意思から送られたイメージが浮かび上がった。


『はうっ…、』


『頑張るねえ…でもそろそろ素直になる頃かねえ。』


『あ、貴女方には…屈しませ…うっ…。』


『ククク…簡単に折れたら面白くないものね、せいぜい愉しませておくれよ?』


………………。



少し途切れ気味の会話と、ぼんやりとした映像イメージだけが俺の頭に浮かんだ。


声はともかく、イメージの方は誰かの顔らしき映像だけが、しかもぼんやりとしか浮かばず何がなんだかな~わからなかった。


もしかして囚われの白百合のプリンセスのイメージか…?


とすればさっきの声の内容からして彼女は今、何やら尋問されてるのかも知れない。


何を聞かれてるのかわからないが彼女が危機なのは間違いない、グズグズはしてられないな。


さて、場面は中央学院。


何処かと思えば魔法研究部の部室だった。


「タイミングいいな君達、その場所へは丁度この扉から行けるよ。」


ワン部長が以前作ったデパートと繋がった扉。


そう、敵のアジトは王都のデパート地下にあった。


学院長代理の持つ透視能力で白百合のプリンセスの居場所を探り出した結果、彼女はデパート地下に閉じ込められていることが判明した。


…ただ、学院長代理はその後気分が悪くなったのか後の事は美鈴メイリン達に任せるとか言ったきり、自室に籠もってしまった。


「お話しは聞きました。」


「白百合のプリンセス様の危機と聞いて黙っておれませんわ。」


白百合のプリンセス奪還チームには月夜ユーイー依然イーランも加わった。


「私達はお留守番なのですか?」


明花ミンファ芽友ヤーヨウ愛麗アイリーの三人は戦いそのものには不向きと判断され残ることに。


そして。

陰潜イン・チィェンも残るんだ。」


「いいよ、私は元から行くつもりもなかったし。」

多彩蜂ドゥオ・ツァイファンからの言葉にこう返す陰潜イン・チィェンだった。


「では、参りますわよ!」


美鈴メイリンを先頭に一行は敵のアジトへと侵入した…!


既に白百合のプリンセスが連れ去られてから二時間が経過しようとしていた…。


果たして彼女はまだ無事なのだろうか。


果たして美鈴メイリン達は無事に白百合のプリンセスを救出する事が出来るのか?


そして白百合のプリンセスは果たして無事なのか?


王都デパ地下で美鈴メイリン達を待つモノとは?

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