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第六十話【明花(ミンファ)の懺悔】

事件解決後、美鈴メイリンにモーションを仕掛けていた明花ミンファと白百合のプリンセスでしたが、二人共…特に明花ミンファ美鈴メイリンに対して申し訳ないと言う気持ちが強かったのです。

それに自分がその時体験した事に対する疑問が拭えず…それは白百合のプリンセスも同じでした。


夏に起きた淫魔事件。


あの数日間、私達は悪い夢でも見ていたようでした。


事実、美鈴メイリンさんが淫魔を消滅せしめて以来、淫魔の気に充たされていた時は気付かなかったけど寮全体を覆っていた怪しい気配は一切無くなり見違えるような清々しく清浄な空気に満ちていたのですから。


とはいえその怪しい気配に精神を操られていた私はとんでもない事をしでかしていました。


美鈴メイリンさんのお手伝い兼遊びにいらしてた東学院中等部の若汐ルオシーさんが汗だくで倒れられてしまい、私はそのお世話をする事になりました。


その時正直私は「何で美鈴メイリンさんにアプローチかけてくる娘のお世話しなくちゃならないのかしら?」と、面白くはありませんでした。


悪い子では無いのですけど…そのくらいにしか考えておりませんでした。


それなのに。


汗だくの彼女を脱がしたら、その身体に見とれてしまったんです。


その日はただ身体を見てタオルで汗拭きするだけで終えたんです。


…余談ですが美鈴メイリンさんのお部屋で美鈴メイリンさんの身体も見えてしまいましたが…キャッ☆


…コホン。


そ、それでまた翌日、若汐ルオシーさんと同じような事があったんですね?


前日から少し彼女を見る目がおかしくなっていた私は………興奮が押さえきれず、そ、その…。


「だ、ダメ!これ以上書けない!」


ビリビリとノートのページを破く私。


あれは本当にあった事なのだろうか?


今でも信じられない。


本当に悪い夢を見ていたとしか思えない。


………ああ、美鈴メイリンさんご免なさい、貴女から見たらどのツラ下げて言い寄ってくるの?という話ですよね?


正気に戻った後で若汐ルオシーさんには謝り倒しました。


けど彼女は気にしてなくて、それは幸いでした。


ですが美鈴メイリンさんにはどうしていいのか分からないのです。


彼女に謝る前にあの出来事を正直に打ち明けるのが怖い。


でも打ち明けたらもうそこで終わってしまうかも。


どうしましょう。


「………ああ、その事でしたらあの日に芽友ヤーヨウさんが貴女を迎えに行って目撃した事を私に伝えて下さいましたわ。」


「…え?知ってたんですか?」


「やーだ美鈴メイリンさんてば人が悪いんですからー。」


「…………て、ええ?!」

いつの間にか美鈴メイリンさんが目の前にいた。


「い、いいいつからそこに?」

私はそれはもう動揺しまくりだった。


「部屋の前を通ったらドアが開いてまして、中から明花ミンファさんがブツブツ何かおっしゃられてましたので、つい。」


「ぜ、全部聞こえてたんですか?」


「ええと、…数日間悪い夢でも見てた、からでしたわ。」


「それほぼ全部じゃ?!」


「それで思いましたの、明花ミンファさんのお顔が以前より曇り気味だから何か悩んでるんじゃないかな、と。」


ギクッ!


と言うよりそんな、私の気持ちが表に様子となって出てたなんて?


私は取り敢えず美鈴メイリンさんをもてなそうと椅子に座っていただいて、お茶を二人分

淹れた。


「どうぞ。」


「あらどうも、お構い無く。」


私は手短にあったクッキーを添えて紅茶をお出しした。



芽友ヤーヨウからはどんな事を?」


「裸の若汐ルオシーさんと意味深に見つめあってた、それだけでしたわね。」


「…………ふえっ?」


「ですから、それだけの事で何をそこまで思い悩んでおられるのか見当も付かないのですわ。」


「で、でもあの時、芽友ヤーヨウに思い切り頭をしばかれて事件解決まで冷たい態度を取られたんですけど…。」

(それにあの時、確か見つめあうどころじゃない事をしてたハズじゃ…?)



「えと…彼女はどうも私と貴女をくっ付けたがってる節が感じられるので、それで反射的に貴女が浮気した、と考えたのではありませんか?」


「あ、なるほど…確かにそう考えたら納得がいきますね。」


事件解決の二、三日くらい前から若汐ルオシーさんが寮に来た時からは信じられないくらい私が彼女とイチャイチャしてたからそんな場面見たら普通そう思ってしまうでしょうね。


私だって今、白百合のプリンセス様が美鈴メイリンさんと裸で見つめ合ってたりしたらもうそれだけで二人がそういう関係だと思ってしまいますもの。


「…………それとも、明花ミンファさんには実際にそう思い当たる節でもおありなのかしら?」

ジーッと美鈴メイリンさんが私の事を見つめる。


鋭いような、冷たいような…それでいてどこか悲しげな目線。


「う、う、…あ、あの………。」

私は言葉が出なかった。

もう認めるしかないのだろうか?

でも自分でも信じたくない。

幾ら操られていたからといって美鈴メイリンさん以外と、だなんて………。


でも、これだけは真実だ。

これだけは言っておかなければ。


「その、こ、これだけは…信じて下さい…。」


美鈴メイリンさんが姿勢を正した。


だからというワケでは無いけど私も姿勢を正した。


「…私、文明花ウェン・ミンファ美鈴メイリンさん以外の誰にもこの身体を許したりはしていません。」


「………つまり、その…私は若汐ルオシーさんには…抱かれてません!」


「…信じて、いいんですの?」

心無しか、美鈴メイリンさんの表情が和らいだように見えた。


「は、はい!」


「まだ裸だって美鈴メイリンさん以外に見せるつもりは無いですから!」

私はつい気を許して余計な事まで口走ってしまった。


「あ、…えと…?」

美鈴メイリンさんが固まった。


彼女の目が点になり、顔が真っ赤でプルプル震えて…。


「………ああっ?!…い、今のは、…その………。」

何だか私までモーレツに恥ずかしくなってきました。

(でも本当の事だもん!芽友ヤーヨウにだって着替えの下着姿までしか見せてないし!)

でも目の前の美鈴メイリンさんに対してはどうしても恥ずかしさが込み上げてしまう。


そうやって二人とも下を向いて固まってしまっていると。


「あ、美鈴メイリンさんここにいらしたんですか?」


明花ミンファさんもいらしたんですね、これは都合が良いです。」


そう言って部屋を覗いたのは白百合のプリンセスさんだった。


「し、白百合のプリンセス様?一体どのようなご用件で…。」

私はこの気不味い空気を変えるために白百合のプリンセス様に話しかけた。


「ええ、実はこの前の事件について調査を依頼していた事がありまして。」


「調査?誰に何をですの?」

美鈴メイリンさんも白百合のプリンセスさんに聞いた。


「それにつきましては学院の方でお話しをします。」


私達は顔を見合せた。


が、彼女からの誘いに乗って学院へ出向く事にしました。


一度制服へと着替えに自室に戻られた美鈴メイリンさんと玄関で待ち合わせ。


それから三人で学院まで歩いて行きました。


もう白百合のプリンセスさんも私も、そして美鈴メイリンさんも普通の距離感で接するようになっていた。


一時的メロドラマの恋人同士みたいな盛り上がりを見せていた美鈴メイリンさんと白百合のプリンセスさんの関係もすっかり落ち着いている。


白百合のプリンセスさんが月夜ユーイー先輩から解放された後、白百合のプリンセスこと闘姫ドウ・ヂェンさんはここの学院長代理の粋な計らいで私達のクラスに生徒として編入、私達と同じ寮にも住む事になった。


彼女は何百年?も昔に存在していたのでとうに故人として戸籍も無い上に行く宛も無かったのである意味当然の処置だと思う。


「将来は白百合…じゃ無かった、ヂェンさんはどんな道に進まれるおつもりですの?」


「ええ、まだ特に考えてはおりませんが…。」


「まずは現在の世界の現状と、この国の今について知りたいです。」


「それから私は一応既に故人という扱いなので仕事としてはこの学院内で見つける事が最善だと考えてます。」


「成る程、確かに身の上を保証されないと外では商売すらままなりませんものね。」


「その通りです。」

クスッと頬笑むヂェンさんの笑顔が眩しい。


(こんな笑顔を向けられたら、そりゃ美鈴メイリンさんだってメロメロにされちゃいますよね。)


「…………私は、明花ミンファさんだって負けてないと思いますわ…。」

ボソボソと小声で美鈴メイリンさんが喋った言葉が私にはハッキリと聴こえた。


「え?!」

思わず驚いた私。


「へ?」

間の抜けた表情で聞き返す美鈴メイリンさん。


「………………お二人とも、互いに声が丸聞こえでしたよ?」

少しイラッとしたようにヂェンさんが言う。


「「………!!!(照)」」


それから三人は無言で歩いた。


結構長い時間が経ったように感情ました…。


と、先頭を歩くヂェンさんが三階の部屋を指差しました。


「ここです。」


「失礼しまーす。」

ヂェンさんが戸を開けた。


「やーいらっしゃいプリンセス♪」


「約束通り、美鈴メイリンさんと明花ミンファさんをお連れしました。」


「…?」

「あー、部長じゃないですかー?」


「え?それじゃヂェンさんの依頼してた方って?」


「そうです、ここにおられる魔法研究部のワン部長さんです。」


「やーやー諸君久しぶり。…数日ぶり、だったかな?」


「部長、その節はお世話になりましたわ。」

美鈴メイリンさんが頭を下げた。


あ、これは例の霊斬剣の事ですね?


「ほぼ出来上がってた霊斬剣だから私のした児とは刃先を潰して安全対策する事だけだったけどね?」


「いえ、おかげで誰一人傷付けずに淫魔を浄化する事が出来ましたわ。」


「と…そうですわ、今日は霊斬剣のお礼に来たのではありませんでした。」


「はい。ワン部長、早速ですが依頼してました調査について説明していただけませんか?」


「お、そうだったね。」

ワン部長は私達を研究室へと招いた。


作業机をテーブル代わりに私達は椅子を持ってきて席に着く。


長机で美鈴メイリンさんは幅の短い方に座られたので、私と白百合のプリンセスさんは幅のあるその近くの両サイドに座った。


ワン部長が自慢の珈琲コーヒーを淹れて私達の前に置く。


そして長机の美鈴メイリンさんの丁度向こう側に四角い箱を一個置かれた。


「…何ですの?この箱は。」


「ふふん、これこそが今回の調査結果を知らせてくれるアイテムさ!」


「え?前に来た時こんな物ありましたっけ?」


「どーだったかなー?何度も似たようなの作った気はするんだけど…。」

スクラップ&ビルド繰り返してるからなー。

と、笑いながら部長は笑った。


「と、これについて説明するとだな。」


部長が箱の上の丸い突起を押すと、私達の見ている面の部分がボンヤリ輝いた。


(…まさか、これ…。)

テレビジョン…?


「で、ここにこれを繋げる…と。」


画面らしき部分には映像が映った。


前世での液晶デジタルには遥かに及ばない。

ブラウン管画面のアナログ画面てこんな感じだったのかな…?


画面はカラーでなくてモノクロ。


部屋の一室を映し出していた。


「これはね、とある魔法装置を利用して過去にあった出来事を映し出すんだ。」


「過去の?」


「まあ、1週間くらい前が限度だけどね。」


「それで、これを使って何を?」


「まあ見てな。」

カリカリ、と何かを回しておられるワン分野。


すると、部屋の中に慌ただしく人間が入ってキビキビ動いている。


「おっと、ここからだ。」


部長が箱の上にアナログメーターを出した。

「………うん、日付も時間も見たい日時とピッタリだ。」


「部屋には残留オーラが部屋の記憶として残っている。」

「つまり、その場所で何が行われていたのかがわかる。」

「まだ試験段階だけどこれが認められれば各種犯罪捜査や特殊工作の見破りも出来て戦争の危機なんかも防げる可能性が…………。」


「あ、あのそれより今は何を映してらっしゃるのですか?」


ハッキリ言って部屋に複数の人影が映って動いてる事しかわからない。


画面の動く速度を緩めたらしく、ようやく日常の動作と同じくらいの速度になった。


「で、画面をもっとハッキリさせると…。」

画面の粗が緩和され、ピントも合わさってきた。


「あ、これ月夜ユーイー先輩?」


「こ、これは私?」


「じゃあ、もしかして月夜ユーイー先輩の部屋に白百合のプリンセスさんが連れ込まれた日ですか?」


「そーゆう事。」


「あの数日間、自分が体験した事は本当にあった事なのか是非確かめたいとプリンセスから相談を受けてね。」


「一か八かの相談でしたけどワン部長が快く引き受けてくださいまして。」


「私はファン先生から頼まれたに過ぎないよ。」

ワン部長は謙遜した。


「…………それよりいいのかい?何があったかしらないけど見たくない事やこの場のみんなには知られたくない事が写ってるかも知れないんだよ?」


白百合のプリンセスはグッと握った拳を胸に当てた。


「………覚悟はしてます。」

「実際にどんな事があって、それを知られる事になっても。」

「私は美鈴メイリンさんに真実を知っていただいた上で、私の事を受け止めて欲しいのです。」


「…プリンセス…。」


「…じゃ、進めるよ。」


画面の中で白百合のプリンセスさんは完全に素肌を晒してベッドに横たわっていた。


月夜ユーイー先輩が彼女に近寄った時には何をされるのかハラハラした。


けど。


彼女はプリンセスの全身にくまなく指を這わせた後に筆で呪文や図形を描いた。


そしてそれらに手を当てたり、ツボを刺激したりと色々試しているようだった。


両者とも息を荒らそうにしていたし、汗でびっしょりとなり喘いでいた。


そしてそれが終わると濡らしたタオルで汗と呪文を拭き取る。


時折それがプリンセスの敏感な部分にも触れたのでプリンセスが可愛く声を上げてしまい、月夜ユーイー先輩は真っ赤な顔になる。


そしてグッタリした先輩はプリンセスにシーツをかけると寄り添い寝てしまった。


後は延々とその映像が映し出されるだけだった。


翌日、またその翌日もそこに依然イーランさんが加わっただけで、彼女は先輩の手伝いと汗吹きを担当した。


1日中部屋に籠ってる時もさほど変わりはなかった。


たまに悪のりで?プリンセスをロープで縛ったり鞭やローソク等のSMチックな攻めをしていたが、プリンセスの中に淫魔の分魂がいたなら苦痛を嫌って出ていくのでは?という判断だったらしい。


………私は先輩の趣味もあったのでは?と勘繰ったけど。


が、いずれも最後は三人揃って雑魚寝で終わって朝を迎えていた。


「これで月夜ユーイー君の事件期間中の行動は終わりだね。」


「こ、これだけ…なのですか?」


「うん、少し際どく見える場面もあったけどこれでプリンセスは綺麗な身体だと判明したね。」


「ありがとうございます!」


「良かったですわね、プリンセス。」


美鈴メイリンさん…良かった、本当に良かったです…!」

プリンセスは美鈴メイリンさんに抱き付いた。


と、私は何か腑に落ちず聞いてみた。


「………ところで、プリンセスさんは一体何があったと思われてらしたんですか?」


「………そ、それ、は………。」

美鈴メイリンさんから離れるとプリンセスは真っ赤な顔でしどろもどろになる。


「わ、私…月夜ユーイーさんに、もっと………え、ええ、エッチな事されてたと…。」


「でも、特段エッチな事されてませんでしたわよね?少し微妙とも取れる所はありましたけど…?」

美鈴メイリンさんが少しだけジト目になる。


「それだけどさ、これは私の推測なんだが。」

ファン先生から話をいただいた時に淫魔の情報も聞いてたからなんだけど。」


「その淫魔、淫靡な気を張り巡らせて皆の精神状態を操ってたそうじゃないか。」


「ええ、現に皆さんその影響を受けておりましたが。」


「ならさ、皆を実際に動かしてやらしい事させるよりずっと簡単で効果的なやり方があると思わないかい?」


「…あ。」

プリンセスが何かに思い当たったようだ。


「…そうですわ、淫夢!」


美鈴メイリンが確証を得たみたいですね。


「うん。それならプリンセスの認識と実際の出来事との違いを説明出来ると思うんだ。」


「そ、それってつまり、学院寮にいた全員がそのような夢を見せられていたんですか?」

私はある可能性に気が付いた。


「ほぼそうだろうね。」


「では、では…。」

私は勇気を振り絞ろうと思った。


白百合のプリンセスは自分の認識通りの事実であれば美鈴メイリンさんに嫌われてしまうかも知れないというリスクを敢えて背負って懸けたんだと思う。


なら私も事実がどうであったのか知らなければならない。


例えそれで美鈴メイリンさんに嫌われる事になったとしても…。


どのみち今のままでは私には勝ち目などない。


今のプリンセスさんと同じ土俵に上がる為にも、私も懸けてみよう!


私も彼女のような勇気が欲しい!


「わ、私の部屋の…私が帰ってきてからの様子を、見せて下さい!」


美鈴メイリンさんが驚いていた。


彼女の顔から戸惑いが感じられた。


でも私はここまで来たらただ受け入れようと腹を括った。


そして美鈴メイリンさんに微笑んだ。

「…大丈夫ですよ?」

そう、どんな事実が結果として既にあったとしても………。



………………………………。



「「「お世話になりましたー。」」」


「おーう、たまには顔出してくれよー?」


三人で寮まで帰る。


ワン部長、あんな発明どこに発表するつもりなんでしょうね?」


「あれはかなり危険な代物でしてよ?良からぬ連中に狙われかねませんわ。」


「なら、私達がお守りしませんとね美鈴メイリンさん?」


「…まあ、今回の彼女は恩人ですものね。」


「…特に、お二人の、ね?」


美鈴メイリンさんが私とプリンセスさんを交互に見た。


プリンセスは反則級の可愛い顔で照れてらした。


対する私は少し拗ねた顔してたかも知れない。


「そ、そりゃあ…そう、ですけどお…?」


そんな私達の顔にニッコリ笑いかける美鈴メイリンさん。


あーん、そんなお顔されるから私達は貴女の事を…☆




………結局、私も白百合のプリンセスさんとほぼ同じようなモノでした。


裸でベッドに横たわる若汐ルオシーさんの汗を拭いてあげながら彼女の裸に見とれてはいましたけど、そこまで。


彼女と見つめ合ったらそのまま時間が止まったように私達は微動だにせず実際の時間だけが過ぎていったのです。


それは二日目、三日目と経っても変わらず、芽友ヤーヨウに頭をしばかれた日も。


だから私が体験したあの行為は淫靡の見せた淫夢だと結論付ける事が出来たのです。


そして私は堂々と二人に肩を並べて歩きながら帰りました。


「…………ところで明花ミンファさんは若汐ルオシーさんとどんな事があった淫夢を見せられたんですの?」

美鈴メイリンさんが意地悪な事を聞いてきた。

「え?これも言わないといけないんですか?」


「あら、プリンセスさんは全部私に打ち明けてくださいましたよ?」


「ええー?いつの間に?というかそれでも美鈴メイリンさんは受け入れたんですか?」


「え、ええ。」

ポッと頬を染める美鈴メイリンさん。

そしてプリンセスさんも。


…これは怪しい。


「ちょっとお二人とも?その辺のお話ジーックリと聞かせていただけませんか?」

私は獲物を睨むような視線を二人に送った。


「わ、私はお先に失礼します!」

白百合のプリンセスが慌てて翔んで行った。

美鈴メイリンさーん、後はお願いー?」

文字通り一っ飛びで寮まで空をとんで帰って行く白百合のプリンセス。


「えー?そんなあ~。」

美鈴メイリンさんも有翼飛翔魔術を行使しようと身構えたので、私はそれを阻止する。


美鈴メイリンさん?帰宅するなら一緒に連れてって下さいな?」


私は精一杯可愛く言ったつもりだったのだけど、美鈴メイリンさんのひきつった笑顔がこちらを振り返ったのは何故でしょう?


「よ、余計な事言わないと約束されるのなら…。」


こうして私は美鈴メイリンさんと二人きりで空のデートを楽しんだ。


「ねえー、一体いつ何処でどんな話をプリンセスさんとされたんですかー?」


「の、ののの、ノーコメント、ですわ!」


危うくバランスを崩しかける美鈴メイリンさん。


「わわっ、キャッ?」

私もずり落ちそうになって必死に美鈴メイリンさんにしがみつく。


「ほら、暴れないで下さいな?」


「す、すみません。」


「…全く。」

美鈴メイリンさんが照れてる。


良く考えたら、私達の身体は今、普段では考えられないくらいに密着していた。


そう気が付いて意識すると、私の顔まで真っ赤な事を実感できるくらいに顔が火照って熱くなっていた。


そんな私の身体を美鈴メイリンさんはキュッと優しく抱き締めてくれた。


「…………私を、信じてくださいな?」


そう語る彼女の顔は今までで一番優しく微笑んでいました。


……………………。



明花ミンファは精神世界でお前と白百合のプリンセスが二回も逢引きしてた事知らないからなー、まあ話すワケにもいかないけどな。】


名尾ナビ君は今回の件、どこまで知ってましたの?)


【俺は今回ほとんど部外者同然だったよ。】

【様子見ようにも月夜ユーイーもその子も結界張りやがるから覗き見出来なかったし。】


(普段私に偉そーにアレコレ言う癖に、肝心なプリンセスさんの危機や明花ミンファさんの苦悩には役に立たないんですものね?)


【…なっ?】


(事実でしょう?)


【勝ち誇ったように言うな!】


(ホホホ、あーいい気味ですわー(笑))


【くそっ、次こそは役にたって感心させてやるからな!】


(楽しみにしてますわよー。)


(…………ホント、頼りにしてるんだから頑張って下さいまし?)


【わ、わかってるよ…何かチョーシ狂うな。】



…………美鈴メイリンさんがブツブツ呟いておられたので私は一言声をかけました。


「…美鈴メイリンさん、美鈴メイリンさん?」


「………?何でしょうか明花ミンファさん?」


「前、大木が。」


「え?」


ズゴオーン!!


私は危うく直撃を逃れて木の枝に。


美鈴メイリンさんは大木を砕いて地面に激突。


美鈴メイリンさん?大丈夫ですかー?」


すると地面から彼女からの返事が聞こえた。


「…の、ノープロブレム、ですわあ~☆」


ちょっとだけ涙目の彼女が起き上がってピースサインをしてくれた。


私は枝伝いに木から飛び降りると、彼女の側に酔った。


「お怪我は?」


私は手を翳して回復魔法を送った。


「たはは…掠り傷程度なら…。」


少し待ってから寄り添いながら美鈴メイリンさんの部屋に入るや否や、私は美鈴メイリンさんにベッドへ押し倒される格好に。


「あ、あ、あの…。」


「こ、これはその、不可、不可効力、ですわっ?」


ドキドキしながら見つめ合っていると。



「お嬢様~、ワン部長から聞いたんですけど部屋であった事が見れる箱があるそうで…。」


そこまで言いかけた愛麗アイリーさんが部屋に入るや否や、私と美鈴メイリンさんの状況を見て固まった。


そして。


「ご、ごゆっくりい~?」

彼女はゆっくりと後ろ足で後退を始めた。


「ま、待ちなさい愛麗アイリー!」

「貴女、絶対誤解してますわ!?」

美鈴メイリンさんは先ほどのダメージも何のその、大慌てで愛麗アイリーさんを止めました。



何か、見覚えあるような光景に思わず「プッ」と笑みが零れた私でした。


そして後でわかったのは、結局あの期間中本当に深い関係になったのは愛麗アイリーさんと芽友ヤーヨウの二人だけだった、という事でした。


おめでとうございます、芽友ヤーヨウ、そして愛麗アイリーさん!



………と、ここで芽友ヤーヨウから私に一言あるそうです。


きっとさっきのお祝いの言葉に対するお礼でしょう、嬉しいな♪



「…お嬢様、他人を祝ってる余裕があるなら貴女の方こそ頑張って下さいませ?」



「シーン…。」


私は口を閉ざして彼女が去るのを待ったのでした。



幸いな事に彼女らの体験はほとんどが淫夢であった事が判明しました。

二人は喜び安心しましたが、誰よりも嬉しかったのは実は美鈴メイリンだったのかも知れません…?

それにしてもワン部長、こんなに有能だったとは驚きでした(笑)。

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