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慈悲深い仮面の剣豪は、実は血を見るのが苦手な中華風TS美少女です!  作者: 長紀歩生武
第二章【一年生の夏休み編】
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第五十七話【秘密の明花(ミンファ)☆】

若汐ルオシーの口が悪かったせいか、最初は少し彼女とギクシャクする明花ミンファでしたが…。


後半に向けて徐々に関係が改善していく?


すると、何故か明花ミンファの言動が怪しくなり始めて…?


途中では相変わらずな月夜ユーイー依然イーランに翻弄され続ける白百合のプリンセスの描写もちょっとだけ挟んであります。


美鈴メイリン達は朝のドタバタを終えて朝食を摂っていた。


若汐ルオシー美鈴メイリンの方をチラッと見る。


すると明花ミンファの方も美鈴メイリンを見る。


美鈴メイリンさん、今朝は痴女に抱き付かれて大変でしたね。」

おおっと、ここでいきなり若汐ルオシーからの先制パンチだ。


「ち?…じょ…!」

そのあまりの言われように明花ミンファは怒りよりもショックが強過ぎて何も言い返せなかった。

少しよろけた明花ミンファは姿勢を直し、美鈴メイリンの反応を見る。


「い、いえそれほど大変と言うわけでは…。」

なるべく明花ミンファに気を使って無難に話したつもりの美鈴メイリンだが、あまり明花ミンファの表情はかんばしくない。


さっきの言葉は思ったより明花ミンファへの援護にはならなかったようだ。

だからと言って露骨に明花ミンファの肩を持つような発言をすると、今度は若汐ルオシーの機嫌が…。


「そう言われる若汐ルオシーさんこそ昨日は玄関でぶっ倒れて私に介抱された挙げ句、ご自分の恥ずかしい姿を美鈴メイリンさんに見せつけてましたけど?」


「ええっ?!」

若汐ルオシーは全く覚えが無かったが、これは美鈴メイリンの瞳にもしっかり焼き付けられた事実だった。


「ま、まさかー?明花ミンファさんたらご冗談をー。」

ヘラヘラ笑って美鈴メイリンを見る若汐ルオシーだが。


「カーッ!」

若汐ルオシーに見つめられた途端に昨日の彼女のアラレもない姿が脳裏に甦ったのか、美鈴メイリンは真っ赤な顔をして若汐ルオシーから目を逸らした。


「…え、…ほ、本当…に…?」

ゾーッと血の気の引く若汐ルオシー


「全く、どちらが痴女なのかしら?あんなはしたない格好で大切な…。」


「わーっ、わーっ!!そ、それ以上は言わないでーっ!!」

若汐ルオシーは特大なブーメランが帰ってきて大ダメージを受けた!


(はあー、何て不毛な言い争いですの?)


【頑張れ美鈴メイリン、ここは二兎を追うものは一兎をも得ず、だぞ?どっちに味方するんだ?】


(いえ、私としてはどちらにも肩入れしたくはないのですけど。)


【それは本気で言ってるのか?】

【お前、折角真剣に思ってくれてる相手のどちらにもその思いに答えてやらないのか?】


(そうは…申されましても………。)

今度は美鈴メイリンが困ってしまった。


本当にコイツはどこまでも踏ん切りがつかないんだな。


【俺から見たら、どう考えても美鈴メイリン明花ミンファの事が一番大好きなんじゃないかと思うんだが。】


(一番好きなのは否定しません、けど彼女は真友ですから。)


【恋愛対象としては見れない、と?】


(………まだ何とも言えませんわ。)


【じゃあさ、白百合のプリンセスとはあれからどうなった?】


「ブッ!?」

あ、いきなり現実に吹き出しやがった。


「ど、どうされたんですか美鈴メイリンさん?」

慌てて明花ミンファがナプキンを差し出した。


「ちょ、ちょい…むせました…わ…ゲホゲホ…!」


「大丈夫ですか?」

若汐ルオシーも心配そうに美鈴メイリンの顔を覗き込んだ。


「ご、ご心配…おかけ、しま……した、わ………エヘン、エヘン…!」


「あ、あまり食事が喉を通りませんのでトレーニングしてきますわ!」


美鈴メイリンはこの場に居辛くなって、逃げるように自室へと戻った。


「ああー、行ってしまわれました…。」

残念そうな明花ミンファ


「あの…明花ミンファさん?」


「何かしら?」


「私、昨日は本当に…?」


「ええ、汗だくで全身ズブ濡れの貴女を私が全部脱がして身体中拭いてあげてた所に美鈴メイリンさんも来られたから、それはもう丸見えでしたよ?」


「ガガア~~~ン☆」


ショックのあまりテーブルに突っ伏してしまう若汐ルオシー


「…わ、私、美鈴メイリンさんにも、明花ミンファさんにも全部…!」


「何をそんなに気にしてるのかしら、女の子同士でしょ私達?」


「でも好きな人に見られるのは恥ずかしいですよ。」


「…それは、…まあ、わかりますけど…。」

明花ミンファにも若汐ルオシーほどでは無いにしろ、覚えがあった。


「…て、…あ、あれれ?………貴女…、まさか…?」

ここで明花ミンファが何かに気が付いたようだ。


コクリと首肯く若汐ルオシー


「私にとって美鈴メイリンさんは一番愛しい人です。」


「けどあの人を取り合う立場で無ければ、実は明花ミンファさんも結構私の好みなんです。」


「…!」

明花ミンファはドキッとした。


これまで恋と言えば美鈴メイリンしか頭に無かった彼女は、今まで相手から好きだと言われた事など一度も無かった。


すると、昨日汗を拭くためとはいえ若汐ルオシーを全部脱がして身体の隅々まで拭いた行為が途端に恥ずかしくなってきた明花ミンファだった。


「あ、あの…どうかされましたか?」


「あ、な、何でも無いわ。」


明花ミンファは頬が紅潮してきたのを誤魔化すようにフィンガーボールの水を顔にかけた。


「ちょ、ちょっと眠くなってきたから、私も部屋に戻ろうかしら?」


「そうですか。では私は美鈴メイリンさんのトレーニングにお付き合いします。」


「無理してまた倒れても知りませんよ?」


「そしたらまた明花ミンファさんに介抱して貰えますから。」

若汐ルオシーがニコッと笑った。


ドキイン♪♪♪


(…なな、なんなのコイツ?意外に可愛いじゃない!?)


突然、前世の腐女子としての性的嗜好が甦ってしまった明花ミンファだった。


まだ恋愛には遠い感情ではあるものの、明花ミンファ若汐ルオシーを見る目がこの時変わった。


そうなると、前世腐女子としてはこの美味しい獲物を前に彼女の潜在意識の食指が疼かずにはいられなかった。


とは言え、そのまま行動に起こしては変態認定されて美鈴メイリンから嫌われてしまうだろう。


(自制心、自制心。)

こと美鈴メイリンと添い遂げるためであるなら、セルフコントロールを容易にこなせる明花ミンファなのだ。


「…で、では私は後ほど二人の様子を見に行きますね。」

「あの人の事です、きっと貴女がぶっ倒れるまでマイペースで訓練に付き合わせてしまいますからね。」


「が、頑張らないといけませんね、私。」

「しかし私がここに来たのは美鈴メイリンさんへのご恩返しに訓練に付き合う目的も合ったんです。」


「そうだったんですか?」


美鈴メイリンさんは学院代表選抜戦に出られるんですよね?」

「その力添えになりたいんです。」


「でも貴女も中等部の学院代表選抜があるのでは?」


「………私達は今年は辞退すると決めました。」


「どうして…………あ。…まさか?」


安月夜アン・ユーイー生徒会長さんとその従者さんにかけた迷惑、本来なら断罪されても仕方ない所を許していただきました。」


「しかしそれではケジメがつかないので皆で話しあって、辞退を決定しました。」


「そう…だったんですね。」


美鈴メイリンさんの為に出来る事なら何でも申し付けてください、私頑張りますから!」

そう言うと若汐ルオシーは元気良く部屋を出て行った。


「もうっ、だから病み上がりに無茶しないでくださいねー?」


「…全く、またどうせ汗だくでフラフラしちゃうに決まってるわ…。」


(…………汗だくになったら、またあの子のことを…。)


…と一瞬、よこしまな考えが浮かんだのでブンブンと首を振る明花ミンファだった。



……………。



「何も私に合わせて貴女まで鉛入りの重りを付けて走らなくても良かったんですのよ?」


「はあ、ひい、ぜい、ぜい………。」


案の定、ランニングに出掛けた美鈴メイリンに付いて行った若汐ルオシーは、帰りは美鈴メイリンに背負われる羽目となった。


「…言わんこっちゃない。」

ムスッとした明花ミンファの背中に若汐ルオシーを任せる美鈴メイリン


「それじゃあこの子お願いしますわね。」


「はい、美鈴メイリンさんはどうされます?」


「汗を流してから昼寝致しますわ。」


「お昼のお食事はどうされます?」


「そんなの水瓜スイカで充分ですわよ。」


「では、頼みましたわよー。」


そう言って部屋へ戻っていく美鈴メイリンを見送ってから、自室に若汐ルオシーを運ぶ明花ミンファ


「あ、そうでしたわ。」


クルッと振り返る美鈴メイリン


「え?」

その声に明花ミンファも振り替える。


「…その………その子、と………。」


「…はあ、何でしょう?」


「あ、あまり…その…」「


「…イ、イチャイチャしちゃ、ダメですわよ!」


そう叫ぶと恥ずかしそうに小走りで部屋へと戻る美鈴メイリンだった。


「これって…。」


美鈴メイリンさん、まさか妬いてる…?」


(でも、それはどっちに対してなのかしら?)


自分にだったらいいな、そんな事を考えながら部屋に入る明花ミンファだった。


少し上機嫌に鼻歌を唄いながら。




【よーよー美鈴メイリン、さっきは何であんな事を言ったんだー?】

俺は部屋に帰ってタオルで頭をガシガシやってる美鈴メイリンを弄っていた。


(あーっ、うるさいですわよっ!!)


【そっかそっかー、なんだかんだ言いながら、やっぱお前って実は明花ミンファの事をー♪】


俺はニヤニヤしながら焚き付けてやった。


(シャアーラップですわあっ!!!)


聖霊の仮面を床に叩きつけて、あまつさえ踏んづけようとする美鈴メイリン


【わー、悪かった、俺がからかい過ぎた、ゴメン!】


ハーハー息をして思い止まってくれた。


(全く、どうして貴方はそんなにデリカシー無いんですの?!)


(本当に全く!私が本当に好きなのは誰だか知らない癖に!!)


【へえ?そんなのいたのか?誰なんだソイツ?】


(ですから!………の、ノーコメント!ですわ…。)


何か歯切れが悪くなってきたな。


【まあ、話したくないならまだいいけどさ。】


(………で、でで、では、知らないでいて、下さいまし…。)


【…………。】


(ちょっと?これから私お風呂で湯浴みするんですけど?)


【あ、ああ大丈夫。お前が前世男だからってさすがに現世女の子の裸を見たりはしないって。】


(いいから、見ざる聞かざる言わざるしろっ!!)


スパーンと美鈴メイリンがスリッパを聖霊の仮面めがけて投げつけた。

幸い当たらなかったけどな。


バタンと浴室のドアが閉まった。


なーにカリカリしてんだか、アイツは。




(…………名尾ナビ君の…バカ…。)


かすかに風呂から俺への悪口が聴こえてきたけどいつもの台詞だからスルーしてやろう。


アイツは取り敢えずこの台詞セリフを言うことで俺へのストレスをガス抜きでもしてんだろうからな。


………それはそうと、この寮の一部から何やら悶々とする気配を感じるんだけど…これは明花ミンファの部屋からか。


まあいい、特に事件性も無さそうだし。


あまり彼女のプライベートまで覗いてると美鈴メイリンからまた怒られそうだからな、自重しとこう。


覗くと言えば、相変わらず月夜ユーイーは自室とその周辺に結界張りまくりだな。


食事も自室で済ませてるみたいだし、従者の依然イーランが世話してるようだけど、彼女以外とは接触してないみたいだ。


あ、そう言えば白百合のプリンセスも同部屋だったな。


彼女どうしてんだろ、まだ調子が戻らないのかな?

あの部屋と結界の中から出して貰えないのは彼女の安全のためだと言うのはわかるんだけど…。


あの子も美鈴メイリンの事が好きだったみたいだし、あの精神世界での二人の時間で少しは仲が進展したのかな?


ぶっちゃけ美鈴メイリンが恋人と結ばれるとして、今の時点でのその相手は明花ミンファか白百合のプリンセスが最有力候補だと俺は見ている。


正直どっちがくっついてもいい。


ただ明花ミンファはともかく白百合のプリンセスは今の篭の鳥状態を何とかしないと。


そう言えばあの謎の敵。


白百合のプリンセスを奪うと言いながらここ数日音沙汰は無い。


一体何を企んでるのか、正直不気味だ。


元のゲームのシナリオでは最終的には魔物の大群と戦う事になるんだけど、イコール魔族との戦いでは無いからな。


でもあの魔術を使う敵、あれはやはり魔族なんだろうか。


そうこう考えてるうちに美鈴メイリンがバスタオルを身体に巻いて風呂場から出てきた。


風魔法で頭を乾かしてる。


(…今頃、明花ミンファさんは若汐ルオシーさんと二人きりで彼女を介抱されてますのよね…。)


(…何か、落ち着きません…。)


(それにしてもさっきは何で明花ミンファさんにあんな事言ってしまいましたのかしら?)


愛麗アイリー芽友ヤーヨウさんも愛麗アイリーの宿題のために部屋に籠りっきりですし………。)


(退屈、ですわ…。)


あ、そうか。


臨海学校から帰ってきたから、ほとんどの生徒がまた実家に戻ったんだっけ。


(こうなったら私も明花ミンファさんの部屋に行ってみましょうかしら?)


立ちあがり一歩踏み出したところで美鈴メイリンが止まる。


おい、少しバスタオルがズレたぞ。


あまりふくよかでもない美鈴メイリンの胸元が見える。


…少しだけ谷間らしいものが出来てる、かな?


(今彼女の部屋に行って、もし明花ミンファさんが若汐ルオシーさんといい雰囲気になってたりしたら…?)


(こ、怖い…ですわ…。)


お?これはもしや。


そうか美鈴メイリン、お前もやっと明花ミンファへの恋を自覚するようになって来たか…!


俺は感慨深げに「ウン、ウン。」

と首肯いていた。

感動にうち震えながら、な。



「怖い…明花ミンファさんが若汐ルオシーさんと、そんな仲になってたりしたら…。」



★真友が同性愛者なんて、怖すぎますわーっ!!★



この美鈴メイリンの魂の叫びに、俺は思い切りズッコケた。




(……………ん?)


辺りがいつの間にか薄暗い。


やぺえ、何か寝ちまってたみたいだ。


美鈴メイリンもいつの間にかベッドの上でシーツをかけて眠っていたようだ。


て、アイツ素肌のままじゃん?


身体にかけてたバスタオルもベッドに置かれてた。


幾ら夏だからって身体冷やすぞ?


美鈴メイリンさーん、お夕食出来ましたー。』


その声にガバッと起き上がる美鈴メイリン


「はーい、今行きますわーっ♪」


ベッドから駆け出す美鈴メイリン…て、おいちよっと待て?!



ハッ?と自分の身体を見て何も着てない事にやっと気が付く美鈴メイリン


恐る恐るこっちを見てるな。


大丈夫、まだ背中までしか見えてないから。


すると、そのままシーツを被って移動を始めやがった。


惜しい、もうちょっとだったのに(笑)。


そしてタンスをごそごそやって半袖短パンみたいなのを身に付け部屋を出てった。


そして一階の食堂。


「うわ~、美味しそうな香りがしますわぁ。」


美鈴メイリンが席に着いたら鉄板のプレートを明花ミンファがテーブルに置いた。


「火の魔法鉱石から作られた調理用プレートです☆」


蓋とプレートの隙間からジュウジュウ音が鳴り、食欲をそそる香りが漂う。


これはもしやオイスターソース?


それともウスターソース?


何かソースっぽい臭いのような気がする…まさか手作りソース?


明花ミンファって食に関して行動力あるんだなあ。



「あー、お腹空きましたあ。」

若汐ルオシーも食堂に降りてきた。


ドタドタと階段の音を響かせ愛麗アイリー芽友ヤーヨウもやって来た。


「お嬢様、ご飯…あれ?若汐ルオシーさん?」


「お邪魔してまーす。」


「フフッ、寮は人気が少なくなりましたから、一人でも多い方が嬉しいですね。」

芽友ヤーヨウに歓迎されて微笑む若汐ルオシー


皆が席に着くと、明花ミンファがプレートの蓋を開けた。


「ジャーン☆」


「「「「おおお~っ♪♪」」」」


プレートには肉と野菜がたっぷりと炒めてあった。


やはりソースでもかけてあるんだろうか、茶色い色の炒め物料理だった。


肉や野菜のジュージュー焼ける音が食欲中枢を刺激しまくる!


「さあ、存分に召し上がれ☆」



「「「「いっただっきまあ~すっ!!!」」」」


楽しい、賑やかな宴が始まった。




そんな明るい声が微かながら月夜ユーイーの部屋にも届いた。


「………下は騒がしいようね。」


「腹ごしらえが済めば収まるでしょう。」


月夜ユーイー依然イーランがナイトガウンを着てテーブルに置いたステーキとワインとで食事していた。


「さあ、これを食べたらまた…。」


「ええ、あの子を。」


依然イーランはベッドにうつ伏せに寝ている白百合のプリンセスを抱き起こした。


そして彼女の乱れた寝間着を直してあげると、瓶に詰めた流動食を与えた。


ごくっ、ごくっ…。


「そう、ゆっくり飲みなさい。慌てたら喉に詰まるわよ。」


依然イーランは穏やかに彼女に接していた。


まだ今は。


「フフフフ…………夜はまだ長いもの、これからが徐々に、ですものね。」


やがて流動食を飲み終えた白百合のプリンセスを風呂場へと連れてゆく依然イーラン


曇りガラスの向こうで二人の白い肌がボンヤリ見えた。


「さて、今夜はどうやって楽しもうかしら…。」


その時突如、月夜ユーイーの表情が豹変した。


『フフフ…この身体も中々悪くないものねえ。』


月夜ユーイーはガウンの中に手を入れて、悶え始めた。


そしてくぐもった声を僅かに洩らす。


少しして、ハッと気が付く月夜ユーイー


(あらイヤだ、楽しみで待ちきれなくなったのかしら…?)


風呂場の扉が開いた。


「遅くなりましたお嬢様。」

バスタオルを巻いた依然イーランがやはりバスタオルを巻いた白百合のプリンセスを支えながら出てきた。


「さては中で楽しんでたでしょ?」


「さて、何の事でございましょう?」

しらを切る依然イーランをただニヤニヤ笑って見ている月夜ユーイー


「お嬢様こそ、待ちきれなかったご様子で?」


髪とガウンの乱れを指差しで指摘される月夜ユーイー


「それだけ貴女達が長風呂してたって事よ。」


……………………………………。


風呂から月夜ユーイーが出てくると、白百合のプリンセスは真ん中に横たわらされた。


「ウフフ…大好きよ、白百合のプリンセス…。」


「私も。お嬢様の次くらいには。」


白百合のプリンセスは無感情、無表情、無言のままだった。


これからイヤでもありったけの感情と表情、そして鳴き声を発する事になるのだから。


そして、彼女のバスタオルがゆっくりと剥がされていった……………。



………………………。



そして下の階。


食堂では夕食も片付き、それぞれが思い思いにダラダラと過ごしていた。


ふと、美鈴メイリンが食堂に来てから気になっていた事を尋ねた。


「ねえ明花ミンファさん、その鼻に差した【こより】は何ですの?」


ギクッとする明花ミンファ


「あ、あの!これはその…?」


「あー、鼻血出てますね?私もお嬢様のエッチな妄想した時に良くやります!」

愛麗アイリーが自慢そうに話した。


「貴女と一緒にしないの!」

「お嬢様、お疲れがたまってらしたのでは?言ってくだされば私が何時も通り家事をこなしましたのに。」


「だ、大丈夫よ芽友ヤーヨウ、ありがと。」


「すみません、私が昨日から熱射病で倒れて面倒かけたせいですね?」


「き、気にしなくていいのよ若汐ルオシー?私が【やりたくてやった】事なんだから♪」


「……………。」


「ど、どうかしましたか美鈴メイリンさん?」


「…明花ミンファさん、何か良いことありましたか?」


「ふえっ?…べ、別に?何で?」


「…そうですかあ?」


何か腑に落ちないという顔の美鈴メイリン


一方、ジッと美鈴メイリンを見ている明花ミンファ


彼女の視線が徐々に下に向かっていく。


そして何回も美鈴メイリン若汐ルオシーの全身を眺めていた。


「………うっ。」


「どうしました?」


「ごめんなさい、また鼻血が抜けて…私もう寝ますね?」


そう言うと明花ミンファは食堂を出て階段を登っていった。


「大丈夫でしょうか?」


「そうですね…後で様子を見に行きましょうか、美鈴メイリンさん?」


「…………それは却って逆効果かと…。」

芽友ヤーヨウは何となく美鈴メイリンを意識してるのが原因かと思った。


「「??」」

その言葉に意味が分からず顔を見つめ会う美鈴メイリン若汐ルオシーだった。


で、寝床に横になった明花ミンファだが………。


「あああ~、ダメっ!興奮しっ放しで眠れそうにないよお~☆☆☆」


一体彼女に何があったのだろう?

その答えは彼女しか知らない。


一つ言えるのは、明花ミンファは今とても幸せそうだという事だった。


幸せそう…と言うか、興奮しまくりで鼻血まで出してしまってる明花ミンファ

よほど嬉しい事でもあったのでしょうか?


まあ何かと脇が甘い美鈴メイリン若汐ルオシーなので、この二人が知らず知らずの内に明花ミンファを喜ばせるような事をしたのかも…?


しかしそれが何であれ、明花ミンファにとってさぞや一夏の良い思い出になったのは間違いないでしょう。

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