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慈悲深い仮面の剣豪は、実は血を見るのが苦手な中華風TS美少女です!  作者: 長紀歩生武
第一章【高等部入学編】
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第二十九話【素直になれない二人の初めての喧嘩】

カップルコンテストを前にしてるのに、この期に及んでまさかの喧嘩。

美鈴メイリン明花ミンファにやきもきされられます。


カップルコンテスト時間が近づくにつれ、続々と生徒達がコンテスト会場に集まり出した。


「あら、もう出場者達が集まってますわよ?」

「でもまだ始まるには時間が早いですよね?」


「取り敢えず私達も行っておきましょうか。」

「ええ。ギリギリ間に合うよりはいいかもですね?」


美鈴メイリン明花ミンファの二人はカップルコンテストが始まる前のステージのその奥へと向かって行った。


「カップルコンテスト出場者の方々は、こちらにお集まりくださーい。」

係員を務める生徒達が出場者達を誘導し始める。


既に五組ほどのカップルが列を作って並んでいた。

美鈴メイリン明花ミンファもその列の後ろに並ぶ。


「え?もしや貴女達…黎美鈴リー・メイリンさんと、文明花ウェン・ミンファさん?」


「「「エエエ~ッ?!」」」

驚きの声と共に数名の顔が美鈴メイリン明花ミンファの方を見た。


「あの、フレイムドラゴン退治の現場にいた?」


「何で貴女達がここに?」


「嘘?貴女達って恋人同士だったの?」


すると係員として誘導をしていた生徒らもその声に混ざって来た。

「そ、そんなあ?私、美鈴メイリンさんのファンだったのにい!」


「私は明花ミンファさん、貴女の事をずっと見て来たんですよ?それなのに…!」


「え、えっとお…。」

「こ、この段階でこんな騒ぎになるなんて…」

生徒達の反応に困惑する美鈴メイリン明花ミンファだった。


「ハイハイみんな、静粛に!」


そこへファン先生が現れてこの場を収めた。


「あ、先生?」


「みんなの気持ちも分かる。私だって美鈴メイリン君の事を思うと嫉妬で胸が張り裂けそうなんだからな。」


「えっ?!」

突然のファン先生からの告白に美鈴メイリンが驚いた。


「あの、先生?この場を収めに来たんじゃなくて茶々混ぜにいらしたんですか?」

明花ミンファが困ったように言った。


「まあ、話しは最後まで聞け。」

コホンと軽く咳払いするファン先生。


「これはあくまでもコンテスト、お祭りだ。」

「この二人が仲良くしてると周りまで楽しくなる、そんな組み合わせが今ここに集まっている。そうだろう?」

皆が互いに顔を見合せた。


「それに君たちもカップルとしてここにいるなら、それなりに仲良くて互いに思い合ってるんじゃないのか?」


「…そ、それは。」

「確かに、そうですけど~。」

彼女らは言われて見れば、と納得する。


「君たちはいいよ。私なんて相手がいないからな………」

チラッと美鈴メイリンに目配せした後で段々と愚痴っぽくなるファン先生だった。


コホン!と咳払いして先生に便乗する美鈴メイリン

「せ、先生の仰有る通りですわ?私は明花ミンファさんとは確かに仲が良いですから、彼女に頼まれてここにいるのです。」

「だからまだそんな皆さんが騒がれるほどには意味深い関係ではないのですわ。」


「えっ?!」


皆は呆気に取られたように二人を見つめる。

そして。


「なあ~んだ、ガッカリ。」

「思わず期待しちゃったじゃない。」

「紛らわしい場所に来ないでくださいな。」

「あ~、つまんない。」


何だか罵倒されてるような。


「あ、あら?皆さんどうなされ…」

オタオタする美鈴メイリン


「ハイハイ、皆、後は静かに並んでるんだぞ?」


「はーい。」


みんなは先生の指示に素直にしたがってそれきり美鈴メイリン明花ミンファの事で騒がなくなった。

先生もホッとしたような顔でニコッと笑い、美鈴メイリンを一瞥すると、ステージから降りていった。


「一体どうしたのかしら、明花ミンファさん…」


ブッスーッ!

明花ミンファが思いッ切りムクレ顔で美鈴メイリンを睨んでいた。


「ど、どうされましたの?」


「なんでありません!」

プイッと横を向く明花ミンファだった。

(なにも皆さんの前ので、そこまでハッキリと否定しなくてもいいじゃありませんか!)


「あの~まさかとは思いますが、…怒っておられますの?」


「怒ってなどいません。」

ツーンと澄まし顔で嘘を付く明花ミンファ


「やれやれ。取りつくしまもなしですか。」


「そうでございますか、怒ってないならもう貴女なんか気にしない事にいたしますわ!」


今度は美鈴メイリンの方もそれきり黙ってしまった。

明らかに不機嫌な顔だ。


暫くそのままの状態が続いていたのだが、先に機嫌の悪くなった明花ミンファの方が段々不安になってきた。

(あら?もしかしたら美鈴メイリンさんの方も機嫌悪くなっちゃった…?)


だが先に自分を怒らせたのは美鈴メイリンの方だ、と意地を張ってしまう明花ミンファ


するとさっきまで騒いでいた他の出場者達もこの二人の険悪な雰囲気を感じとった。


(あの二人、何だかヤバくありせんこと?)


(あらあら、ここに来て喧嘩かしら。)


(先ほどの美鈴メイリンさんの「頼まれたから」とか「深い関係ではない」発言が原因かしら。)


(でも、それって私達が美鈴メイリンさんの嫉妬で騒いだせいでは…。)


(と、言うことは、やはり明花ミンファさんは美鈴メイリンさんの事を…。)


美鈴メイリンさんも明花ミンファさんの事を?)


(なーんだ、犬も食わぬとやらですか。)


口々に好き勝手にボソボソ喋る皆に向けて一言。


「貴女がた。全部聞こえてますからね?」

美鈴メイリンがギロッと彼女らを睨み付けた。


彼女らの周囲の気温が一気に冷えた。


ゾゾーッと背筋が凍りそうになった彼女らは黙ってしまうのだった。


「済みませええん、遅くなりましたあ。」


そこへ、場の空気を全く読まずに愛麗アイリー芽友ヤーヨウがやって来るのだった。

とりあえずこの場の雰囲気が和みそうだとホッとする他の出演者達。


一方、幾ら愛麗アイリー芽友ヤーヨウの側仕えコンビに話しかけられても生返事をするばかりの美鈴メイリン明花ミンファ

「?」と首を傾げるばかりの愛麗アイリー芽友ヤーヨウの二人であった。


こうしてカップルコンテストは先行き不安な状態で幕を開ける事となった。



ザワザワ。


会場の観客席がざわめいている。


『皆さーん、本日はお集まりいただきまして、誠にありがとーございまーす!』


この元気の良いアナウンスに合わせて歓声が巻き起こる。


「中々元気そうな方のアナウンスですね、一体誰でしょう?」

愛麗アイリー美鈴メイリンに尋ねた。

「あれですか。確か…生徒会長直々にコンテストの司会を勤められるとか…。」


「ええー?あの、アン先輩がですかあー?!」

驚きのあまりに思わず明花ミンファ美鈴メイリンの方を向いて話しかけた。


「ええ、意外でしょう?まさかあのお淑やかそうな会長さんが…。」


「そうですね、何かいつもとキャラが違っ…。」


そこでハタと気が付く二人。


さっきまで自分たちが喧嘩して口を聞かなかった事を思い出したのだ。


再び「ツーン!」と、そっぽを向く二人。


(ありゃりゃ、残念でしたね愛麗アイリーさん。)


(惜しかったです。次は芽友ヤーヨウさんお願いです!)


(わ、私がですかあ?)


愛麗アイリー芽友ヤーヨウの二人がご主人様達の仲を良くしようと懸命な間、舞台上には安月夜アン・ユーイーがステージに上がってカップルコンテストの説明をしていた。


『と、言うワケでしてー。見事決勝に勝ち残った二組に優勝をかけて最後の勝負に挑んでいただくという、そういう流れになってまーす!』


「あ、今のところで私良く聞いてませんでした。芽友ヤーヨウ、さっき会長はなんと言われたのですか?」


「あ、先程のはですね。」


「決勝まで残ったカップル二組に優勝をかけて勝負してもらうという話しです。」


「勝負?!」


その言葉に美鈴メイリンの目がキラーン!と光った。


「聞きましたか明花ミンファさん?誰が相手になるのかわかりませんが負けられませんよ!」


「はい!血が騒ぎますね!」


二人ともワクワクしていた。

やはりこの二人は結構似た者同士なのかも知れない。


喧嘩していたことも忘れてすっかりやる気になってる二人。



…が、ここでまたしても余計な一言が。


「あー良かったですぅ。これで二人共仲直りですね?」


「「えっ?!」」


互いに顔を見直す美鈴メイリン明花ミンファ


そして何やら気まずそうに、やはり横を向いて目を反らす二人だった。


(あれっ?何だかまたお二人の様子が…?)


(もうっ、愛麗アイリーさんのバカ!何でそこであんな事をおっしゃいますかー?)


芽友ヤーヨウは呆れた。


(す、すみませんです!だってー、もう仲直りされたものだと思いまして、つい…。)


(んなワケないでしょ?)


『では、出場者のカップルさん達はステージに上がってください。』

『会長の皆さん、拍手でお出迎えください!』

パチパチパチパチパチ…………☆


次々と他の出場者達はステージに上がって行く。


「あ、ああ!…ほら、お嬢様?早く壇上に上がらないと…!」


「わ、わかってますわよ。急かさないで愛麗アイリー?」


「ホラ、明花ミンファ様も…」


「え、ええ。」

芽友ヤーヨウに急かされステージに向かう明花ミンファだったが。


(何故こうなっちゃったのかな?)


(ついさっきまでは美鈴メイリンさんと一緒にこのカップルコンテストに出られる事が楽しみで嬉しくて仕方がなかったというのに。)


(今は、こんなに胸が苦しい………。)

切なそうな表情になる明花ミンファ


一方、美鈴メイリンも。


(あー、何だか気不味いですわ。)


(せっかくどうせ出るなら楽しまなきゃ!と思ってましたのに…。)


((どうして、つまんない意地をはってしまったのかしら…?))

ステージの上で黄昏れる二人だった。


そうやって二人が黄昏れてる間にも、カップル達は続々と安月夜アン・ユーイー生徒会長からインタビューを受けていた。


安月夜アン・ユーイーは表向き明るい笑顔と元気な声でカップル達へのインタビューをこなしていたが。


(ど、どうして私が美鈴メイリンさんと一緒にカップルとしてカップルコンテストに出られずに、こんなイベント司会をしなければならないの?!)


(こうなったらせめて美鈴メイリンさんが明花ミンファさんとアツアツなカップルにならないように優勝だけは阻止しなければいけないわね!)


そう。


安月夜アン・ユーイーがただ真面目に生徒会長として白百合祭の司会を引き受けてるワケが無かった。


その魂胆は、実のところ美鈴メイリン明花ミンファがこれ以上仲良くならないように邪魔してやろうというものだった!




………ただ、いまその二人は絶賛喧嘩中なのだとも知らずに。


喧嘩はしているものの、やっぱり仲直りしたい…だけど意地を張って中々その糸口が掴めない。


そんな美鈴メイリン明花ミンファの所へと二人の仲を邪魔するため虎視眈々と狙う安月夜アン・ユーイーが二人のすぐ側までインタビューにやって来ていたのだった。


(…さあ明花ミンファさん、見てらっしゃい?!ステージで思い切り美鈴メイリンからの印象を悪くしてあげるわ!)


安月夜アン・ユーイー生徒会長は美鈴メイリン&明花ミンファというカップルを皆の見ている前で破局させる気満々だった。


…………だから、その二人は絶賛喧嘩の真っ最中だというのに………。



側仕えも手を焼く犬も食わないナンとやら。


そんな事とはつゆ知らず、腹黒い安月夜アン・ユーイー生徒会長は何かをしでかそうとするのですが、果たして?

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