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慈悲深い仮面の剣豪は、実は血を見るのが苦手な中華風TS美少女です!  作者: 長紀歩生武
第一章【高等部入学編】
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第二十四話【研究者と変質者は紙一重?】

美鈴メイリン明花ミンファは学院内で入部出来る部活を探すのですが、運動部は意外に難航したので文化部を見て回ります。

そして最後に訪れた部活から新キャラが登場します。


美鈴メイリン明花ミンファは一旦校舎に戻り、図書室を訪ねた。


放課後図書室にファン先生が居ると先生自身から教えられた事があるので部活選びの参考に、という理由も勿論あった。


だがもう一つの理由が。


愛麗アイリー、宿題の方は進んでますか?」


「ううう~、お、お嬢様~。」


「すみません美鈴メイリンさん、この子にはもう少し自分の頭で考えさせないといけないのでヒントとかは言わないでくださいね?」


「あ、芽友ヤーヨウさん。この間からうちの側仕えがご迷惑かけて申し訳ありませんわ。」

「このバカ側仕えに付き合って下さって本当にありがとうございます。」

美鈴メイリンが芽友に会釈する。


「そ、そんな!頭をおあげください美鈴メイリン様!こんな一介の側仕えになど、冗談でも頭を下げるなんて?」


美鈴メイリンさん、お礼を述べていただけた殊に感謝します。けど、やはり貴族のご令嬢が側仕えに頭を下げるのは問題かと。」

明花ミンファも身分違いによる常識はわきまえているようだ。


「ええ。ですからこれは、ここだけの事。貴族と側仕えとしてではなく、幼なじみの面倒を見てくださるクラスの友人に対しての、私からのささやかな感謝の意を表したのですわ。」


優しく頬笑む美鈴メイリン


その彼女の近くにいた明花ミンファ芽友ヤーヨウ愛麗アイリーらは美鈴メイリンに胸をズキューン!と撃ち抜かれたような衝撃を受けた。


「お、お嬢様?そんなお顔をされたら、みんな惚れてまうですわああ~♪」

愛麗アイリーがフワフワと虚ろな顔でにこやかに惚けていた。



「?愛麗アイリー、貴女言葉が変ですわよ?」


「そ、そりゃこの子も変になりますよ。美鈴メイリンさんの今の笑顔、ほとんど凶器でございます。」

芽友ヤーヨウも顔が赤くなって美鈴メイリンを見れなかった。


「め、美鈴メイリンさん?そのようなお顔は………私だけにお向け下さい………。」

明花ミンファが嫉妬と好意が入り交じった顔で美鈴メイリンを見つめる。


「…私の顔が凶器………」


「み、明花ミンファさん?」


『私の顔、そんなに怖いのですかああ~?!』


美鈴メイリンが目の下に滝のような涙をドバドバトバ流しながら明花ミンファに泣いてすがり付いた。


「だ、大丈夫ですよ?貴女はとても慈愛に満ちたお美しいお顔でございます。」

たじたじになりながら美鈴メイリンを宥める明花ミンファ


…………また話しがだいぶ脱線してしまったようなので時間を10分先に進めよう。


「………と、言うわけで私達は部活探しに参ります。愛麗アイリー、しっかり勉強して芽友ヤーヨウさんに迷惑をかけないようにするんですよ?」


「…善処しまあす…。」


「…うん。愛麗アイリー、貴女帰ってからお仕置き決定。」


「何でですか?!」


「善処するという言葉が私はこの世で一番信用ならないからですわ。」


「そんな理不尽なあ。」


「…本当は嬉しいんでしょ?」


「バレましたあ?」


と、一通り漫才をやって周りの図書室利用者達に迷惑をかけた後で図書室を後にする美鈴メイリン明花ミンファ


結局、ファン先生とは会話しなかった。


何故なら図書室での愛麗アイリー達との漫才が結構図書室中に響いたらしく、ファン先生の顔が怖くなっていたからだ。


「触らぬ神に祟り無し、ですわ。」


「君子危うきに近寄らず、とも言いますよね。」


二人はクスクスと笑った。



と、廊下の掲示板に貼られた1枚のポスターが二人の目に留まった。


『中央貴族学院白百合祭』


「…白百合の似合う清楚なカップルコンテスト、又は単独のミスコンテスト出場者募集。他薦自薦問わず、当学院内の誰でも参加可能。」


「へええ。優勝者は他の貴族学院との友好大使として任命されるそうですよ。」


「あ。美鈴メイリンさん、これ!」


「………ふむふむ?」


「カップルコンテスト、ミスコンテストの優勝者共に放課後の課外活動が自動的に免除?!」


「しかも一人で両方エントリーして良いそうですよ、これは出場しない手はありませんね?」


「………うう~ん。…でも、何かこれって見せ物晒し者になるワケじゃありませんか?」


「で、でもそれより名誉ある称号が手に入るし何より部活探ししなくてもいいのが魅力的だと思いませんか?」


「しかし優勝者に選ばれなければ結局部活探ししなければならないのでしょう?」

「それで優勝者が決まるまでの間に部活入ってなければそれだけ部活探しが遅れるだけですよ。」


「それは確かに正論なのですけど。」

明花ミンファは何故か美鈴メイリンが出場を渋るので不機嫌になってきた。

美鈴メイリンさんは私と一緒に出たくは無いのですか?」

とうとう拗ね始める明花ミンファ


前世は男でしかも女性とほとんど交流しなかったため女心が理解できない美鈴メイリンだった。

これは今世において女子に生まれ変ったからと言っても今日までの日々をきびきび修行や訓練にかまけて女子らしい会話や交流に乏しい生活を送ってきた弊害かも知れない。


「私ミスコンテストにはそれほど興味は…」


「いえ、その…か、カップル、コンテストの方ですけど………。」


「か、カップルう?!」


「…………イケませんか?」


上目遣いで美鈴メイリンを見てくる明花ミンファ


(う。そんな顔されたら…断れないじゃありませんか………!)


「…………でも、恥ずかしくありませんか?カップルとして周りからずっと見られる事になるんですよ?」


「………?美鈴メイリンさんは、私とカップルに見られるのがそんなにお嫌なのですか?」

明花ミンファの目がうるうるし出す。


これは不味い!

咄嗟にそう思った美鈴メイリン

「い、いえ?嫌ではありませんの!ただ恥ずかしいだけですわ!」


「じゃあ、一緒に出てくれますね?!」

明花ミンファの顔が、パアッと花が咲いたように明るくなった。


(…こ、転がされてる…明花ミンファさんの、手の内で…。)

美鈴メイリンの頬を冷や汗が伝って落ちた。


何やら明花ミンファの尻に敷かれる自分の姿を想像してしまった美鈴メイリンだった。


(…え?…明花ミンファさんの、尻に敷かれる………それって、ふ、夫婦………。)

「イヤイヤ、ちょっと待って下さいませ!」


「え?出てくれないんですか?」


「………え?………あ、そ、そうか、そうでした、わ。」

「ま、前向きに検討しますので。今日は取り敢えず文化部を覗いて行きましょう?」


「えーと………じゃあ、明日には出場手続きしましょうね?」


「あ…え、………ええ………。」


(こ、断れなくなりましたわ………。)


まあ、他のカップルが優勝すれば問題無いのだ、美鈴メイリンはそう思い直した。


別に自分達が優勝と決まったワケじゃないし、むしろそう決めつける方がおこがましいじゃないか!と考え方を改めるのだった。



そしてその後、美鈴メイリン達は美術部、チェス部、演奏部、ダンス部、合唱部、そして最後に魔法研究部を覗いた。


「意外に普通の入り口ですわね。」


「魔法研究とあるからってオドロオドロしい様子を想像するのは思い込みですよ、美鈴メイリンさん?」


「…いえ?魔法研究はとても知的で先鋭的な事業なので、もっとオシャレでカッコいいドアや壁を想像していたのですけど…。」


美鈴メイリンが訝しげな顔で明花ミンファの事を見てきたので、明花ミンファはまたまた余計な事を喋ってしまった!と心臓をバクバクさせていた。


すると、二人の前のドアが突然開いた。


「やっぱり訪問者かい?」

ゴーグルのようなモノを目にかけた白服の女子がドアから現れた。


「あ、あのお、ここに見学に来た者ですが。」

恐る恐る明花ミンファが話し掛ける。


「見学?と言う事は、新入部員かい?」


「いえ、あくまでまだ見学…ところでその顔にかけられてるのは何ですか?」


「ああこれ?今ケン開発中の透視ゴーグル。」


「透視?」


「そう。これを掛ければ壁の向こうも服のしたの肌着も丸見え…。」


そのゴーグル女子が明花ミンファの頭から足元までをじーっと眺める。


「な、何を見てるんですか?!」

咄嗟に美鈴メイリンが壁になって視界を遮る。


「…なんだ、そっちの子の方が発育いいな…」

ボソッと呟いたゴーグル女子。


と、美鈴メイリンの背後から真っ黒な殺気のオーラが立ち上るのをゴーグル女子の透視ゴーグルを通して確認した。


「じょ、ジョーダンだよ!それよかここじゃなんだから中に入って!」


部屋へと逃げるように入っていくゴーグル女子。


「今は他の部員が居なくて、何処にでも寛いでちょうだい。あ、そこのカップ使って勝手にコーヒー飲んでもいいから。」


「コーヒー、ですか?紅茶か烏龍茶が主流のこの国では少数派ですね。」


「私の家は先祖が大陸の西側から流れてきて以来、コーヒー豆を細々栽培してきてね。」

「今じゃだいぶ販路も広がりコーヒーも有名になってきた。値段もお手頃になりつつある。」


明花ミンファがポットから暖かいコーヒーをカップに注ぎ、先にソファーに腰かけた美鈴メイリンへと手渡した。

「はい。どうぞ、美鈴メイリンさん。」

「ありがとうございます、明花ミンファさん。」


明花ミンファ美鈴メイリンの側に坐り、一緒にコーヒーを戴いた。


「紅茶とはまた違った、いい薫りですわね。」

「はい。少し渋いですね。ミルクか砂糖が欲しくなります。」

「フフッ、明花ミンファさんは女の子らしくて可愛いいですね。」

久しぶりにコーヒーを戴いてリラックスしたせいか思わず美鈴メイリン明花ミンファを褒めた。

その言葉に明花ミンファは頬を紅く染めた。

「あ、その…美鈴メイリンさんだって、とても可愛らしくてお綺麗でいらっしゃいますよ…。」

「あ、ありがとう…ございます、わ………。」


何故か二人の間にピンク色の世界空間が広がった。


「こ、コホンコホン!」


「あ」

「え」


「そ、それで?二人は何か魔法が得意なのかな?自己紹介ついでに教えてくれないかな?」


「ええ、私は黎美鈴リー・メイリン。」

「風魔法と凍結魔法を使えますわ。どちらかと言えば攻撃への転用が得意ですわね。」

(…本当は火炎も雷撃も…まあその他諸々一通り使えて、得に攻撃魔法系統は大得意ですけどね?)

美鈴メイリンというと剣と規格外な筋力、運動能力ばかりがクローズアップされがちだが、実は才能においては魔法の方が天才と言えた。



「私は文明花ウェン・ミンファです。」

「実家は、研究開発中の魔法医学が実用化に成功した縁から最近貴族に仲間入りさせてもらったばかりです。」

「そのような理由から私も治癒魔法や回復魔法が得意です。他に防御に関する魔法や支援魔法もまだまだ未熟ながら取得済みです。」

未熟等と過小評価しているが、彼女もまた優れた魔法の才能の持ち主である。


「す、すると君達が噂の凄腕魔法使いの新入生?!」

驚いているゴーグル女子。


「あ、多分それですわ。おそらく私達は今学院で一番の有名人ですから。」


「例のフレイムドラゴン退治のせいですね。」


にこやかにとんでもない事を口走る目の前の二人をとんでもないモノを見るような目で見ているゴーグル女子。

すると彼女はいきなり立ち上った。

「申し遅れました!私はここの部長を務める者で、名は王張司ワン・チャンスーですっ!」


いきなり年上の先輩から敬語で挨拶されて面食らう美鈴メイリン明花ミンファだった。



何やら魔法研究部に入れられてしまいそうな雰囲気が。

そしてミスコンテストとカップルコンテスト、本当に美鈴メイリン明花ミンファは出場してしまうのか。

そして誰が優勝するのか?

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