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第百四十話【ドキドキお風呂タイム♪…て、変な期待はしないで下さい!】

明花ミンファです。

今晩は美鈴メイリンさんのご実家に泊まり、お風呂での会話がお話しのメインです。

私達四人のお風呂での会話はどんな内容になるのでしょう?


無事、美鈴メイリンの実家に辿り着いた一行は改めて美鈴メイリンの母親と改めて挨拶と自己紹介を終え、食事と休憩を経てから入浴時間を迎えていた。


俺は美鈴メイリンから見ないように言われてるんで泣く泣く音声しか拾えない。


「いかがでしたか我が家の料理は?」


「さすがは上流貴族のご実家ですね、食材といい味付けといい素晴らしかったです。」 

「調味料も王都で開発された物を積極的に取り入れてらっしゃるようですね?」


「わかりましたか、さすが明花ミンファさんでございますわ。」


「ありがとうございます、微妙な香りとかで判ったんです。」


「食通であるウチのお嬢様にここまで云わせるとは…美鈴メイリン様のご実家はやっぱり凄いですね。」


「ですね、私の前世の王宮でもここまでは…」


闘姫ドウ・ヂェンさんの前世は数百年前ですから、料理の進化を鑑みれば仕方ありませんもですものね。」


皆、満足してるみたいだな。


四人は大浴場に浸かりながら食後の会話を楽しんでいた。

俺的にはちょっと残念だけど、みんなタオルを身体に巻いている。


それでもみんな自分以外に裸見たり見られたりする機会もないからかなりドキドキしてたようだ。


「汚れを落とすだけなら個々人の部屋に別々にお湯を運べば良いですけど、まさかここまで立派な大浴場での入浴までさせていただけるなんて…」

ヂェンが恐縮です、と言うと。


「冬場身体を温め疲れを癒やすならちゃんとお湯に浸から無ければなりませんわ!」

「それにみんなでお風呂♪はパジャマパーティーを含めてガールズトークイベントの定番ですもの!」

…と、美鈴メイリンがやたら楽しそうに語った。


「はあ…そうですけど…」


「…そうなんでございますか?」


「さあ?」


この美鈴メイリンの発言に理解を示したのは同じ転生者と思われる明花ミンファだけで、芽友ヤーヨウ闘姫ドウ・ヂェンは「?」だった。


芽友ヤーヨウ

愛麗アイリーが居たら大喜びしそうな状況ですねえ。」と洩らした。


「とんでもございません、あのコが居たら恐ろしくてこんなイベントこなせませんわ!」


この一行は前に愛麗アイリー込みで一緒にサウナに入った事もあったのだが、それはノーカンなのか?


ちなみにこの大浴場は普段は使用されない。

これだけのお湯を用意するのはかなりの水とエネルギーを必要とするから毎日湯を張るわけにもいかないのだ。

勿論王都郊外では上水道が完備されてないのも理由だ。


良いところと言えばこの世界では水道料金は取られない事だな。

浄水場が無くて生活用水は直接川から水を引いてる。

飲水は山からの清水が瓶詰めされてる物か井戸水を飲む事になるがな。


「せっかく我が家に泊まっていただいてるのになんですけど、今後の日程を考えますと明後日には出立したいと思いますの。」


「それは少し早い気もしますが…スケジュールが押していれば仕方ないかも知れませんね。」


愛麗アイリーがそれ迄に合流出来れば良かってのですが…」


「確か年が暮れる迄には補習も終わりますし、彼女にはここで待機してもらって芽友ヤーヨウさんが迎えに行く手筈ですよね?」


「その通りですわ。」


「あのコの事は心配要りませんわ、それより北の地方へ行くには山越えが必要になるので、そこが心配ですわね。」


「そうですね、冬の山ですから雪が積もっていては馬車も通れない可能性があります。」


「その場合どうなされるんですか?」


「やはり火魔法で深い雪を溶かして除雪するしかありませんね。」

「吹雪とかでなければ私と美鈴メイリンさんでお二人を抱えて飛ぶという選択肢もございますが…」


「その方法も問題がありますものね。」


「問題とは?」


「お二人を抱えて飛ぶ場合、荷物の量が限られますわ。」


「ああ、なるほど。」


「かと言って途中天候不良になったから飛ぶのを止めた場合、馬車が無いので残りは歩きになりますからね…さてどうしたものでしょう。」


「それに馬車も降雪量や気温次第では動けなくなる危険がありますわ。」


「そうなると…あまり本数は無いけど蒸気機関車、という選択になるかと思います。」


「ええ、ですが蒸気機関は熱が動力ですしあまり急な登坂路もあればパワーダウンしますわ。」


「オマケに雪が酷ければレールが雪で塞がれて立ち往生になるそうですね、そうなればこれも下手すれば遭難に遭う危険がありますね…。」


「もう、いっそ鳳華音フォン・ファインさんには謝罪のお手紙を送って訪問は中止になさづてはいかがでしょうか?」


「それはなりませんわ、私は彼女からボディーガードの依頼を受けてますもの。」


「雪が積もるような酷寒で暗殺が起きますかね?」


「それが陰謀というものですよ芽友ヤーヨウさん。」

「貴族というのは常に策謀を巡らせているんです、油断はなりません。」

「寧ろこの寒さや雪を利用してくる可能性すらあります。」


ヂェンさんのおっしゃる通りですわ。」


「でも私達が安全にかの地方へ移動するには季節的に厳しい事に変わりありませんけど?」


「…やはりここは父役母様おとうさまにお願いするしかありませんわね。」


義父役母様おとうさまに、ですか?」


「ええ。」


「明日には父役母様おとうさまも出張先から帰宅されます、そこでお願いしてみましょう。」


「まさかとは思いますけど、それで駄目だと断られた場合はいかがいたしますか?」

 

バッ。


「どうされましたか美鈴メイリンさん、急に手を天に翳したりして。」


「飛んで行くしかない…そう、私の有翼飛翔魔術ウイングフライトの出番ですわね!」

「…まあその場合、出発は向こうと此方の天候次第、と言うことになりますが…。」


「「「ハハハ…。」」」

三人は美鈴メイリンの言葉に乾いた笑いを発するしか無かった…。


…。


「ふう…」


芽友ヤーヨウ大丈夫?」


「のぼせて来たようですね、もう上がった方がいいですよ?」


「…まだお嬢様がお湯に浸かっていらっしゃるというのにそういうわけには…」


「倒れたら大変でしてよ?素直にお上がりなさいな芽友ヤーヨウさん。」


「そうよ貴女の身体の方が大事よ?」


「…わかりました、先にお部屋で待たせてもらいます。」

ザバッ…。

ピチャ、ピチャ…。


芽友ヤーヨウはお湯から上がったらしい。


ガチャ…パタン…。


それから少し置いて脱衣所から芽友ヤーヨウが出て行ったらしい。


ザバ…。

「では…そろそろ私も…」

今度は闘姫ドウ・ヂェンがお湯から出たようだ。

「お休みなさいませお二人とも。」

「ええ、ヂェンさんも。」

「お疲れ様でした。」


ペタペタと脱衣所まで歩く音がする。


何時もなら美鈴メイリン明花ミンファ二人だけにしたくないと思うんだが、もしかしたら湯当たりしそうでそれどころじゃないのかも知れない。


明花ミンファさん、貴女はまだ大丈夫なのですの?」


「はい…もう少しくらいは。」


「そうですの?」

「…ではもう少ししたら私も上がりますわ。」


「そ、そうですか…(照)」

何で照れてる?


…あ、そうか。


脱衣所で服着るタイミングが重なると相手の裸を見たり見られたりになっちゃうからか!


「脱衣所の扉が動いたようですわ、では私も。」


「は、はい、私はあと少し…」


明花ミンファさん、私がお風呂から出たらお風呂の端に腰掛けて少し休まれると良いですわ。」


「あ、ありがとうございます。」


ザバッ!


「それと洗い場でお顔を水に濡らすとサッパリしますわよ?」


「わかりました、そうします。」


「ではごきげんよう、また明日。」


「はい、お休みなさい。」


…ふむ。これだけアドバイスされれば明花ミンファが一人だけ風呂でぶっ倒れてる、なんて事にはならなそうだ。


暫くして美鈴メイリンが部屋に戻って来たが、髪の手入れした程度で他には特にやる事も無く寝床に潜りこんだようだ。


おい、パジャマパーティとやらはどうした?

もうみんな寝ちまったのか?!


明日は出発前夜だから期待薄だ。

あーつまらん。


…………。


(…聖霊様、仮面の聖霊様…)



こんな時間俺の頭に話しかけて来たのは誰だ?


俺を仮面の聖霊様呼ばわりする、んでもって俺と念話交信出来るとなれば…


【白百合のプリンセスか?】


(ブーッ!残念でしたー違いますう〜!)


【何だ愛麗アイリーの方だったか。】


(そこまで残念そうにしなくても?!)


【いいから早く要件を言え、もう寝る時間だぞ】


(もう寝るんですか?)

(私は補習終えて身体洗ってさっきやっとご飯食べたばかりだというのに!)


【補習って夜まであったのか?冬休み中だってのに。】


(早く皆さんに合流したくて教師にお願いして私だけ前倒しさせて貰ったんです!)

(その努力の結果、やっと明日で補習が終わる事になりました!ブイッ!)


【何だブイッて、豚の鳴き声か?】


(違いますよ!Vサインのブイッ!ですよ!)


【なる程なあ、そっちか…】



…一瞬何かが引っかかったんだけど…


…まあいい、覚えてたらまた今度考えるとしよう。


(そ、それでですね?明後日はそちらを立たれるんですよね?)


【つまり芽友ヤーヨウに瞬間移動で迎えに来い、というわけか。】


(そうですそうなんです、よろしくお伝え下さい!)


【あ〜…ちょっとどうかな?】


(え、何ですその反応?)


【いやそれがな。】

【天候や積雪次第じゃ山越えが難しくなりそうなんだ。】


【んで天気が良い時に空飛んで一気に山越えする案が出てるんだが…】


(私の体重そんな重くないですよ?)


【体重じゃねえよ、美鈴メイリンが二人抱えて飛ぶ羽目になるって事だ。】


【人間だけじゃねえ、荷物も二人分で空飛んでかなきゃならないし途中吹雪いたりしたら危険だぞ。】


(わ、私邪魔でございますか?)


【いや、普段なら問題無いけど今回は下手すりゃ遭難するからなあ。】


(そんなあ…、せっかく頑張って補習を早く終わらせられるようにしたのにぃ…)


【まあ出発まであと1日あるから、それまでに良い案が出るさきっと。】


(お願いします〜、側仕えなのにお嬢様一人だけ行かせるなんて事になったら他の召使いの方々やお館様から何と言われる事か…)


【あ。そっちが心配なわけね?】

【まあそん時ゃ美鈴メイリンのヤツのせいにすりゃいいさ。】

【大体がアイツがこんな時期に鳳華音フォン・ファインの家にお泊りするなんて言い出さなきゃこんな事にはならなかったんだもんな。】


(ですよねー!)


【そーいうわけだからオマエも安心して寝ろ。】


(でも早く芽友ヤーヨウの側にも行きたいんですよお。)


【ハイハイご馳走様。】


(グスン。今晩も一人だけで自分を慰めなきゃならないんですね、私…。)


【とっとと寝ろーっ!】

いきなり何言い出しやがる(汗)。


夢見が悪くなりそうだ、白百合のプリンセスのポスター作って置いたから壁に貼って眺めながら寝よう。


オヤスミ…誰に言うでもなく、白百合のプリンセスのポスターに向けてボソッと一人呟く俺だった。


ところでみんな明日は何するんだろ?


あまり色っぽい話しやシーンはありませんでしたね、期待させてたらごめんなさい(苦笑)。

まあ美鈴メイリンさんがいたらこうなるのは当然かも?

旅疲れからか私達は直ぐ寝てしまいました。

なのでパジャマパーティも当分お預けのようです。

もう1泊したら美鈴メイリンさんのご実家ともお別れです。

明後日、果たして愛麗アイリーさんは合流出来るのでしょうか?



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