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第百十六話【決勝戦当日、試合開始前!】

美鈴メイリンは試合開始前ある場所へ…。

その後仲間達と共に会場入りするのですが…。


対戦相手の鳳華音フォン・ファインは絶対勝ちたいようです…下心ありそうですが。


さて…。


前回は。


…と、前々回を合わせてとなるが…。


学院対抗代表戦決勝当日までの経緯を語るあまり決勝戦がどうなったかお知らせするのが送れてしまって失礼した!


試合が始まるまでの単なる片付けから大事件になりかけるとは、流石は美鈴メイリン


「ちょっと違いますわよ名尾ナビ君?!」

「私は月夜ユーイー先輩の不始末の尻拭いをして差し上げましたのよ、犯人みたいな言い方ヤメーッ!ですわ!!」


…そうだった、失敬失敬♪


で、そんな色々あった結果、決勝戦は当日の午後から実施される事に。


その試合が始まるまでのちょっとした空き時間、美鈴メイリンは兼ねてより気になっていたある事を確かめる為に伝手を頼って監獄へ足を運んだ。


「おい、お客さんだ。」


「客う?」

ソイツは牢の鉄格子越しに一人の美少女を目にした。

「何だい?今更私にこんな可愛い娼婦の差し入れか?」


「無礼な!この方を何と…」


「構いません、それより本題に入らせていただきたいので貴方は席をお外し下さいな。」


「で、ですが御身にもしもの事があれば…」


「この私を誰だと思いまして?」


「し、失礼しました!ではごゆっくり!」


看守は外へ出た。

ブツブツと「お貴族のお嬢様に変な事でも起きなきゃいいけど…」と遠ざかっていく呟く小さな声が聴こえたので

クスッと悪戯っほく笑う美鈴メイリンだった。

ウン、まだいつもの悪役面な笑顔でないから安心出来るな。


「さて…」

美鈴メイリンは鉄格子越しの大女をジッと見つめた。


「キツイ目線がいいねえ。」

「だがお生憎、私は既にアンタの心を操っているのさ。」


「ほう…ならばどちらが催眠にかかってるか確かめましょうか?」


………約五分後。


「看守さん、用は済みましたわ。」


「ご、ご苦労さまでございます!」

ビシッと敬礼する看守。


「あ…!そうですわ、牢の中の彼女を魔法医師に見せてあげて下さいな…見送りはいりませんから。」


「…は?はあ、かしこまりました。」


美鈴メイリンが地下牢の通路を歩いて去ってゆく。

そして彼女は角を曲がった途端ダッシュで逃亡した。

…その数秒後、「エエエ〜〜〜っ?!」

という看守の声が微かに響いた。


…………。


一体何があったんだろう?

いや、知ってるけど敢えて知らせない事にする。


何せ血を見れば最悪失神してしまうご令嬢だ。


少なくとも生命奪ったり身体を欠損させるようなはしてない。

おそらく時間とともに元に戻るような事しかやってないはず…なあそうだろ美鈴メイリン


(あら何の事ですの?)

と、含み笑いする美鈴メイリン


………ま、大丈夫だろ…多分…?


…………閑話休題。


そして試合を待ち構える正午。


美鈴メイリンさーん♪」


最後の軽い調整として講堂の一画で白百合のプリンセスの生徒姿である闘姫ドウ・ヂェンと軽く剣を打ち合っていた美鈴メイリンは「真友」の明花ミンファの声に振り向いた。


明花ミンファさん?」

さっきまでやや真剣な表情だった美鈴メイリンの顔が美鈴ミンファの声が聞こえて綻んだ。


「お弁当作って来ました、食べて下さい♪」


明花ミンファはバスケットを開いた。


「おほっ♪明花ミンファさんお得意のサンドイッチですわね?」


「彩りも良くて美味しそうですね。」

闘姫ドウ・ヂェン、物欲しそうな顔が隠せて無いぞ?


「そうですか?よろしければ闘姫ドウ・ヂェンさんも、どうぞ。」

一瞬、明花ミンファが苦笑したように見えた。


「美味しいですわね♪」

「はい♪」

ムシャムシャパクパクとサンドイッチに齧り付く美鈴メイリンを見て顔を綻ばせる明花ミンファ

そして美鈴メイリンの隣で仲良さそうにサンドイッチを食べる闘姫ドウ・ヂェンが視界に入ると、ほんのちょっとだけ明花ミンファの笑顔に翳りが刺して見えた。


…そんな昼食も終わり、いよいよ試合は間近に迫る。


「そろそろ控室に行きませんと。」

美鈴メイリンが立ち上がる。


「あれ?今回はその練習用の剣で試合に出られるのですか?」

明花ミンファに聞かれてウッカリしてたという顔になる美鈴メイリン


「私とした事が。」

「部屋に取りに戻りませんと。」


「お嬢様ー!」

遠くから愛麗アイリーの声が聞こえた。

ナイスタイミングで愛麗アイリー芽友ヤーヨウと一緒に美鈴メイリン愛用の霊斬剣を持って来てくれた。


「良く気が付きました、愛麗アイリー。」

美鈴メイリンは霊斬剣を受け取ると愛麗アイリーの頭を撫で撫でした。


「エヘヘ〜♪」

愛麗アイリーはゴロゴロと猫のように喉を鳴らす。

そしてもっと撫でろと言わんばかりに頭を美鈴メイリンの手へと押し付ける。


「調子に乗るんじゃありません!」

芽友ヤーヨウ愛麗アイリーのオデコをペシッと叩いた。


「あたっ!…嗚呼、これは芽友(ヤーヨウ〕からの嫉妬による愛のムチ…!」

「ご褒美、ありがとうです芽友ヤーヨウ!」


「確かに嫉妬のこもった愛のムチですけど、別にご褒美のツモリじゃありませんから!」


「またまたー、私の趣味を知ってるクセにぃ♪」

「もう、芽友ヤーヨウのツンデレ〜?」


「ち、違うもん!」

芽友ヤーヨウは照れてるのが見て取れた。


「さー、行きますわよー。」

「そうですね、時間は有限です。」

スタスタと歩き出す美鈴メイリン闘姫ドウ・ヂェン


「ほら二人とも、イチャつくのはその辺にしとかないと置いて行かれちゃうわよ?」

明花ミンファは困った顔で側仕えコンビを急かした。


ここで美鈴メイリンについて行かなかったところは明花ミンファらしいな。

美鈴メイリンも後ろの方をチラッと気にしてから広角が上がってたのを俺は見逃さなかった。


闘技場の控え室に着いたものの美鈴メイリンは意識を集中する為、そして魔力を錬成する為と言って一人で控え室にこもった。

「時間が来たら呼んで下さいな。」


控え室のドアが閉まる。


美鈴メイリンさん、本気で今日の試合に臨むようですね。」

闘姫ドウ・ヂェン美鈴メイリンの胸中をおもんばかった。


「お嬢様、いつも不安そうには見えませんけどねー?」

愛麗アイリーが茶化した。


その愛麗アイリーの意見に思わず明花ミンファが反論した。

「そうでしょうか?」

「あの方はほんの一瞬だけ気弱そうな顔を見せる時があるんですけど…。」


「あら知っておられましたか?」

愛麗アイリーがおどけた。


「え?まさか愛麗アイリーさんも気付いてらしたんですか?」


「私とお嬢様は子供の頃からの付き合いですよ、知らないわけがありません!」

ドン、と胸を叩く愛麗アイリー


「でも意外でした、ホントのご家族ですら知らないかも知れないのにまだお嬢様と出会って半年程度の明花ミンファさんが気が付かれるなんて…?」


「…そ、それは…。」

しどろもどろになる明花ミンファ


((まあ、理由は一つでしょうけどね?))

愛麗アイリー芽友ヤーヨウがニヤニヤと明花ミンファを眺めた。


「………。」

ただそのやり取りを聞いた闘姫ドウ・ヂェンだけはやや複雑そうな表情だった。


それぞれの思いを抱えて観客席へと向かうチーム美鈴メイリンの四人。


あ、このチーム美鈴メイリンという名前は俺が勝手にコッソリとそう読んでるだけだ。


それにしても美鈴メイリンのヤツ、結界まで張ることは無いだろうに。

お陰で俺にも控え室の中がどうなってるのかわからん。

ホントにアイツ精神集中してるんだろうな?


…………。



さて、そんなわけだから美鈴メイリン達の事は試合まで置いとくとして対戦相手の方だが…どれどれ?


…。


「わ、私の、私の剣が!」

試合を前に控え室で試合用の剣を磨いていた鳳華音フォン・ファインが突然困惑の声を上げた。 


それを聞いた従者の小雀シァオ・チュエは何事かと鳳華音フォン・ファインに近寄った。

「どうかされましたかお嬢様?」


見ると、鳳華音フォン・ファイン自慢の剣に曇りが生じていた。


「幾ら拭いても取れませんのよ、一体どういう事かしら?」

「…何か、不吉な予感が…。」


常夏海チャン・シァハイとの対戦で受けた魔力の影響が作用したのかも知れません。」

「お嬢様、本日は予備の剣を使われた方が…。」


「いえ、これは今日対戦する美鈴メイリンさんと前回使用したのと同じ剣、この剣で彼女に勝たなければ意味無いのです!」


「はあ…なら無理にとは言いませんが。」

「余程決勝戦相手に思い入れがあるのですね?」


「そ、そういうわけではございませんけど…。」

「一敗してるだけに今度は勝ちたい、それだけです!」

「そして勝った暁には私のボディーガードに…。」


「お嬢様?」


「何ですか小雀シァオ・チュエ?」


「お顔がニヤけてございます。」


………果たして決勝戦の結果は?



美鈴メイリンは地下牢で何を確認したのか?

そして一人控え室で集中する彼女の胸中や如何に?

鳳華音フォン・ファイン美鈴メイリンにリベンジを果たせるのか、その為の策は?

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