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短編「行列」

作者: もっさん

こんな事はありませんか?

気がついたら私はカフェの行列に並んでいた。


新装開店だったか、新商品の発売だったか忘れたが、流行り物には興味がない私でも並んでいるとはよほど惹かれるものがあったのだろう。


そう思っていると後ろにも少しずつ並んできた。が、前も後ろも老若男女様々な年齢層が並んでいる。

(有名人かテレビの取材でも来ているのか?)そう思っていた。


行列の割には進むのが早く早速店内へと入れた。


しかし店内にも行列が続いており先頭は見えず、「関係者以外立ち入り禁止」ドアの先まで続いている。


ふと横に目をやるとアトラクション待ちのような「後○○組待ち」の看板が見えた。


「およそ50年~300年待ち」


この時私は(あぁ、これは夢なんだな)と分かり鼻で笑った。


「関係者以外立ち入り禁止」ドアの先を進むと、路地裏に出た。まだまだ続く。


路地裏、大通り、ゲームセンター、ビル街、


ビル街のとあるビル内では螺旋階段の上り下りが待っていた。


ふと上り階段の先に目をやると、話題のイケメン俳優が並んでいるのが見えた。もうすこし先には世間を騒がせた政治家、世界的に有名なミュージシャン、コメディアン、女優、各界の著名人もこの行列に並んでいた。


私は(何の行列だったのかオチを見たら起きて、しょうもない夢だったと友人に話してやるかな)と思い歩みを進めた。


その後螺旋階段を降り、ショッピングモールを進む。最初カフェにいたのが午前中だと思っていたら、気づいたら夕方になっていた。


まだまだ進む。都会の風景から町になり、村になり、里になり、一軒家の中にも入っていった。


時間も夕方から夜。夜から朝。朝から昼。昼から夕方と時間が経つのと同時に季節も巡り春夏秋冬何回も繰り返していた。


そして海、川、林、森、ついには山を登っていた。


(やけに長い夢だな。夢だから暑いや寒い、疲れるといった事はないが、いつまで続くんだ?)


そう思っているとティッシュ配りのような人が紙を配っている。

私も紙を受け取り中を見てみると


「もうすぐだよ」


と先を見てみると、先頭は闇の中に吸い込まれていっている。


吸い込まれる時の表情は不安や恐怖、希望、期待、安堵、悲壮、様々な表情が見られた。


(何を見ているんだ?いや、見ているというよりは、暗闇の少し手前から自我をもったように・・・)


その時私は思い出した。


先ほどみた俳優は先日自殺したニュースが、あのコメディアンは流行病で亡くなった、あの政治家も、ミュージシャンも、女優も


そうだ。私も深夜車を運転していて、目の前のトラックと衝突して死n


そして闇の中に吸い込まれた。


闇の中かと思いきやすぐ眩しい光が差し込んできた。


目が開けられない。というより体が思うように動かない。


そのとき声が聞こえた。


「おめでとうございます。元気な男の子ですよ!」


おわり

もしかしたら生まれ変わりは先着順かもしれない。


なんてね


もっさん

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