マスカレイダーF 第44話『最終証多忌』
今回のあらすじ
第44話『最終証多忌』
ファイブナインマートとパンゲアの繋がりを示唆した流の告発により株価が暴落している
それを受けてCEO九塚豪の緊急会見が行われることとなった
会場にはマスコミが押し寄せ、警察関係者、公安も待機しており、投資家やパンゲア被害者たちも固唾を飲んで生中継を見守っている
ゆったりとした王者の足取りでその男は現れた
フラッシュが瞬く
「ファイブナインマート創始者九塚豪である」
男は尊大に口を開いた
「先の報道により我がファイブナインマートがパンゲアと繋がりがあるとされたがこれは誤りである」
フラッシュ
男は芝居じみた所作で両腕を広げ宣言した
「パンゲアとは全てである」
群衆の目の前で異空間より異形が現れる
「さあ、一つとなるのです!」
キメラアニマスは己の肉塊に次々と人々を取り込んでいく
会見会場は恐慌に包まれ、警察官たちは安易な発砲も出来ずに避難誘導に終始する
逃げ惑う人々の中に立ち尽くす三つの影があった
‡ラルクアンジュエル/悪即斬‡
Jの刃が煌めくとキメラアニマスの身体が切断され、解放された人々がほうほうのていで逃げ出していく
#またお会いしましたね、三下#
「キサマらぁ〜!!」
「裏切り者どもか…許そう、全て計画通りである…」
九塚はその身をハグルマアニマスへと変える
「あれがキング…ラスボスか!」
「いでよ!ユラギ兵!!」
ルークアナザーワンが呼び出したユラギ兵には仮面がなく全身闇よりも暗い黒一色である
乱戦が始まる
ハグルマアニマスは九つの首を縦横無尽に振り回し、キメラアニマスは自在に深層真理へ出入りし攻撃を避けては奇襲をしかける
漆黒のユラギ兵はアニマス獣をも凌駕するパワーとスピードを備える
歴戦のレイダーたちも一歩も引かない
Fは自在に空中を疾走り九頭を翻弄する
キングもまたそれを追いすがり、首同士が絡まるような無様な真似はしない
火炎、熱線、冷気、毒霧…さまざまなブレスをそれぞれの口から放つ
「Kill…!」
ユラギ兵たちはもちろん通常のそれとは比較にならないほど強いのだが、Jの強さはそれをさらに上回る
切断面が即座に再生する驚異の生命力もサイコロ状に切り刻まれては形無しである
ボロボロと崩れ落ちては黒い霧となって消散していく
「うがあああ!!」
「ぬぅ!?」
霧に紛れ、闇から飛び出してきた腕に相当すると思われる部位がJの脚を掴んだ
キメラアニマスはそのまま振り上げて天井に叩きつけようとする
「まとめて潰れろ!#グラヴィティ#!」
「痛"っ!?」
重力波によりJは地面に落下する
「お前それフォローになってないだろ!?」
「うるせーリア充爆発しろ!」
「ちょっと!二人でチジョーのモツレしてないでボクも混ぜてよ!」
「バカ!?固まんな…っ!」
三人をまとめてキングの首が締め付ける
「愚かな…」
「言われてんぞ…!ぐわぁ!?」
「お前もだ…!」
「くぅ…っ!」
ギリギリと締め上げていく
#……八門比呂、少しの間我慢してください#
ギルティライザーが離れ、Gの変身が強制解除される
「え、ちょ!?ま、痛だだだだ!?」
生身に戻った比呂を容赦ない締め付けが襲う
#グレータービースト!#
七罪の獣が一つとなり黙示録の獣が顕現する
首を掴むとその力で徐々に締め付けを緩めていく
「貴様貴様貴様ァあああ!!」
激昂したキメラアニマスがギルティライザーが構成している頭部を鷲掴みにしそのまま握り潰そうと圧力をかける
ピキッと金属に亀裂が入る音がする
グレータービーストの手は止まらない
ピキピキと亀裂が走っていく
「ギルティライザー!?一旦離れろ!!」
#…少しだけ………我慢…しろと言いました…#
パキッ
#我慢の……できな………殿方は……#
バキバキ
#嫌われ………#
パリィーーーーーン
「解けたっ!!」
FとJが全力で拘束を解く
同時にグレータービーストの巨体は影に消えた
キメラアニマスが手を開くと頭部を完全に砕かれた蛇が落下する
もう動かない、喋らない、ただの金属のベルトだった
「クハハハ!無機物風情がこの私を愚弄した報いだ!ざまーみやがれー!!」
比呂は無言で残骸を手に取り腰に回した
「黙ってろ有機物風情が……無機物にもなぁ…お前なんかより上等な心くらいあるんだよ……」
「はっ!心!合成人間である私には四つの脳と十三の心臓があるのです!あなたのいう心とやらはいくつあるんですかねぇ!?」
仇敵ギルティライザーを葬り去ったキメラアニマスは歓喜に震え咆哮する
「ゼロだよ」
電子音声すら鳴らなくなったベルトで比呂は変身し、キメラアニマスに突っ込んだ
「比呂!」「比呂!」
FとJはキングの攻撃を捌いている
「ハチェット!タイフーン!!」
迎撃しようとする腕を回転斬りで弾き、そのまま巨体に突っ込む
「先ほどの様子を見ていなかったのですか?一つになりましょう!!」
体当たりしたGの体がキメラアニマスに完全に取り込まれる
するとキメラアニマスの身体が影に沈み深層真理に戻り始めた
「なんだ?私は別に帰るつもりなど……」
それは彼の意思ではない
たどり着いた異空間はいつもの入り口の間ではなかった
「ここは俺だけの世界、アルカディア。感謝しろ、招いたのはお前が最初で最後だ」
「ぐふうぅっ!?」
キメラアニマスの内部から二本の手斧が突き出し、上下に割いてGが飛び出す
「ふ、ふふふ、この程度の傷…いくらでも再生出来るのです!」
「だろうな」
Gは手斧をハンドリングしている
「無限に再生出来るなら、無限に殺せるな?」
「抜かせ…!」
異空間に消えたままのGとキメラアニマス
FとJはキングの首のうち三本を切り捨てていた
「比呂は絶対に帰ってくる!だからコイツはボクたちが倒すんだ!」
「御意に!」
四本目の首が落ちる
「あっと半っ分!」
「正確にはまだ半分では…」
「いいんだよノリで!」
それでもキングには焦り…なんの表情も浮かばない
「計画通りである…いでよ、ユラギ兵…」
キングがユラギ兵を呼び出す
八体の頭が同時に現れ、少し遅れて二体が姿を見せた
そこで気がついた
「指…だ…」
指は大地を掴むと、懸垂の動きで巨大な頭部を持ち上げる
建物が軋む
天井が崩れゆく
全身を現したあまりに巨大なその姿に二人は見上げるしかなかった
次回予告 8月7日放映予定
第45話 『すべてがPになる』
パンゲア首魁九塚豪の最後にして最初の計画が実行に移された
すべてが一つになっていく……
今週のアニマス獣
キメラアニマス
本体 実験体伍號及び陸號及び玖號及び拾伍號及びその他廃棄パアツ 仮面 体中 手の平 体中
パンゲア計画初期の実験体たちの成れの果て
被験者を物理的に融合しており、複数の脳及び人格を持つ
モチーフにしているものはなく、形容しがたい肉の塊となっている
厳密にはアニマス獣に変身した姿ではなく、今見えているこの姿が本体である
ハグルマアニマス
本体 九塚豪 仮面 ー 手の平 ー
キング、九塚豪の変身した姿
辰と巳と歯車の三つをモチーフとしており、一般アニマス獣のような仮面や手の平は顕現していない
ファイブナインマートの創業者にしてパンゲアの首魁
もはやなんだったかすら忘れてしまった『たいせつなもの』を喪ったことにより、何ものも失う恐れのない全てを一つにする妄執に取り憑かれている
ユラギ兵
アニマス獣の影から生み出される戦闘生命体
その一つ一つは人類一人一人の深層心理に眠る破壊衝動がベースとなっている
ユラギ兵【忌】
ルークの影から現れた仮面を持たない真っ黒なユラギ兵
集合的無意識の海に残された死者の怨念がベースとなっている
ユラギ兵【始】
キングの影から現れた巨大なユラギ兵
全ての人類の破壊衝動を束ねた存在




