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マスカレイダーF 第42話『トワ=ノ=ネムリエ』

 今回のあらすじ


 第42話 『トワ=ノ=ネムリエ』


 ファイブナインマート本社ビル

 眼鏡にスーツ姿の須玖克己がカツカツとヒールを鳴らし歩いていく

 一室の前で立ち止まると周囲の人影を確認する

 契約書に押させた九塚豪の拇印を元に作った指紋シートで電子ロックを解錠する

 部屋の中に滑り込むと施錠する

 九塚本人は海外メガバンク本社に融資の商談中とリサーチ済、この扉が開かれることはない

「さて、この部屋で最後、あるといいんですがね、決定的な証拠」

 自身の指紋を残さないよう薄手の手袋を嵌めながら独り言を漏らす

「大事なものはもっと厳重に隠してあるんですよ、お嬢さん」

 独り言のつもりだったのに返事があった

「そんな!?」

 開くはずのないドアの内側にそれは立っていた

 なんと形容すべきかもわからない異形、キメラアニマス

「あなたもご招待いたしましょう、我らパンゲアの深層真理(ディープスペース)へ」

 その手にはアヌビスの仮面が握られていた



 病院屋上

 喜多蔵の拳によりアヌビスの仮面が砕かれ克己の素顔が晒された

「克己…!?」

「おじい…ちゃ……」

 他の再生怪人のように変身が解け倒れる

「おやおや壊れてしまいましたか」

 他の再生怪人とは一線を画した存在がその倒れた身体を抱きかかえる

「私はルークアナザーワン・キメラアニマス」

「ルークとやらは倒した覚えがないが…なっ!」

 Gがのしかかっていたプードルアニムスを蹴り飛ばして立ち上がる

「然り、前任のルークはキングによって粛清された。よって私が最後の幹部となる」

「貴様で打ち止めでござるな!」

 Jがアロガンスアニマを切り捨てる

「それは少々違う…この娘はアヌビスアニマスの優秀な依代だ。この娘がいれば死んだ幹部などいくらでも再生出来る」

 カルラアニマス、ミツクビアニマス、クダンアニマスが立ちはだかる

「依代だって!?」

「この娘もまた『死亡したアヌビスアニマスの仮面』により再生アヌビスアニマスとして能力を奮わされているに過ぎない。真の本体が健在な限り無限に再生する」

 克己を抱いたままキメラアニマスは背を向ける

「待て!」

 再生幹部怪人に遮られ近づけない

「どうしてこんなにペラペラと喋ったと思う?大事なものはもっと厳重に隠してあるんですよ、お嬢さん」

 建物の端から跳躍し、その姿は視界から消えた

「邪魔をするなッ!お前はクイーンじゃ…ない…ッ!」

【ファイナル/フォースナッコォ】

「お前もポーンじゃない!」

#ファイナル/フォースキック#

「お主もビショップではござらぬ!」

‡ファイナル/フォーススラッシュ‡


 誰の視界にも入らぬ場所でキメラアニマスは足を止めた

「ここでいいでしょう。では深層真理に帰還を」

 足元に空間の歪が生まれ吸い込まれるように消えていく

 腕の中の須玖克己も飲み込まれようとした時に異変が起こった

「むぅ…!?」

 異空間への穴が塞がり弾かれる

「調査研究により君たちパンゲア怪人は何者かに観測されている状態では異空間に逃げ込めないと判明した。そこでぼくたちが開発したのが衛星、ドローン、監視カメラ網を統合したインスペクションネットワーク『ラプラスの瞳』だ。瞬間的にあらゆる監視網を限定されたエリアへ集中させることで君たちの逃走を阻む」

 歩み出てきた少年がかけているメガネには様々な風景が映されては消えていく

「お前は…舘町流だな。この娘を取り返しにきたか」

 須玖克己は地面に倒れたままだ

 胸ポケットの万年筆に付けられた位置情報伝達装置(ビーコン)が信号を発し続けている

「当家の優秀な執事なものでね。君たちには御しきれないと思いまして引き取りに伺いました」

「なるほど…ここで君を殺すのは容易い。だが君のご自慢のラプラスの瞳とやらが役に立たないところを見せつけてやるほうが面白そうですね」

 キメラアニマスは再び深層真理へと姿を消し始めた

「なんだと…!?今ぼくが目の前で観測しているのに…!?」

「君はいったい何を観測しているというのです…?獣…?怪物…?肉塊…?異形…?そんな言葉では私は表せない。私は混沌の極致たるイデアの持ち主、私を正しく観測することは何人にも出来はしない、先ほど弾かれたのはその娘が一緒だったからに過ぎない…」

 嘲りながら首まで消えていく

「さようなら、またお会いしましょう、地上が再生怪人で満ちた後で」

「まさか…!逃げられるなんて…!!」

 ギリリと奥歯を噛み締める流の肩を、変身を解除した比呂が優しく叩いた

「大丈夫、逃がしゃしないよ」

「センパイ…………馴れ馴れしいですよ」

「アッハイ」


 深層真理封印の間(ディテンション)

 長い年月を経た頭蓋骨のような仮面が祀られている

「あの坊っちゃんの悔しがる顔はなかなかでしたね、次の依代を探したら今度はラプラスの瞳(過ぎたオモチャ)を破壊しに行きますかね」

 キメラアニマスの右手が膨らむとデスマスクを取るように肉塊が仮面を覆った

「それにしても私は常々疑問だったのですよ、本体さえ無事なら絶対に負けないのになぜわざわざ危険を冒して戦場に出てくるのかと。本拠地の奥深くで厳重に隠しておけばよいものを」

#厳重、と言う割りには随分と容易いのですね#

 独り言のつもりだったのに返事があった

「貴様は…ギルティライザー!?」

 鎌首をもたげる銀色の蛇

#彼が隙を作ってくれたおかげで楽に忍びこめましたよ#

 シャン

 金属の尾が床を叩く

「無機物風情がこの私とやり合おうと言うのですか、片腹痛いですね」

#甘く見過ぎですよ、お坊っちゃん?七罪の獣たちよ、集いて大いなる罪となれ、G(グレーター)ビースト!#

 ヘビ(ギルティライザー)を中心に、ナマケモノ、サソリ、フクロウ、ハエ、オオカミ、キツネ、トンボが合体(ユナイト)し一体の巨大な怪獣の姿となる

「これは面白い、変形合体メカとは子供が喜びそうなオモチャですね」

#兵器、くらい言っておかないと負けた時に言い訳出来ませんよ?#

「抜かせ…!」

 キメラアニマスが左腕で殴りかかる

 グレータービーストの巨体が吹き飛ぶ

「どうしました?態度と身体が大きいだけですか!?」

 追いかけて追撃を加える

「ハハハ!手応えが全く、無い…?……!!」

 パキィッ!!

 キメラアニマスが振り向くと、いつの間にか分離していたギルティライザーの刃のような尾がアヌビスアニマスの仮面を真っ二つに割ったところだった

(ァリガ…ト……ゥ……)

 微かな空気の振動を残して仮面は塩となって崩壊した

#最初から眼中になかったんですよ、三下#

 そのままギルティライザーも身をくゆらせ何処かへ姿をくらまし、グレータービーストを構成していた獣たちも影の中へ消えた

「ふふふ……」

 一人残されたキメラアニマスの口元に笑みが浮かんだ

「アハハハハハ!!」

 口は大きく裂け、そのまま頭部を二分しそうなほどに開く

「この私を!!!よくも虚仮に!!!!絶対に!!!絶対に許さんぞ!!!!」

 全身の肉が蠢き膨張し変色する

「落ち着くのだルーク、全ては計画通りである」

 キングの声がする

「しかしキング!!」

「落ち着けと言っておる」

 暗闇から龍の首が伸びて来てキメラアニマスの右腕を締め上げ、切断する

「ぐあああ!?」

 ぐちゃりと落ちたそこには、アヌビスアニマスの仮面の肉型が残っていた

「計画通りである」

 ハグルマアニマスの声が虚ろに響いた




 次回予告 7月24日放映予定


 第43話 『(セカンド)招待鵡(ショウタイム)


 アクシャブルのライブ会場にオウムアニムスが現れた

 もはや幹部以外のアニマス獣は相手にもならないが


 今週のアニマス獣


 アヌビスアニマス

 真本体 なし 仮面 頭部と封印の間 手の平 錫杖

 エジプトの死者の守護者アヌビスをモチーフとしており、死亡したアニマス獣の仮面を復活させ依代となる人間に被せることで操ることが出来る

 本体はすでに死亡しており、他の再生怪人同様依代に憑依している

 憑依用の仮面と本体の仮面は別に存在し、本体が破壊されない限り再生する

 ギルティライザーに破壊されたことでようやく永遠(とわ)の眠りへつけた


 グレータービースト

 ギルティライザーが七罪の獣たちと合体した姿

 黙示録の獣をモチーフとしており、七つの仮面と十本の角を持つ

 あくまでギルティライザーが核なので、マスカレイダーGと同時に存在することは出来ない

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