マスカレイダーF 第36話『推定女神』
今回あらすじ
第36話『推定女神』
「犯人は、この中に、いる!」
集められたインフルエンサー四天王に向かって明夜は指を突きつけた
驚愕の表情を浮かべる【パインパインちゃん】【果糖院】【大梨】【きちくあい】【世界ランク】
時間は数日前に遡る……
「流もん〜不思議なポケットマネーの力で願いを叶えてよ〜」
明夜は流に泣きついた
「なんですかメイちゃんヤブから棒に」
「ほらボクのツブヤイトル話題になって宣伝効果バツグンじゃん?だからご褒美に他のインフルエンサーとの対談イベント的なものしたいなーみたいな」
「ふむ…さらなる宣伝効果が見込めそうですね、いいでしょう手配しておきます」
「わぁい、流もんチョロい」
上機嫌で店を出ようとした明夜を若執事が呼び止める
「…あまり流さまに色目を使わないように」
「ぴぇっ!?」
今まで戦ってきたどのパンゲア怪人よりも強い殺気に戦いた
『ドキッ!?丸ごと私服、マスクだらけのインフルエンサー四天王大集合』企画の会場に明夜はやってきた
「敵はインフルエンサーを襲って得をする人間、自らトップインフルエンサーになることが目的に違いない。だとすればこの中に犯人がいるハズ!」
本番前に楽屋を廻り一人ずつ探りを入れることにした
一つ目の控室【パインパインちゃん】
「鍵はかかってないぜ、勝手に入ってくれ」
ノックすると野太い声が聞こえてきた
「…男?失礼しまーす」
そこには公開されている愛らしいアイコンのイラストとハンドルネーム、女性的な文章とはかけ離れた男性が居た
「はじめまして〜、今日ご一緒させていただきます【タチマチストアーナカノヒト】でーす」
「ああ、あんたが今バズってる…車椅子か、すまんな、俺もこんなだから扉を開けてやれなくてよ」
男は三角巾で吊られた左腕と包帯でぐるぐる巻きの右掌を見せた
「いえいえお構いなく〜、大変ですね、例の襲撃者にやられたんですか?」
「ああ、そうだ…あんたの足もそうだろ?他の連中もヤツにやられたらしい…あのよくわからんバケモノに!」
【パインパインちゃん】は悲鳴にも似た声を上げた
二つ目の控室【果糖院】
「どうぞ…あら…車椅子…」
扉を開けたのは松葉杖をついた長髪で細身の女性だった
「はじめまして【タチマチストアーナカノヒト】です」
「はじめまして【果糖院】よ、スイーツバエの女王なんて呼ばれているわ」
テーブルには会場近隣の有名店のケーキが見栄えよく飾られている
「わあ、美味しそうなケーキ!これもブログに載せられるんですか?」
「いいえ、たった今、まさに載せたところよ」
スマホには隣のテーブルと同じ絵面が掲載されている
違いは今彼女がついている松葉杖が椅子に立てかけられている点だけだ
「あなたも例の襲撃者に襲われたんですよね」
「ええ、そうよ、一人で部屋にいる時にあの怪人が急に襲ってきて…私は幸い松葉杖で済んだけど…」
その視線は明夜の車椅子に注がれている
みんな誤解しているようで都合がいい
三つ目の控室【大梨】
「はい、大梨ですけど!」
ワイドショーでおなじみのお茶の間の顔だが、今その顔には痛々しく包帯がぐるぐる巻きになっていた
「大変でしたね大梨さん、今はワイドショー休んでるんですよね」
「大梨ですけど!そうね、さすがにこんな顔じゃブラウン管に映れないわ!酷い!あの怪物が憎い!憎いわ!」
四つ目の控室【きちくあい】
『百年後に死ぬワタシ』はリアルタイムで一人の人間の誕生から死までを描く予定の毎日更新マンガで現在は小学生編に突入している
その作者には見たところ大きな外傷はなかった
「ぼ、ぼくは、い、一目散に、に、逃げたからね…そりゃ逃げるよね、あ、あんなバケモノ…で…でも部屋は、め、めちゃくちゃに荒らされちゃってたよ…」
「大変でしたねー、あ、でも更新は毎日されてるんですね」
白黒のマンガが事件後も投稿されている
「ま、まあね、広告会社との契約もあるし…百年きっかりで終わらせなきゃ…」
五つ目の控室【世界ランク】
「Hey!Yes!Yes!オゥイエー!」
部屋の中で車椅子の女性が激しく踊っていた
『踊ってみた』の第一人者【世界ランク】さんである
「お、お疲れさまでーす…凄いですね、車椅子でそこまで動けるなんて…」
「フフッ、当然よ!この程度の怪我でワタシから溢れるダンサブルを止める事は出来ないわ!例えどんなモンスターだろうとねッ!」
鬼気迫る車椅子ダンス動画は以前よりバズっていた
全ての容疑者を尋ね終え、明夜は車椅子を揺らし暫し黙考した
そしてやがて目を見開くと顔をあげて叫んだ
「ナゾは全て解けたよ!正解はCMの後で!!」
「犯人は、この中に、いる!」
集められたインフルエンサー四天王に向かって明夜は指を突きつけた
「いきなり何を言い出すんだ!俺たちはみんな被害者だぞ!」
「そうね、必要なら医者の診断書も出せるわ」
「大梨ですけど!そう言えばアンタ!【きちくあい】?アンタだけケガしてないじゃない!?」
「ぼ、ぼ、ぼくぅー!?」
全員の視線が無傷な【きちくあい】に集中する
「いいえ、今回の事件の犯人の目的は『他のインフルエンサーを蹴落として自らの地位を盤石とすること』です。襲われたフリをするのに無傷では疑われるし同情が集められない」
「まず発信が出来なくなってしまっている【パインパインちゃん】さん【大梨】さんは除外出来ます」
「それならやっぱり【きちくあい】が怪しいわ。彼は無傷で変わらずマンガの更新を続けている」
「変わらず、ではありません。フルカラーだった漫画が白黒に明らかにグレードダウンしている。恐らく部屋を荒らされた際に書き置きのデータの入ったPCなりタブレットなりを破壊されたのでしょう」
「大梨ですけど!ストック!?彼のマンガはリアルタイムで毎日更新が売りでしょう!?」
「考えてもみてください。後90年以上も毎日描き続けられますか?どんなに頑張っても寿命が先に尽きます。ストックがあって自然でしょう」
「そ…その通り、なんだな…」
「【世界ランク】さんも更新を続けてるわ、それも以前よりバズってる、つまり彼女が…」
「それは…完全に犯人の誤算でしょう。普通人間は両足を怪我しては踊れない…」
「甘くみられたものね!」
【世界ランク】は華麗なダンスを見せた
「おいおい、だとするとさっきからやたら突っかかってくる【果糖院】、アンタが犯人ってことじゃねえか」
「消去法でしょう?証拠が無いわ」
「いいえ、あなただけが口を滑らせた」
「…あら、そうだったかしら…?」
「全員が『怪物』としか表わせなかった異形の襲撃者をあなただけが『怪人』と言いました」
「そんなこと?言葉の綾よ」
「もう一つ、医者の診断書、と言いましたね」
「…言ったわね」
「『怪物』には『正義の味方』がつけた腹部への傷があるんですよね。足の傷が治ってないってことはその傷もまだ残っているはずです」
「それを今ここで見せろって?殿方もいるのに……」
「聞かないんですね」
明夜はニヤリと笑った
「なんでそんなこと…【タチマチストアーナカノヒト】ちゃんが知ってるのかしら?」
【世界ランク】の指摘に【果糖院】は己の失言に気がついた
「優秀なのね、車椅子の探偵さん」
シャツのボタンを外すと、臍の上に拳大の青あざが残っていた
【果糖院】の姿がバエルアニマスに変わる
「うわぁ!?あの時の怪物!?」
インフルエンサーたちは互いに肩を貸し合いながら逃げ出した
「ケッチャクヲツケヨウジャナイカ」
「そのつもりだよ!」
【イデアライズ/F/ファイナル/フォーススラッシュ】
変身即必殺技が決まる
「お前の敗因は一つ…推理パートで尺を使い過ぎた…」
「ソンナバカナァアアアアアアアアアアアア!!?」
断末魔も気持ち長めだった
次回予告 6月5日放映予定
第37話『迷宮散歩』
ミノタウロスアニマスの作り出した迷宮に閉じ込められてしまった英雄
脱出する方法を探すうちに謎の少女と出会い…
今週のアニマス獣
バエルアニマス
本体 果糖院天明 仮面 頭部 手の平 下半身
スイーツバエの女王、果糖院天明の変身した姿
魔導書の悪魔バエルをモチーフとしており、自分の身体を分割して透明化することが出来る
他のインフルエンサーを襲撃し発信を滞らせた上で、自らも襲撃されたように装い同情を集めようとしていた
足が八本あるので右足一本くらい怪我してても戦闘には支障ない




