82 久々のオケアス
魔石融合は成功した
次なる問題解決に臨む
「レブナント~戻ったぞ~」
「お帰りなさいませ、お待ちしてましたよ」
「まぁ待て、魔石集めで流石に時間がかかったからな、先に休ませてもらうぞ」
「そうですね、融合実験の方はどうしますか?」
「そっちは任せるよ、俺はもう疲れて駄目だ」
「了解しました、起きたら報告します」
「おう、それじゃ~な~」
自室に戻ってゆっくり休む
・・・・・
ん?
今何時だ?
時計を見る、夜の6時?、違う朝の6時だ
AMって書いてある
俺そんなに寝てたんだな~
「レブナント、寝すぎたようだ」
「おはようございます、だいぶ疲れがたまっていたようですね、バイタルチェックでは問題無いようですので安心しました」
「あれから融合実験はしたんだろう?、どうなった?」
「一応の成功は出来ました、ですが材料をかなり消費してしまいまして、小さな白魔石は全部使い切ってしまいました」
「えええ、もう全部ないの?、でも成功したって言ったよな?、どうなったんだ?」
「何度も試行錯誤して採算度外視の方法で何とか融合には成功しました、ただコストがとんでもない事になりまして、ただ出来た白魔石は間違いなく巨大な白魔石になりました、こちらがデータです」
「うわぁ、ミスリルにヒヒイロカネとアダマンタイトまで使ったのか、確かにこれはコストがとんでもないな、これだったら普通に複数の魔石で補った方が良いくらいだな」
「はい、ですが大きな魔石1個を用意する利点が大きく、我々にとっては元でもかかってませんし良かったかと思います、ついでに聖女クリスに魔石の確認を行って貰った所、自分が今までに見た一番大きな魔石の10倍ほどもある魔石だと言ってました」
「白魔石の中でか?」
「いえ、種類は問わずでです」
「大きく作りすぎたか?」
「ですがグリューエンコンティネントを包める結界を張るとなるとこれくらい必要ですし」
「まぁそうだな、魔石への魔力供給とか問題無いのか?」
「大丈夫だそうです、大きいために時間はかかると言ってましたが難しい訳では無いそうです」
「そうか、負担にならないようなら大丈夫か」
「はい、出来上がった白魔石は現在専用の結界制御室を用意して設置中です」
「問題無く進んでいるようで何よりだな、それじゃ俺は飯を食うとするか~」
「ご用意してありますので食堂へどうぞ」
「サンキュー」
朝食後
今日の予定をどうするか考えてるとレブナントから提案があった
「白魔石の設置は出来ました、動作確認も終わり問題無く稼働しました」
「これでいつでも結界が張れるのか?」
「その事なのですが、聖女クリスだけしか魔力の供給が出来ないのは何かと不便です、ですので魔力供給が出来る魔道具が欲しい所ですが、その魔道具にしても魔力濃度の濃い場所でなければ魔力が回復しませんし、魔力濃度が濃ければ大本の白魔石が吸収して回復するでしょう、ですのでまったく別の視点から魔力を供給できる物が無いか探索するのが良いかもしれません」
「それはまた難しい注文だな~」
「そうですね、それ自体が『魔力を帯び常に魔力を放出する物』なんて都合の良い物が自然界に...一応あるにはありますが現実的では無いですね」
「ああ、エターナルアクアプラントか、確かにアレは魔力を帯び魔力を放出しているが、大きすぎるし特性として常に水を生産してるからな、船の中で育てるわけにもいかんな」
「そうなんですよね~、何かないか聞きに行ってみます?」
「ええ~、出来ればあの海には潜りたくないんだよな~、他の海ならまだ良いんだがな~、植物の異常発達した海は怖いからな~」
「別に植物にこだわる必要は無いのでは?、今回の物を考えれば鉱石の方が扱いやすくて良いかもしれませんよ?」
「おお、そうか、魔力を放出する物で船に乗せられる大きさなら何でも良いんだったな、それじゃちょっと聞きに行くか~、確か鉱石関係は海神イ=ニーだったよな?」
「そうです、お土産にヒヒイロカネとアダマンタイトを持って行けば有力な情報が貰えるのではないかと思います」
「おお、良いね~、他の惑星の鉱石を欲しがってたしな、丁度良いか」
惑星オケアスに飛ぶ事にする
最近あちこちの惑星へ飛び回ってる気がするな~
そしてやって来ました惑星オケアス
その拠点にて準備中
「レブナント、渡すのはヒヒイロカネとアダマンタイトだけで良いのか?」
「今回はこれだけで良いでしょう、追加を要求されたら提供すると言う事で一応リフレクトニウムとかグラビニウムとかも持って行きましょうか」
「そうしよう、とりあえず一通り少量ずつ持って行って話を聞こう」
「了解しました」
準備が整いいざ出発と思いきや
『少し待たれ~い』
「キャプテン、精神感応通信、海神イ=ニーからです」
「何?、まだ潜ってないのに」
『ふぉっふぉっふぉ、今回は特別でのぉ』
『順番を待つのも面倒でのぉ』
『分体を作って出向いてみたのだよ』
「うわ、海神の三神がお揃いですね、皆様お久しぶりです」
『わしらからすれば長くは無いのぉ』
『それよりも新たなる美味を貰えんかの?』
『お主の目的も分かっておるし、その答えも用意してあるぞぃ』
「おお、それはありがたい、イ=ニーへの提供はヒヒイロカネとアダマンタイトで良いですか?」
『わしはそれで構わんぞ』
「ではこちらです、ロ=ジュへの提供はカレーで良いでしょうか?」
『うむ、それで問題無いのぉ』
「最後にハ=サリへの提供は各種野菜で良いですか?」
『ほうほう、良いぞ良いぞ』
「それで今回の相談なのですが、何か答えがあるそうですが教えてください」
『今回我々が集ったのもその答えに関係しておるのだ、お主の欲する魔力を生み出すモノ、我ら三神で力を合わせ新たなる生命を生み出そうと思ってな』
「それは大丈夫なのですか?」
『何も問題はない、我々の力をほんの少しだけ継承した生命体じゃ、人畜無害で魔力を生み出す以外は大した力も無く、大きさも人の子と大差無い、お主達に世話してもらえれば良い、どうじゃ?』
「具体的にはどのような生命体なのでしょうか?」
『うむ、そちらにも分かりやすく見せるとしよう、これじゃ』
そうして空中にホログラムのように生命体が映し出された
見た目は頭に王冠をちょこんとのせたペンギンだな
オスは王冠がのってるがメスは更に小さい王冠と言うよりティアラがのってるな、それとモコモコの毛皮を着てる印象だな
「見たところペンギンのように見えますね」
『そうであろう、この生命体が住める環境を整えてやれば魔力を放出するようになる、お主の欲するものとなろう』
「やはり寒い所が好きなのでしょうか?」
『いや、こいつらは水温10度~25度が適温だな、それ以下でも以上でも住めるには住めるが魔力の放出が低下する、自身の生命維持に使用するのが原因だからの』
「なるほど、その温度なら管理もしやすいです、この生命体を授けてくれると言う事で宜しいのでしょうか?」
『そうだ、最初は卵の状態からになる、では生み出すとしようかの』
『『『新たなる生命よ、ここに誕生せよ』』』
俺の目の前に50センチほどの卵が10個置かれていた
「これが卵ですか、先ほどのペンギンの正式な名称は何でしょうか?」
『俺はお主が付けると良い、わしらには名付けを無暗に行えない事情があるのだ』
「そうですか、ではクラウンペンギンとします、成長するとどれくらいの大きさになるんですか?」
『成体で全長1.3メートルほどになるのぉ、ちなみに寿命は20年ほどになる』
「なるほど、では早速準備に取り掛かります」
『『『ではまたのぉ』』』
海神三神の気配が消えた
どうやら戻っていったようだ
「レブナント、グリューエンコンティネントに至急飼育室を手配してくれ」
「了解しました、今後の事を考えかなりの広さを確保したいと思います、ついでに環境保全のための施設もいくつか作っておきますね」
「ああ、任せたぞ」
ペンギンが成長して魔力を放出してくれればクリスの負担はほぼ無くなるだろう
俺達も戻る事にした
次話はまた魔石集めの予定




