74 聖女クリスティーナ
聖女と接触します
その翌日
(キャプテン、結界の維持をしてる人物を視認しました)
(おお、接触はまだできてないのか?)
(はい、残念ながら警備がものすごく厳重で遠くから望遠カメラで確認できただけです、ですが何処に居るのか確定したので何とか接触を試みてみます)
(気を付けて行動してくれ、ここで見つかるとさらに警戒が厳重になってしまうからな)
(分かってます、慎重に事を運びます)
・・・・・
「大陸の制圧はほぼ完了いたしました」
「ずいぶんと手間取ったようだったが?」
「申し訳ありません、四天王の1人が暴走しまして、情けない事に溺れて死にました」
「はぁ?、溺れて死ぬだぁ?、どこの間抜けだ?」
「四天王のディックです」
「ああ、あの馬鹿か、それにしても溺れて死ぬなんて情けねぇな」
「全くであります、現在は副長が引き継ぎ部隊をまとめているとの事です」
「ほう?、そいつは使えるな」
「指揮能力はあるのですが戦闘力が低すぎるんです、なのであの部隊では出世が出来ずくすぶっていたようです」
「そうか、戦闘力が無いのでは四天王にはなれんな、四天王候補で使えるのは誰か居たか?」
「セルジオスかイクスバンのどちらかになると思います」
「そうか、セルジオスではちと戦力として弱いな、イクスバンを四天王に昇格させて現地に向かわせろ」
「畏まりました」
「それで、聖女の方はどうなっておる?」
「聖女クリスティーナの結界の解析は進んでいません、やはり直接触れられない事が問題のようです、周囲の結界も我々では破壊不可能のようです」
「ほんとに厄介な事をしてくれる、人質にするまでは良かったんだがな、魔王城を結界で封鎖してくるとは思ってもみなかった」
「すべての出入口が封鎖されてないので魔王軍のほとんどが活動可能だったのは幸いでした」
「全くだ、だが俺が出られないのでは世界征服時に示しがつかんからな、今しばらくはこの大陸の制圧だけをさせて時間稼ぎをしておこう、結界を破る方法を一刻も早く見つけ出せ」
「畏まりました」
・・・・・
(と言う会話がされてました)
(あっはっはっは~、魔王もドジだね~、人質の聖女に自分が拘束されたのか)
(全くですね、ですが聖女も周りが敵だらけの場所で身を守るのに必死で結界が厳重になってますからね、接触するのが困難になってますね)
(何とかならんのか?)
(少し時間を頂ければ聖女と交信が可能だと思われます)
(うむ、何とか聖女を魔王城から助けてやらんとな、魔王城ごと吹き飛ばす訳にもいかんからな)
(そうですね、1日あればなんとかなると思いますので少々お待ちください)
(頼んだぞ~)
魔王城で動きがあった時用にマッドアングラーとドンナーティーガーを惑星へ降下させておく事も忘れてない、攻撃するなら一気に行く
その後は皆と一緒に美味しかった料理を食べに島を巡りに行った
聖女への接触は今日の夜に可能となったようだ
だが流石に夜遅くに訪問するのは失礼だろうと言う事で接触は明日にする事にした
翌日
さてどうすれば信用してもらえるかね~
(レブナント、何か良い切り出し方ってある?)
(普通に挨拶から入って魔王を撃つ準備がある事、その為にあなたを避難させたい事を言って相手に出方を見るのが良いと思います)
(それしかないか、それじゃ魔王軍の奴らが気付く前に説得を終わらせよう)
(了解しました)
「おはようございます、聖女クリスティーナ様で間違いないでしょうか?」
「何でしょうかこれは?、確かに私はクリスティーナであってますよ、貴方は誰でしょうか?」
「私は三太・黒須と言う者です、これは私の所有する小型の浮遊ゴーレムと思ってもらえれば良いと思います、実は魔王を討伐する準備は出来ているのですが、貴方が捕らわれているのを確認しまして攻撃を待機しているのです、ですので貴方を避難させたいと思います、ご了承いただけませんでしょうか?」
「貴方が魔王軍の手の者でないという証拠は示せますか?」
「証拠はありません、信じてもらうしかないんですが駄目でしょうね」
「そうですね、何しろ世界の危機ですからね、少なくとも今の状態なら世界全体にまで危機が及ぶ事は無いと思います、私の結界の効力でこの大陸の外へ魔族が出れば能力が落ちるようにしてあるんです、それを解く事はこの世界の滅亡を意味していますからね」
「そんな事を言っても良いのですか?、魔王軍の手の者だったらとんでもない情報だと思うのですが?」
「構いませんよ、むしろこれを知れば外へ出る事を躊躇うか、出来れば諦めてくれると良いと思います」
「なるほど、ですがそれだとこの大陸の人々は全滅と言うと事になりますよ、まだわずかに残ってる人も道ずれと言う事になってしまいます」
「覚悟の上です、私はこの大陸の人々から許されない事をしてしまった、この上は魔王を一生この城に封印するつもりです」
「一生と言いましたけど貴方の寿命まででは無いのですか?」
「いえ、私の命の全てを使い魔王城ごと完全に封じる結界を張ります、魔王は成す術も無く永遠に魔王城に封じられるでしょう、残念なのは外に居る魔王軍が野放しになる事ですが、そちらは申し訳ありませんが外の大陸の皆様にお願いするしかありませんね、結界の力でこの大陸から離れれば弱くなりますので何とかなるでしょう」
「う~ん、そんな犠牲にならなくても魔王くらい簡単に倒せるので貴方に避難して欲しいんですけどね~、信用してもらうにはどうすれば良いですかね?」
「そこまで仰るのならカーンラインの王族は生き残ってますでしょうか?」
「私が知ってるので言えば姫が生き残ってますよ、今は別大陸へ逃げ延びハープンシャー王国に匿ってもらっていると思います」
「そうですか、ずいぶんとお詳しいようですね」
「ええ、信じてもらえないとは思いますが私達が逃亡を助けましたのでね、別大陸に渡ってからは接触はしてませんけれどね」
「なるほど、ではカーンラインの姫、アウローリア様に預けた私の首飾りを持ってきてくれたら信用しましょう」
「それは難しい注文を出してきましたね、ですがまぁそれが一番確実と言う事ですね?」
「はい、アウローリア様が信用されたのであれば私も信用しましょう」
「分かりました、姫様に交渉してきましょう、それまでしばしお待ちください」
「はい、行ってらっしゃいませ」
ドローンを引き上げさせ聖女の要求をどうクリアするかを考える
(難しいよな?)
(目立たずにするならば難しいですが、手段を問わなければできると思いますよ)
(面倒な事になるな~)
(もうすでに巻き込まれているんですし大差無いのでは?)
(いやいや、解決した後も色々と面倒になるだろう?)
(そこはこの惑星から逃げてしまえば問題ない気がしますよ)
(それもなんかな~、ここの料理はおいしかったしな~、また食べたいんだよな~)
(ふふふ、良いでは無いですか、英雄として祭り上げられちやほやされてれば実害は無いでしょう?)
(行動の制限とかされそうじゃないか?)
(それくらいは我慢すれば良いと思いますよ?)
(はぁ、面倒だな~、だがまぁ聖女を見殺しにするのは避けたいな、仕方ないこうなったらもう自重は捨てよう)
(やる気になりましたか?)
(ああ、このイライラと魔王軍にぶつけてやろう、全ドローンに魔王城以外の魔王軍の殲滅を指示しろ、俺はアウローリア様に会いに行くとしよう)
(了解しました)
ハープンシャー王国の王城前まで来ている、問題はどうやって謁見するかだが...
まぁ事情を話して向こうが無視できない状態にするしかないか
アウローリア様が出てきてくれると話は簡単なんだがな~
次話は聖女救出の予定




