69 情報収集からの美味い飯
情報は手に入れた
さぁ飯だ
ギルドで紹介してもらった情報屋と待ち合わせている
どうやら来たようだ
「初めまして、俺はライってもんだ、よろしく頼む」
「初めまして、俺はサンタだ、色々と聞きたい事があるんだが情報料ってどれくらいなんだ?」
「聞きたい情報によるとしか言えんな、どんなのが聞きたいんだ?」
「まずはこの国と隣国の情報、それと別大陸での戦争の情報だな」
「国の情報か?やばい話じゃないだろうな?」
「違うよ、この国の治安はどうなのかとか隣国のとの関係とか、後は美味い物の情報だな、別大陸の戦争の情報は、こっちにまで飛び火してくるものなのかどうかとかその辺が知りたい」
「それくらいなら問題はねぇな、銀貨20枚でなら提供しよう」
「良いだろう」
俺は銀貨20枚を支払った
「毎度あり~、まず何から聞きたい?」
「一番気になってる戦争の情報から聞きたい」
「オーケー、別大陸の魔族領から魔物を率いてカーンライン国へ攻め入ったのが始まりだ、何でも新しく魔王が生まれたとか蘇ったとか確かな情報はまだないんだが、魔王が現れたのは確かなようだ、カーンラインに攻める際に抵抗しなければ魔王様の下僕として仕える事を許すとか言われたらしい、当然国としては無条件降伏なんか出来るはずも無く戦闘に突入って流れだ、現在はカーンラインの半分ほどが攻め落とされている状況だ」
「国の半分が落ちてるのか、カーンラインって国は厳しそうだな」
「ああ、残念だが国の半分が落ちれば国としてはほぼ維持できないだろう、ここからの魔族の進行自体は抑えられているんだがな、他国から援軍が駆けつけたおかげでな」
「魔族との戦争は長引きそうか?」
「長引くだろうな、援軍が来たが進行が止まっただけだ、援軍だっていつまでも持たないだろう、それに一番の問題は食料の確保だ、カーンラインは食料の備蓄ももう無いだろうしな、そうなると最悪カーンラインは滅ぶ事になるだろう、あの大陸の一番の大国だったカーンラインが亡ぶと大陸の支配権が奪われるだろうからな、他の国も亡ぶ事になると思う、そうなると次はこっちの番かなって話だ」
「確実にこっちに飛び火してくると言う訳か」
「そうなるな」
「魔族の目的って世界制覇とかそんな感じか?」
「分からんが多分そうじゃないかと思う、新しい魔王ってのが何考えてるのかによるんだろうがな」
「まぁそうだな、戦争の情報は分かった、次はこの国と隣国との関係は良好なのか聞きたい、それと美味い物の情報も聞きたいな」
「戦争の話の後に美味い物の話かよ、サンタは大物なのかね~」
「何言ってんだ、美味い物の情報は重要だろう?」
「そうなのか?、まぁ良いや、まずはこの国の治安は良い方だぞ、それでも盗賊共はそこそこ居るから警戒は必要だがな、隣国との関係も良好だ、何しろお互いに親戚関係にあるしな、各方面での流通の協力なんかもしてるから仲が良いと言えるな、それと盗賊で思い出した、最近ガントラード王国で空賊って言うやつらが出没してるそうだ、ガントラードも対処はしてるんだが相手は飛行型の虫に乗っているらしくてな、対応が不十分らしいぞ、もしあっちへ行くなら気を付けた方が良いだろう」
「そんなのが出るのか?、虫ってどんなのか分かるか?」
「確か6枚の羽根を持った細長い虫って言ってたな、ここらへんじゃ見た事ない新種だって言われてるやつだ」
「変わった虫なんだな、それに乗って襲ってくるのか?」
「ああ、そうらしい、空賊ユンカース団って名乗ってるそうだ」
「ガンドラードに行く時は気を付けよう」
「後は美味い物の情報だな、まずはこの国ハープンシャー王国は何と言っても海鮮が美味い、特に美味いのがココノ島で採れるココノエビだな、焼きエビは勿論だがスープにしても美味いし炒め物にしても美味いぞ~、あの辺りの島はいくつもの特産品の養殖をしてるからな、是非行ってみると良い、次にコトブノス王国だが、ここは麺料理が絶品だぞ、各地から集められた食材で色々な麺料理が食べられる、一昔前まではパンが主食だったんだけどな、今じゃ麺が主食だぞ、こちらも行くなら是非味わうべきだな、最後にガントラード王国だな、ここは立地条件のせいか肉料理が豊富だ、それと日持ちさせるために燻製の技術が高い、いろんな食材の燻製が楽しめるぞ、一見燻製に向かなそうな食材でも燻製にしちまうんだからその技術力はかなりのもんじゃねぇかな、俺の情報じゃこんな所だな」
「いや~助かったよ、これだけの情報なら申し分ないな、また何かあったら頼らせてもらうよ」
「おう、そん時はよろしくな」
俺はライと別れて宿屋に戻った
宿屋で今後の予定を話し合った
戦争に関しては今の所魔族側が悪いように見える
だがここは慎重に進める事にしよう
レブナントに魔族領へ偵察ドローンを飛ばしてもらう事にした
ある程度の情報が得られるまではこちらから動かないようにしたいと思う
そんな訳で次の目的地はココノ島に行く事になった、まずはココノエビを食べに行く
どうやってココノ島まで行くかだが、エコーホエールで行くと流石にまずいな、かといってレヴィアマリンやドラグドライドだって同じだしな、ここは普通に船を借りていく事にした
定期船も出ているという話だったが自由に動けないと色々と面倒だしな
港の貸し船屋でそこそこの大きさの船を借りた、意外と安かったのは流石は港町と言う所か
特に動力も無い普通の船だったしな、まぁちょいとズルをして動かそうとは思っている
船の後部に携帯スクリューを取り付け動力と繋ぐ、あら不思議あっという間に動力船の出来上がり~
速度はどうしても遅くなるだろうけど普通の船から比べればずいぶんと速い
島めぐりをするだけなら問題ない、念の為にエコーホエールは海の中で待機してもらう事にしよう
それじゃココノ島へ向けて出発だ~
海の旅は順調だった、ココノ島まではこの船で3時間ほどの距離だった、時速30キロほどだから90キロ離れてるくらいか、無事にココノ島まで着いた、島の付近にある程度近づいたら動力と携帯スクリューは荷物にしまっておく
さぁココノエビが俺達を待ってるぞ~
島の入り口で身分証を見せて無事に上陸できた
アデリアとオリーヴェは船で待機してもらおう、荷物も置いてあるしな
俺たちは美味しいココノエビの店を聞いて向かう事にする
あちこちから磯の良い匂いと香ばしい匂いが漂ってくる
教えてもらった店に行くと結構な賑わいになっている、人気店だと言われたので納得だ
少し待つと店に入れた
「いらっしゃいませ~、ご注文は決まりましたか?」
「ココノエビカレー!」
俺が注文するより先にアエラが注文した
「おすすめセット3人前とエビカイ合戦3人前、それと飲み物はエールを7つ頼む」
「畏まりました、ココノエビカレー1人前とおすすめセット3人前とエビカイ合戦3人前、それとエールを7つですね、少々お待ちください~」
しばらくするとアエラのココノエビカレーが運ばれてきた、白いご飯の上に香ばしい匂いのエビが開きで乗せられている横にはカレーが入った器が置かれる、アエラは豪快に上からかけて食べ始めた
そのすぐ後に俺達の注文した料理が運ばれてきた
おすすめセット
ココノエビの甘辛炒め、ココノエビの磯焼き、ココノエビのスープ、ご飯
エビカイ合戦
ココノエビとマール貝の炒め物、ココノエビとマール貝のスープ、ココノエビとマール貝の焼き飯
エールは少し冷たくなっている、冷やしているようだな、うん、美味い!
それじゃ食べるとしよう~
次話は島めぐりの予定




