60 緊急避難!
探索開始だ~と思ったら...
3時間後にオリヒメのスーツが出来上がった
これでオリヒメも探索に参加する事が出来るだろう
各地に設置しておいたドローンからいくつかの情報が得られている
まず一番の問題はこの惑星の生物を引き寄せていると思われる電磁波を発生させる物質だ
規模の小さい場所を掘削して調べた所未知の物質が見つかったそうだ
レブナントがシグナリウムと名付けている
鉱石状の物質で極微細に振動して高周波を発生お互い反響して静電気を発生、電磁波として放出されるそうだ
なんだかよく分からん、レブナントはこれを使って何か作れないか研究してみるそうだ
そっちはレブナントに任せる事にしよう
俺達はこの惑星の生物の生態やら植物の育成などの調査をする事にしよう
何か美味しい食べ物でもあれば良いんだけどな~
それと人数が増えた事もありビークルがドラグドライドだけじゃ狭くなってきた
と言う事でもう一つ作る事にした
それがこれだ!
陸海空対応型探査用ビークル
ミスティックノア
全長8メートル
全幅5メートル
全高3メートル
地上:6輪機動
水上:ホバリング機構
空中:側面スラスター4機
空中:高出力二重反転ローター1機
収束光線砲・ノアブラスター1門
連射光線砲・ノアバルカン2門
爆雷投射管・ノアエクスプロン4門
キネティックシールド(対物理防御)
ミラーリフレクター(体光線防御)
最大搭乗員6名
最大積載量5トン
巡航速度時速200キロ
性能的にはドラグドライドに及ばないがそれでも十分な性能だと思う
作るのにちょっと材料を使ったがまだまだ材料には余裕がある
上に取りに戻れば使い切れないほどもあるんだしな
それじゃミスティックノアの方はアデリアとオリーヴェに任せる事にしよう、ドローン兵にも搭乗してもらって惑星の探索を開始だ~
探索範囲を結構な広さになった
未知の物質の発見は無かったが、未知の植物はいくつか見つかった
見た目はオレンジのバナナっぽい果実
真っ白なブドウのような果実
緑の芋や赤の芋
白地に黒い斑点のキノコ
紫の葉物野菜、ホウレンソウだと思う
桃色の葉物野菜、ニラだと思う
真っ青の実はたぶんキュウリだ
俺的には不思議植物がいっぱい見つかった
俺以外にも見た事があると言う人は居なかったので不思議植物で良いだろう
信じられない事に全部食用だった、食えるなら全部収穫しておくとしよう
調理に関してはレノアに任せよう
生物に関しては特に目新しい物は居なかった
似通った種はいくつも居るみたいだが変わった生態と言う訳でもないようで基本は草食か肉食かの違いだった、小動物は極端に少なくむしろ不自然なほどに少ないな、これだけの大自然なら細かい虫も多いはずなのに見つけられないでいる、何らかの理由で淘汰されたのか、元から存在しないかのどちらかだろうか?、小動物はネズミっぽいのやトカゲっぽいのは確認できた
小動物と言っても1メートル近かったけどな
ある程度の探索も終わり戻ろうと思っている時だった
ドッガーーーーン!!!
少し離れた山が爆発した、火山の噴火だ
火山からこの場所までは50キロほど離れているが
ドッガーーーーーン!!!
さっきの火山の近くの山が噴火した
これ連鎖噴火じゃないか?これはまずそうだ
「直ちに拠点へ戻るぞ」
「「「「「了解しました」」」」」
拠点へ戻る途中にも噴火は続いた
何とか拠点へ戻ったが火山の噴火は全部で5か所にも及んでいる
遠くの山々が赤く燃え空は分厚い煙で覆われている
これは何かしらの影響が出るかもしれない
「もしもの時はこの惑星を離れる事になるかもしれない、皆準備だけはしておいてくれ」
「「「「「分かりました」」」」」
「キャプテン、火山の周辺の探索が不可能になってます、強い磁場を放出しているようですね、おそらくはシグナリウムが大量に含まれているのではないかと思われます」
「それって火山の噴火で物質があちこちに飛んで今の状態になったとかいう事か?」
「全部が全部ではないと思いますが可能性としては高いかと」
「この拠点への影響は?」
「ここは火山からかなり離れていますので問題は無いでしょう、小島の方から微細振動の連続感知が報告されてますので、もしかしたら小島が噴火するかもしれません」
「あそこが噴火したら麓の拠点は無事じゃないだろう」
「手臭作業に当たらせています、後程回収に向かいましょう」
「分かった、準備を急がせてくれ、他の拠点は大丈夫か?」
「他の場所に関しては振動の感知報告は無いので大丈夫だと思われます」
「危険そうなのは小島の拠点だけと言う事だな」
「はい」
撤収作業を円滑に行う為にドラグドライドとミスティックノアで行う事にした
今回は急ぎと言う事もあり道中はちょっと無理をした
その甲斐あって小島には8時間で到着した、早速回収作業をする
ものの1時間で回収が完了、すぐに小島を離れる事にした
小島を離れて3時間後
ドッガーーーーーン!!!
小島の山が噴火した
望遠カメラで確認すると海面からも煙が上がっているのが見えた
海底火山も噴火したんだろう、辺りの生物にとっては非常事態だろうがそれは仕方ないだろう
何とか無事に拠点へ戻ってきた、流石に疲れたな~
飯を食って休ませてもらう
翌日
「キャプテン、火山活動の方は安定したようで噴火が収まったようです、それと振動の感知もほぼ無くなりました」
「そうか、これは一定のサイクルがある事か?」
「おそらくはそうでしょうね、小島の地質を確認した所その傾向にあるという結果が出ました、数年単位で誤差はあるようですが度々噴火が起きているようですね、最も20年~30年周期ですけどね」
「結構な感覚が空いてるんだな、今回はその周期にたまたま俺達がやって来てしまったと言う事か?」
「どうやらそのようですね」
「だがまぁ危機は去ったと言う所か?」
「そうですね、もう噴火の兆候もありませんし、生物たちの大移動も収まりましたし、一部で山火事などが発生してますが、これは自然鎮火を待った方が良いでしょうね、こちら側には被害が出てないですし」
「それなら放置で良いだろう、よそ者が手を加えすぎると生態系を崩しかねないからな」
山火事などが完全に収まるまではこっちも行動を控えようと言う事になった
それから3日は動かずのんびりと過ごす事になった
オリヒメも皆と馴染んだようで時折女子会を開いては俺が締め出しを受けている
勿論毎日相手をする事で俺もコミュニケーションを取っている
流石に全員は無理だからローテーションにしてもらっているけどな
詳しい知識と技術は全部アデリアからだと思う、まぁ元がアレだから知識と技術は一番だろう
女子会で色々と情報交換とかしてるんだろう
そんな感じで3日が過ぎた
「キャプテン、高高度偵察ドローンから明らかにおかしい生物が発見されたと報告が入りました」
「映像はあるか?」
「はい、こちらです」
モニターに映し出された生物は見た目はティラノサウルスのようだった、だが大きさが異常だ、周りの木が小さく見える、全長20メートルとかありそうじゃね?
「なんだこの巨大なティラノは」
「未確認の情報ですが、かつて古代にはギガノトサウルスと呼ばれる種が存在していた可能性が示唆されていますね、これが実物でしょうか?」
「そもそも星が違うし同じ種かどうかは分からんぞ?、だがまぁ酷似してるのは確かだが...」
「発見場所は別の大陸なので我々に直接の被害は無いと思われます、あっティラノをまるかじりしてます」
「まじかよ、ティラノが子供同然だぞ、出来れば遭遇したくないな」
「こちらの大陸とは2000キロも離れてますし大丈夫だと思います」
「こっちの大陸には居ないんだな?」
「はい、確認した限りでは生息はしていません」
「なら大丈夫か」
「一応警戒はしておきます」
「ああ、そうしてくれ」
次話は新素材発見か!?




