51 グリューエンコンティネント
船だ~でっかい船だ~
「レブナントハッチのハッキングを頼む」
「了解しました...ん?、おや?、ほうほう、少々お待ちください、キャプテン、この船には人工知能が備わってました、彼女からの依頼を受けてくれるのならハッチを開放すると言ってます」
「依頼ってなんだ?」
「直接通信できるようにリンクを繋げました」
「初めましてキャプテンサンタ、わらわはオリーヴェ、このグリューエンコンティネントの管理運用を任されている人工知能なのじゃ、わらわの頼みを聞いてくれるのかの?」
「頼み次第だな、俺で出来る事なら受けてやりたいとは思う」
「そうか、わらわは退屈してたのじゃ、ここで氷漬けにされて46年もの間毎日やる事も無くひたすらに船の維持をしてきたのじゃ、そこでわらわは自由になりたいのじゃ、データを見ればおぬしはアデリアとオラクルと言う人型人工知能を持っておるそうじゃな?、ならばわらわも人型になりたいのじゃ、わらわに人型を提供して欲しいのじゃ」
「人型、つまりオリーヴェの体を作成して欲しいと言う事か?」
「そうなのじゃ」
「まぁそれくらいなら問題はないな、だが人型になってどうするんだ?」
「それは勿論キャプテンサンタに付いて行くに決まっているのじゃ」
「はぁ?、この船はどうするんだ?」
「流石にこの船ももう古いしの、氷漬けになっておるし、捨てていくしかあるまい?」
「いやいや、この船はまだ生きているし掘り起こせば使えるんだ捨てて行くなんてもったいないぞ」
「だがこの氷普通の氷ではないのじゃ、掘り起こすのに何年かかるか分からんのじゃぞ?」
「それについては俺に考えがある、この船は確かに古い、船の大きさに対してリアクターもかなり出力が低いしな、武装も俺達が使っている物より古いな、どれくらい前に製造された船なんだ?」
「キャプテン、情報を提供してもらい解析した所、船の製造は今から226年前になります、形式や材質などから見ても私達の船とは別の世界の物でしょう、渡航記録は惑星『エデン』、惑星『サレン』、惑星『シンク』、非常事態、惑星『アイオン』、定住と言う流れのようです」
「非常事態...俺達と同じか?」
「おそらくはそうでしょう、別の世界でワープドライブ中に非常事態警報が鳴り、見知らぬ宇宙に飛んでしまったと記録が残されてます」
「この船ワープドライブを使用してるんだ、この出力じゃハイパードライブは無理だもんな」
「ちょっと待つのじゃ、お主たちの船はワープより速く移動できるのか?、もしそうならものすごい技術なのじゃ、わらわも体験したいのじゃ」
「そうですよ、ワープドライブは次元を歪めてある地点とある地点を限りなく0に近い距離にまで縮めてその瞬間を飛び越える超光速航法でしょう?、その際に縮められる距離はリアクターの出力に大きく左右され、この船の出力だと10光年~12光年くらいでしょうか、連続使用も可能でしょうが船に負荷が大きいですし、エネルギーの消費が大きすぎますからね、それに対してハイパードライブはハイパースペースと呼ばれる別次元へ侵入し光速の数百倍の速度でその次元を飛び目的地周辺で元の次元へ出現し1日で100光年ほどを移動できる超光速航法です、エネルギー消費もかなり低いですし船に負担はほぼかかりませんよ」
「それは夢の技術として科学者が研究していた技術なのじゃ、すごいのじゃ~、わらわは今の世で実現してるのに触れようとしてるのじゃ~」
「ああ、まぁ、226年も前の船だもんな、無理もないか」
「そうなのじゃ!、キャプテンサンタ!、この船を発掘すると言ってたのじゃ!、どうするのか教えて欲しいのじゃ!、わらわも手伝うのじゃ!」
「おっ!、そう言ってくれると話が早い、物は相談なんだが、この船の全権を俺にくれない?、悪いようにはしないよ」
「なんじゃ?、急に胡散臭くなったのじゃ、わらわ急に不安になったのじゃ」
「なんでだよ!、俺はこの船の所有権が欲しかっただけだよ、勿論オリーヴェの希望も叶えてやるし誰も損はしないだろう?」
「う~ん、確かにそうじゃの、レブナント、お主の意見はどうなのじゃ?」
「私としましては良い条件だと思います、キャプテンの考えにも予想が付きましたし、オリーヴェにとっても良い話で間違いないですよ」
「分かったのじゃ、キャプテンサンタに全権を委譲するのじゃ」
「よっしゃ~、これで心置きなくまかいぞ...改良が加えられるぞ」
「待つのじゃ!、今魔改造って聞こえたのじゃ!、わらわに何する気なのじゃ!」
「まぁまぁ、劇的な改良を加えてやるから安心してくれよ、リアクターを最新型にしたりとか外壁の素材を良い素材にしたりとか、ハイパードライブも基本装備にするし、高性能ドローンの体も作るからさ」
「なんかわらわ騙されてないか不安なのじゃ」
「だましてないだましてない、劇的に変化するが最新技術をさらに超えたすごい船に生まれ変わらせるから、信用してくれよ、な?」
「分かったのじゃ、キャプテンサンタに任せるのじゃ、それでどうやってこの氷漬けから解放するのじゃ?」
「それは意外と簡単なんだぞ、数週間はかかるけどな、まずリアクターを最新型で巨大な物に変更する、そのリアクターの出力によって熱を発生させ氷を溶かしてやれば良い、後は改良を各所に施せば問題ないだろう?」
「リアクターの替えなんて持ってるのか?、とてもこの船に合ったリアクターがあるとは思えんのじゃが?」
「なければ作れば良いんだよ、俺達にはその技術があるんだ、任せてくれ」
「すごいのじゃ、キャプテンサンタ、改めてお礼を申し上げるのじゃ」
そして俺はこの船を自分好みに魔改造するために手を尽くす事にした
この船は全長3290メートル、全幅1760メートル、全高1220メートルの超巨大航宙母艦だ
ハンガーデッキはマッドアングラークラスが6隻格納でき、小型宇宙船も20隻格納できるスペースがあった、更に小型機なら300~400機格納できるスペースがある、しかもハンガーデッキにはマッドアングラークラスの宇宙船『ドンナーティーガー』が格納されていた、こいつは全長250メートル、全幅120メートル、全高35メートルとやや小さめだが新しい船が手に入った、これで単独ではなくチームが組めるようになったな、オリーヴェの体を作ったらこいつに乗ってもらうのも手だな~、いや~楽しくなってきたぞ~
まず最初に小型リアクターを作り持ち込み3Dプリンターを設置、大型のリアクターを作成する
前にあった物と交換してまずは出力を確保する、次にリアクターの熱を外部へ放射するパイプを取り付け氷を解かす、解けた水は濾過してリフレクトニウムを回収する、後でアルテマ合金と混ぜて船の外壁に加工しよう、これでほとんどの攻撃に耐性が備わってるはずだ、並行してオリーヴェの体も作成する、本人の希望で人格の基本データの元になった人物の姿を模して欲しいと言って精巧なデータが渡された
15歳位の女の子だな、この子が元でオリーヴェが作られたの?、何であんな感じになったんだろう?
音声データも付属してたから聞いてみたんだけどオリーヴェみたいなのじゃ語では無かった、いったいオリーヴェに何があったというんだろうか?...謎だ
流石にこの巨体では俺達の持ってるドローンを全部使っても作業は大きく進まない、加えてこれからはこの船の運用も考えるとドローンを増やすべきだろう、3Dプリンターをフル稼働させ作業ドローンの数を追加する事にした、その数1000体だ!、流石にこれだけの数が居ると作業の進む具合も良くなるな
もうすぐ全体が氷から解放されるぞ~
ちなみにオリーヴェの体作りにアデリアが加わっていたようで何やら手を加えていたようだった
嫌な予感しかしない...
次話は魔改造です




