5 ここは何処?ここは異世界?
ついに現実逃避から脱却...では無く真相に思い至る
翌朝日が昇ってしばらく後に起床した
カリンちゃんの看病はポルテちゃんに交代したようだ
朝食は母親がすでに作っていたようだ
パンと卵料理にスープとサラダ
とても美味しかった
俺の今日の予定は家の建築を半分終わらせる事だ
床と壁と天井までを作っておくとしよう
床板は木材だけじゃ厳しそうなんだよな~
外から俺を呼ぶ人が居る、何かあったんだろうか?
「はい、どちらさんでしょう?」
「ああ、あんたがサンタさんかい?実は長老から変わった作りの箱の事を聞いてな、森の中で見つけたやつがもしかしたらそうじゃないかと思ってよ、確認して貰えないか?開けられないし重くて運べないしどうしようかと思ってたんだよ」
「おお!それはもしかしますね、案内して貰えますか?」
「分かった、付いて来てくれ」
森を進む事30分、俺のスーツにビーコンの反応が表示された、間違いない落ちたコンテナだ
目的の場所にやって来た、あった!落っこちたコンテナがあったよ!
「これなんだけど、お前さんのかい?」
「俺が落とした荷物で間違いない、見つけてくれてありがとう、早速中身を確認させて貰うよ」
コンテナの解除パスをコンソールから入力
ピピピッ!ピー、プシュー
ゴウン!ゴウン!ゴウン!
コンテナが開いた!さぁ中身は何だ?
金属フレーム各種と板金プレートに金属ワイヤーと電気配線、精密回路と作業ドローンのパーツ各種、太陽光発電システム一式とバッテリーが入ってた!
詳しく調べてみても破損してない、組み立てれば使える、これはラッキーなんてもんじゃない
見つけてくれた人に感謝して暫くここで作業があるので集落に戻ってて貰った
作業ドローンが2体分作れるだけのパーツがある、ここは作って一気に作業効率を上げるべきだな
残りの材料はコンテナごと集落まで持ち帰る事にした、作業ドローンと俺が居ればコンテナを運ぶのは可能だ、森の中なので進むのが少々面倒だが詰まる事も無く無事に集落まで戻って来た
拠点がある場所までコンテナを運び中の材料を使い拠点を仕上げよう
作業ドローンが居るおかげで実にスムーズに進む、あっという間に家が完成した
外壁も床も金属フレームを再利用して強度を高めたから何の問題も無いだろう
今後は山の麓に物資運搬用の施設を作って効率化を図りたい所だ
(キャプテン、今回の事を私なりに考察した結果をご報告します、まずキャプテンのバイタルにも記録された未知のエネルギーですが、おそらくは魔素と呼ばれるモノであると思われます、この星の大気から動植物に至るまですべての存在が保有しているエネルギーだと考えられます、次に魔物ですがポルテさんの言葉どうりだとするのなら魔素には少なくとも良い魔素と悪い魔素の2種類が存在してる事になります、それにより悪い魔素を取り込んだ動植物が悪影響を受け魔物化するという現象に至るのではないかと思われます、では人間が悪い魔素を取り込んでしまったらどうなるのか?という懸念が浮かびます、これの答えは憶測ですがこの集落に蔓延した流行り病では無いかと思われます、元々良い魔素を取り込んでいることが多いと思われる人々が悪い魔素を吸収することで病気を発症、取り込み過ぎた者が最悪命を落とす結果になると考えれば矛盾してる箇所が無くなるのでは無いかと、それに良い魔素を豊富に含む白甘の実を原料に薬を作り体内に取り込むのは理に適っています)
(確かにそう考えればカリンちゃんにポピトアさんの薬の効き目が悪かったのは、薬に良い魔素の成分が足りなかったと考えれば辻褄が合うと言う事だな)
(そうです、キャプテンが偶然作った薬はかなり効果の高い貴重な薬と言う事になります、ポピトアさんなら問題は無いと思いますが他の人にはあまり見せない方が良いかと思われます)
(俺も同意見だ、この薬は秘匿情報として処理しよう)
(それとこの星の情報が一部判明しました、太陽の位置や月の位置などを計測してみましたが、我々の物理法則が適応されて無い星である可能性が高いです、月は計測により4個見つかりましたがどれもこの星から近すぎます、重力の影響を受けて落ちるはずの場所に在っても落ちずにその場に留まっています、何らかの物理法則を無視した力が加わっていると思われます、魔素の事から考えても不可思議な力が往々にして存在する星のようです)
(まるで手品か魔法だな、この場合魔素って言うくらいだ魔法なんじゃないか?)
(ええ、私もキャプテンと同意見です、本来なら信じませんがこの星では存在してるようです)
(そこでな俺の意見を聞いてみるか?)
(何故でしょう私の常識センサーが危険を感知しました、聞きたくはありませんがそういう訳にもいかないのでしょうね、はぁ分かりましたお聞かせください)
(レブナントが考察したように魔素による影響や魔法による効果だと思われる事象などから、俺はこの世界が異世界では無いかと考えた、この星が辺境にあるだとか特別なんだと考えるのも無理があるんだ、だったらこの星も含めて俺達が異世界に転移してしまったと考えた方が辻褄が合う、違うか?)
(キャプテンもその考えに至りましたか、出来ればそこには触れたくはありませんでした、そうなるともう帰る手段が無くなる可能性が高いです、未知の世界に転移してしまったら我々の常識では対処が困難です、今後はどのように活動するか決めてください)
(それなんだがな、俺は帰る手段は無いとしても良いかなと思ってる、ここが未知の世界なら俺たちの知らない世界が広がってるんだぞ、この世界の星々を巡るのも悪くないだろう、とりあえずはこの星を拠点として活動が出来るようにしたいと思ってる)
(うわぁ出たよ楽観主義、はぁ仕方ありませんねキャプテンの意向に沿いましょう、ではまずはこの星を拠点とする方向で行動します)
翌朝目が覚めるとカリンちゃんが目覚めたそうだ
まだ体調が戻ってはいないが起き上がって食事が出来るほどには回復したそうだ
そこで薬を分けてくれた俺にお礼の言葉を言われた、なんにせよ無事助かって良かった
その後雑談を少々してカリンちゃんがポルテちゃんをからかい真っ赤になって家を飛び出して行った
カリンちゃんから姉をよろしくと頼まれた、よろしくと言われてもな~可愛いけどどうこう出来る訳でもないしな~
後を追いかけついでに約束の美味しい物を奢ってあげるとしよう
ポルテちゃんを見つけ昨日の約束の美味しい物を奢ってあげたのだが、俺はお金を持ってないと言う事を思い出した、手持ちの金属を鍛冶屋に見せたらビックリされた、魔素が含まれる鉄を少量渡しお金にして貰った、何でも魔鉄と言うらしく相当珍しい金属だそうだ、取引の材料に使えそうだし覚えておこう
お金の単位をここで教えてもらう事が出来た
銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、大金貨、白貨、大白貨となるそうだ
お金の価値はそれぞれ10枚で上位の貨幣と同じ価値があるそうだ、覚えやすくて良いな
その後手に入れたお金でポルテちゃんの気が済むまで食べ歩きをして過ごした
その後俺は山の麓に物資を保管できる倉庫を作る事にした
この場所にしよう周りは平原で何もないし大きくとって平たく作ろう
作業ドローンに指示を出しつつ板金プレートで床板を作り壁や天井は木材を金属フレームで補強した物で作っていく、手持ちがあまりないので巨大倉庫は無理だがそこそこの広さの倉庫が出来た
屋根の上に太陽光発電システムも設置しドローンの充電設備も設置したのでドローンも随時稼働が可能だ
こんな所だろう、一度上に行って魔鉄や未知の銀(名称は今度聞く事にしよう)を掘って来たい
今日の所はこれくらいにしておこう、戻って我が家に入る内装が何も無い事に気が付く
やっちまったなベッドも無いし机や椅子も無い、飯は屋台があるから良いとしてまぁ今日は仕方ないな
明日は内装をしてから山に行こう、今日は床で寝る事にした、お休み~
未知の鉄=魔鉄
未知の銀=ミ・・・銀
もうお分かりですね