48 シェルター巡りその4
最後のシェルター巡りだ~
「何があるか分からないのでライカさんはドラグドライドで待機をお願いします、中の探索を行うのは俺とアデリアとポルテとレノアで行う、カリンとアエラはドラグドライドで警戒をしててくれ、何かあったらすぐに連絡をくれ、一応周囲にタレットは設置しておく」
「「「「「「分かりました」」」」」」
探索隊として中へ入る
(キャプテン、シェルター中の空気汚染度が上がっています、これは病原菌ですね、何らかの感染症が発生していると思われます、ご注意ください)
(伝染病か?)
(現在スキャン中です...これはライノウィルスによる感染です、所謂風邪ですね、ですが濃度から考えてかなりまずい状況ではないかと思われます)
(これはシェルター内での感染者が凄い事になってそうだな、抗生物質を大量によこしてくれ)
(了解しました、すぐに作って送ります)
「皆聞いてくれ、このシェルターは風邪の感染者が多数いると思われる、シェルターの人口が718人だった事から考えても事は一刻を争う事態だ、ウィルス感染に注意しつつ進むぞ」
「「「はい」」」
最初の中央ロビーではぐったりとした人が多数いた、だがまだ息はあり薬を投与すれば持ち直すだろう
シェルター内を探索して比較的軽症の者と完治した者達と接触できた、現状の解決が出来る手立てがある事を話し協力してもらう、マッドアングラーから大量の抗生物質と栄養剤と除菌スプレーが届いた、栄養剤と除菌スプレーまで気が回って無かったな流石レブナントだ
比較的症状の軽い者は1日もすれば良くなるだろう、問題は重症患者だな、それと電源だ、流石にシェルターの電源が復活しないとどうにもならんな、動力は自家発電システムで賄っていたようだが1か月ほど前に配線がショートして動力がオーバーヒートを起こしてしまったそうだ、予備電源で何とかしていたがそこへ風邪が大流行してしまい瞬く間に広がってしまったそうだ、予備電源だけではシェルター内の空気を完全に浄化するだけの能力が無かったのが一番の原因らしい、電源の復旧とハッチの修理も同時に行おう、俺が壊しちゃったからな
数日後
電源は復旧した、壊したハッチも元通りに直しておいた
これでシェルターのすべての機能が復旧したので普通の生活が行えるようになった
今回の感染で死者は139人にも上った、遺体は火葬する事になっているらしい
症状の重い人達も回復の傾向にある、現在の人口は531人と言う事が確認できた
入り口にはタレットと監視塔を設置してある、これでミュータントの襲撃があっても大丈夫だろう
(キャプテン、オラクルから2つ報告があります、1つ目は巨大なミュータントに遭遇、被害を出したもののこれを撃退しました、巨大ミュータントは長い鼻と長い牙を持ち巨躯である事からエレファントだと推測されます、体長8メートルにもなる巨大生物はギガノスバイソンレベルです、幸い1頭だけでしたし動きが速くは無かったので被害が少なく済みました、2つ目の報告ですがこちらは山の中腹に大きな粘土層を見つけたそうです、種を植える事が可能な場所ですがどうしますか?)
(エレファントはやべぇな、ここの人達では太刀打ちが難しそうだな、生息域の詳しいデータを調べておいてくれ、それと種だな、種を植えて汚染されないか?)
(この種は奇麗な水を生み出しますし浄化作用が高いです、植えて成長すればこの惑星の大気汚染と水質汚染の両方を浄化できると思われます)
(まじかよ、なら種を植えない手は無いな、場所の確保をしといてくれ、その周辺のミュータントの掃討をオラクルに任せる、それとオラクルにはもう1つ仕事をしてもらうので準備しておいてもらってくれ)
(仕事とは何をさせるんですか?)
(カークタウンのシェルターがあっただろ?、あの探索とシェルター内のミュータントの掃討だ)
(了解しました、指示を出しておきます)
まずはカークタウンでミュータントの掃討をしよう、流石に生き残りは居ないとは思うが念の為内部を捜索しておきたい
オラクル指示の下ドローン部隊が編成された
前衛戦闘用ドローン×30
主武装:20ミリレーザーマシンガン
副武装:アンチマテリアルシールド
特殊武装:スタングレネード×8
全長1.5メートルの無限軌道小型ドローン
前衛での戦闘をメインに想定されている
後衛戦闘用ドローン×20
主武装:40ミリレーザーライフル
副武装:10ミリハンドブラスター×2
特殊武装:20ミリチェージヴォルテックスカノン
全長2メートルの無限軌道小型ドローン
後方からの支援攻撃をメインに想定されている
万能支援用ドローン×8
主武装:10ミリハンドブラスター×2
副武装:無し
特殊武装:無し
補助装備:エイドポッド、リペアキット、ツールキット
全長2.5メートルの無限軌道小型ドローン
ドローンの応急修理やハッキング、人命救助などをメインに想定されている
飛行索敵用ドローン×4
主武装:10ミリスポットレーザー
副武装:無し
特殊武装:無し
特殊装備:スキャンレーダー
全長0.5メートルの飛行型超小型ドローン
周辺の生命反応や有害物質の検出などをメインに想定されている
これだけの戦力があればローチの集団と遭遇しても対処が可能だと思う
(オラクルシェルターの探索は任せたぞ)
(お任せください、これよりカークタウンシェルター内部の捜索を開始します)
オラクルから来る報告を受けつつ種を植える場所付近の確認に来ている
今の所生存者は無し、内部は予想通りローチの巣になっていた、その数は数百~千近い数がうごめいていたと報告を受ける、生存者は望めない状況だな
種を植える場所は山の中腹にある窪地だ、周囲を山に囲まれている、マルダーゲインと地形が似ているがこっちは石炭は無く普通の山のようだ、ここなら他のシェルターからもかなり離れているし問題無さそうだな
(レブナント、この場所にエターナルアクアプラントを植える事にしよう、準備をしてくれ)
(了解しました)
(こちらオラクル、居住区奥の食糧庫にて生存者を発見しました、精神的に疲弊していますが命に別状はありません、数は1名です、エイドポッドに収容して外へ移送中です)
(分かったすぐにそっちへ向かう、外で警戒待機しててくれ)
(了解しました)
あの絶望的状況で生き残ってたのか、精神的に疲弊って事はトラウマになってるのは間違いないだろうな、カウンセラーが居ないかライカさんに聞いてみよう
俺達はすぐにカークタウンへやって来た
救助されたのは女性16~17歳くらい、診断結果では外傷は無し、栄養は少し足りてない様子、精神的疲弊による心的外傷後ストレス障害だと思われる、ライカさんに連絡を取って確認した所カウンセラーに心当たりがあるそうなので任せたいと思う、女性をレントタウンに連れて行く事にした
フルストシティでライカさんを拾いレントタウンへと戻る
レントタウンでカウンセラーの女性、ケイトさんに彼女を任せた、症状がどれだけ重いかによるが精神が安定してくれると良いんだけどな
ふ~とりあえずシェルターの方はこれで良いだろう
いよいよ種を植える事にしようか、この惑星の汚染が浄化されれば住みやすくなるだろう
種を植える準備は整った、レブナントの予想では明日辺りの天候が不安だと言う事だ、この惑星ではほとんど雨が降らないのだが明日だけは不安定で湿度も高いそうだ、それを越えればしばらくの間湿度は下がり雨の心配も無くなる
レブナントの予想通り翌日は雲が低く垂れ込める、雨自体は降ってはいないものの湿度は70~80%と種の発芽条件から大きく外れている種は明日以降になりそうだな
翌日良く晴れた乾燥した空気が辺りを包んでいる
レブナントの予想でもこれから向こう30日ほどは天候が崩れる事は無いだろうとの事
良しっ!、種を植えるとしよう
次話は種を植えるよ、そして...




