37 レムフォルンへ向けて
巨大オアシスの町レムフォルンへ向けて出発だ~
バンタンの町へ着いた
門番は前に来た時に居た人物だった
「これはようこそ、今日はサンドシャークですか?」
「ああ、それもあるがちょっと珍しい物を手に入れたんでなギルドへ持ってきたんだよ」
「そうですか、どうぞ」
俺達は門を通り町へと入った
早速ギルドへと向かう
受付でサメと農作物の種が手に入った事を告げる
「ギルドマスターに問い合わせますので少々お待ちください」
受付嬢は慌てて奥へ入っていった
少ししたら受付嬢が帰ってきて奥の部屋に案内された
サメは買取カウンターに置いてきた、査定した後に報酬を用意しておくそうだ
コンコンッ
「お連れしました」
「入ってもらえ」
「失礼します」
「よく来た、俺はこのハンターギルドのギルドマスターをしている、ヤハヴェイだよろしくな」
「俺は最近登録したサンタだ、よろしく」
「農作物の種を見つけたそうじゃないか、ギルドに卸してもらえるのだろうか?」
「ああ、そのつもりで持ってきた種類はこれを見てくれ、だがこの環境で育てるのは厳しいかもしれないが大丈夫か?」
「見せてもらうぞ、なるほどこれは確かにここじゃ育てるの無理だろうな、ここからちょっと離れたオアシスに農作物を育てるのに適した町があるんだ、そこは古代文明の設備がまだ稼働しててな、育てる環境では一番適しているだろう、もし譲ってくれると言うのであれば高値で買い取らせてもらうがどうだ?」
「そういう事なら構わないぞ、それと、その街の場所も教えてもらえないか?、農作物を育てるのに適した環境の町なら美味しい物がありそうだしな」
「ふむ、なら農作物の種を我々が買い取り、その町までの輸送を依頼として頼めないだろうか?、うちから道案内として職員が同行するのでその護衛もかねてと言う事になるんだがどうだ?」
「職員が同行するのはなんでだ?」
「農作物の種を提供する代わりに食料の調達の交渉がしたいんだ、だから交渉人を向かわせたい、この町では食料が慢性的に不足しているからな、まだ何とかやっていけてるが、何かの拍子に食料危機になったら全滅もあり得るからな、打てる手は打っておきたいんだ」
「ふむ、分かった、そういう事ならその依頼受けるよ」
「そうか受けてくれるか、移動の乗り物と食料はこちらで用意しよう」
「あっいや、乗り物については俺の所有してる乗り物を使った方が良いだろう、何より道中の安全は保障できると思うぞ」
「そうなのか?、なら任せよう農作物の買取金と依頼の報酬は期待しててくれ」
「それじゃ期待させてもらうとするかな」
「宜しく頼む、一緒に行く職員は1名だ、出発は明日になるが問題ないか?」
「問題ない、今から準備するとしよう、明日の何時に来れば良い?」
「昼前に来てくれればいいぞ」
「分かった、それじゃ失礼する」
帰りにサメの代金を受け取り外へ出た
皆に事の経緯を話し昼飯を食った後は明日の準備をする事にした
勿論アエラはカレーを食べていた、良く飽きないものだと思う
翌日の昼前ハンターギルド前
「今日から宜しくお願いします、ハンターギルド職員のセイラと申します」
「俺はサンタだ宜しく、とりあえず荷物を持って俺の乗り物まで移動しよう」
「はい」
町の外に止めてあるドラグドライドまでやって来た
乗ってもらってから皆に自己紹介してもらう
全員俺の嫁って外で言うと絡まれそうだからな
セイラさんも流石にびっくりしているようだった、そしてドラグドライドの設備にもびっくりして口をあんぐりと開けている
「それじゃ出発します、席についてベルトを締めてください」
「はい」
この周辺では最大の規模を誇るオアシスの町『レムフォルン』へ向けて出発だ~
通常では10日ほどかかるらしい、俺のドラグドライドなら早く行くなら空を飛べば1日だろうな
流石にそんな事をする訳にもいかないので地上をのんびり進むとしよう、それでも1週間もかからないだろうけどな~、途中で色々と狩っておくのも良いだろう、道中の飯にしたい、アエラがギルドが用意した食料に絶望の顔をしていた、笑ったのがばれてポカポカ叩かれた
1日目
バンタンの町周辺では危険生物の出現は極端に少ない
理由はバンタンの町周辺には所々砂岩による壁が砂に埋まっているせいだろう
砂中の生物にとって砂岩の壁は邪魔以外の何物でもないだろうからな
そんなわけで旅はスムーズに進んだ
2日目
サンドガーパイクが度々襲ってくるようになった
丁度良い、今日の料理の食材にしちゃおう
アエラは3食カレーを主張してきたが却下した、ボロボロと泣き出したので夕食をカレーにする事を約束した、するとすぐに泣き止んだ...まぁ良い
3日目
サンドシャークがやって来た
今日の飯はこいつにしよう
サメを狩り解体してる所へ何やら別の危険生物がやって来たようだ
遠くから砂塵をまき散らしてこちらへ向かってきてるようだ
アレは何だ?、巨大な牛?、遠くても分かるほどの巨体の牛がこっちへ突っ込んできている
流石にこのままだとまずそうだな、サメの解体は大体が終わってるので残りは放置だ
「皆乗り込め~、巨大な牛がやってくるぞ、倒しても良いんだが持ち運ぶのは流石に無理そうだし回避する事にした、出発するぞ~」
「「「「「はい」」」」」
「巨大な牛ってギガノスバイソンじゃないですか!、デスハーベスター級の超危険生物ですよ!」
「そんなに危険な奴なのか、なら逃げるとするか~、ベルトをきちんと締めてくれ~」
まだ距離があるがかなりのスピードでこっちへ来てる流石に地上を進むだけだと激突されかねないか
ちょいと浮上して回避しちゃおう、窓は全部閉めて外が見えないようにしておく
「かなり揺れるからしっかり摑まっててくれ」
「「「「「はい」」」」」
ふわりとした浮遊感の後空へ浮き上がる
ギガノスバイソンの全長は8メートル以上、全高も5メートルは超えている
頭にはすごく頑丈そうな角が2本生えている、近くにあった大きな岩が吹き飛び粉々に砕かれた
流石にあの重量の直撃を受ければ無事じゃすまないな
ギガノスバイソンはそのまま走り去っていった、俺達が標的と言う訳でもないようだ
機会があったら是非倒したい所だ、何と言っても牛だからな、多分美味しいと思う
4日目
今日は近くに危険生物が居なかった、今日の食事は取っておいたサメのステーキになるだろう
アエラがカレーカレー呟いていた、ステーキの味付けにカレー粉を使用してみる事を提案していた
夕食時にその香りがとても美味しそうで、実際美味しかったのは言うまでもない
5日目
今日中に着くのは無理そうだ、このペースなら明日に到着予定だな
次の町が近いせいもあるだろう、危険生物の数が少ないようだ、朝から探してヘビが1匹居ただけだった
ヘビも美味しいので見つかって良かった、セイラさんはギガノスバイソンの目撃情報をレポートにしている所だった、災害級の危険生物の目撃情報は高値で買い取ってくれるそうだ、報酬は俺達に支払われるようにしてくれるとの事、遠慮しようと思ったがセイラさんに全部押し付けると何かと問題があるそうだ、ありがたく受け取っておく事にした
6日目
見えた!
ついにレムフォルン到着だ、まずは町の門で通行許可証を見せる、セイラさんの職員証も併せて提示したらすんなり通してくれた、大きな城壁を越えて中に入るとそこは見事な景色が広がっていた
巨大なオアシスをぐるっと囲むように家々が立ち並び、オアシスの中央には大きな島がある
島には大きな建物が立っているのが見える、領主邸みたいな物だろうか?、これは後で色々と観光が楽しみだ、だがまずはハンターギルドへ行くとしよう
次話はのんびり過ごすよ




