15 王都と侯爵
コンテナが貴族の手に?
過去の文明の叡智の結晶
それは・・・
高度700メートル上空
現在王都に向け進行中
何処か良い場所でドラグドライドは置いておかないと目立ちすぎる
おっここに置いておくか、王都から近いし問題無いだろう
ロックがかかってるから俺以外には開けられないしな
では早速王都に行くとしよう
「次の人~」
「どうも、ギルドカードです」
「カレフシュタッド王国、王都カレニアへようこそ、仕事を探しに来たのかい?」
「いや、遺失物の回収に来たんだ、ギルドで問い合わせればすぐに見つかると思ってるよ」
「そうか、分かってると思うが街中では面倒事を起こすなよ、それじゃ行って良し」
俺は大きな門を潜って王都へ入った
おおお、これは凄いぞ、街並みは整っていてそれでいて色鮮やかな色彩で彩られてる
全体的に大きな建物が多い、メインストリートに面してるってのもあるんだろうがそれでも見事だ
まずは冒険者ギルドへ行って情報収集だ
目的のコンテナは王都の中心部の辺りにある、恐らく貴族街と呼ばれる場所だろう
ギルドへ入り受付にコンテナのミニチュアを見せ情報を聞いてみた
「それと同じような箱を所持してるのはサンドリバー侯爵様ですね、ここに持ち込まれたものを買い取られて行きましたから、侯爵様は珍しい物が好きな好事家でいらっしゃいますので、交渉するとなると同等かそれ以上の品物をお持ちするしかないと思われます」
意外と厄介な人に持ってかれたか?いや珍しい物で交換出来れば楽と言えば楽だが
変に目を付けられるのも面倒だしな~
(レブナント、何か良い品に心当たりは無いか?)
(そうですね、実用性が無く貴族受けする物ですと、ミスリル銀を使った変わった置物とかどうでしょうか?モチーフが珍しくミスリル銀が材料なら間違いが無いかと)
(なるほど少々高いがミスリル銀は綺麗だし貴族が自慢したがる持ち物になるだろう、モチーフをどうするかな~)
(キャプテン、それでしたらアレにしましょう、昔のOTAKU文明のフィギュアと呼ばれる置物です)
(あああ、あったなそんな文明、確か派手な恰好した女性の置物だったっけ?)
(そうですそうです、その道の研究者が結構な高値で取引してたと言うアレです)
(でもあれって精巧な作りに細かな色彩で作られてなかったか?)
(万能3Dプリンターなら作成可能です、データを読み込めば良いだけです)
(良し、じゃ早速作ってくれ、受け取りに一回戻る)
(了解しました)
俺は大急ぎで王都を出る
ドラグドライドをかっ飛ばし浮島に戻る
そして出来たフィギュア、4頭身のコミカルな容姿の猫耳メイド「ネコロノミコ」を仕舞って戻る
再び王都へやって来た
疲れた、コンテナ回収も楽じゃないな
侯爵様への繋ぎはギルドから珍しい品物を手に入れたと報告して貰う様になっている
ものの10分で侯爵様の使いと言う人物がやって来た
「貴方が珍しい品物をお持ちしたと言う方でしょうか?私サンドリバー侯爵様の執事を務めているセバス・トーポリと申します」
「はい、私は三太・黒須と言います、こちらが珍しい置物でございます、お確かめください」
「おお、これはミスリル銀が素材として使われていますね、そしてこの女性?像は今までに無い、へ...珍しい造形ですね」
今変なって言いそうになってなかったか?
「どうでしょうか?出来ればこちらと侯爵様が所有している変わった箱と交換して頂けないかと思っています」
「私の一存では決めかねますね、お時間がございましたらお屋敷までご足労願えませんか?」
「そうですね、時間は大丈夫です、お伺いしても宜しいですか?」
「はい、ではご案内いたします」
外に止めてあった馬車へ案内される
馬車に揺られる事10分ほど、大きな屋敷の敷地へ入って行く
流石侯爵でっけー屋敷だ
そのまま応接間へ通された
扉が開き見た目屈強な戦士っぽい豪華な服を着た人が、セバスさんとローブ姿の女性と鎧騎士な男を引き連れて現れた
「其の方が大変珍しい品を持っているそうだな?」
「はい、三太・黒須と言います、品物はこちらでございます」
俺は懐から「ネコロノミコ」のフィギュアを取り出す
「おお、これはまた珍妙な像では無いか、よいぞ、実によい、おおそうだった、私はサンドリバー侯爵だ、此度はこれと不思議な開けられぬ箱を交換して欲しいと言う事だったな?」
「はい、そうです、お返事の方はどうでしょうか?」
「この像となら交換もよいと思う、だがあの箱が何なのか知りたくもある、話せるものであるか?」
「そうですね、私にしか開閉が出来ない仕掛けが施されている箱でございます、中身については開けてみないと何が入ってるかは分かりません、落とした箱は多数ございましてどれがどの箱かまでは分からないのです」
「そうか、其の方としては箱も中身も持ち帰りたいと言う事で良いのかな?」
「まぁ中身さえ戻れば箱は重要ではありませんよ」
「ならば箱は私に譲っては貰えぬか?勿論ただとは言わぬ、どうだ?」
「中身が戻れば問題はありません」
開閉は設定すれば可能か通気も出来るしな
「侯爵様が是非と言うなら所持してる箱だけでしたら開閉も可能にする事も可能です」
「おお、それは凄い、ならば相応の金額を支払おうではないか」
俺は結構な金額を受け取った、大金貨5枚だ、大金持ちだ~うっひょ~
そうして各種設定を弄り内外から侯爵様が手のひらでパネルに触れる事で開く設定にし直した
「これでこの箱、コンテナと言います、これは侯爵様にしか開閉できなくなりました、こう言っては何ですがもし侯爵様が窮地に陥った場合、このコンテナに入って閉めてしまえばまず安全でしょう、どんな魔物に襲われても侯爵様の身を守ってくれると思います、食料などの用意が必要かもしれませんがね」
「わっはっはっは~面白いではないか、其の方の事は気に入った、もし何かあれば私の名前を出しても良いぞ、多少の面倒事なら引き受けてやろう」
「ありがとうございます、そのような機会が訪れないように気を付けますがもしもの時はお願いします」
「うむ、実に有意義な時間であった、では機会が合ったらな」
「はい、失礼します」
ミッションコンプリート!
割と話の分かる侯爵様で助かったな
コンテナの中身は荷車を貰ったのでそっちに積んでもらった
マッドアングラー用荷電粒子砲の予備が詰まっていた、これで主砲が直るな
しかし、これ落としたらボンッ!だろうな一度ドラグドライドに積みに戻ろう
今日は行ったり来たりが多いな~
三度王都へやって来た
鉱山の採掘は商業ギルドかな?
と言う事でやって来ました商業ギルド
受付に鉱山についての話を聞いた
まだだれも手を付けておらず、王国の管理下の土地になければ勝手に採掘しても良いそうだ
地図を借りて目的の場所の所有を聞いてみた
王国の管轄外で誰も手を付けて無いのが確定した
何故かと言うとそこの周辺は魔物が多く生息していて近づけないそうだ
どうりで手付かずなわけだ、だが山へ直接行ってしまえば問題は無い、俺じゃないと不可能な方法だがな
ちょっと様子見に行ってみよう
行く前に、王都の有名店のお菓子をお土産にしないとな、ウナギだけじゃ物足りないだろう
そこそこの値段だが大金持ちになったので問題無くお菓子を購入した
さぁそれでは鉱山予定地に行ってみよ~
ここらかな?
ここちょっと広い場所がある、ここに降りてみよう
(レブナント、この辺りで間違いないか?)
(はい、そこの地下になりますね、おおよそ20メートル下方に鉱脈があります、ミスリル銀で間違いありません)
20メートルは掘るにはちょっと大変だな
ドラグドライドのドラグストームで削っとこう、今度来た時に本格的に採掘しよう
鉱脈へ向かってドラグストーム発射!
ドシュンッ!ボッ!
ドカーン!
辺りに岩が派手に吹き飛んでいく
こんなもんじゃないか?岩の斜面を大きく削って鉱脈付近まで穴が開いた
(レブナント、これならいけそうじゃないか?)
(はいキャプテン、これなら問題は無いです、しかし面倒だからって荒っぽすぎますよ)
(まぁまぁここは未開地だから人に迷惑は掛からんだろう?)
(それはそうですが、はぁ、もう少し自重して下さい)
(うむ、善処しよう)
俺は妻達が待つ自宅へ帰還した
次話は鉱山の準備
そしてついに・・・




