13 天空の島へご案内~
天空の島と宇宙船マッドアングラーへようこそ~
ポルテ「はわわわ~」ガクブルッ
全てを話した翌日の朝
一度俺が乗って来た宇宙船を見てみたいと言われたので我がマッドアングラーに招待する事にした
ドラグドライドに乗せて運べば危険は無いし良いだろう
念の為山の麓の倉庫まで来てから浮上する事にした
倉庫の状態も確かめたかったし丁度良いだろう
倉庫にはいくつか材料が保管されていた、ミスリル銀以外は備蓄しておく
「それじゃこれから上に行くけどベルトはしっかりと待ってるか確認してね」
「「「はい、大丈夫です」」」
「それじゃ飛ぶけど大丈夫だからね、落ち着いてね」
「大丈夫よ」
「は、は、はいいいぃぃ」ガクブルッ
「もう、お姉ちゃんしっかりして」
そういやポルテちゃんは高いところ苦手だったんだっけな、後で美味しいお菓子で宥めるとしよう
ドラグドライド飛行モード!
『スラスター点火!高出力ローター起動!発信準備完了!』
ぐいっと操縦桿を引くとフワッと空に浮き上がる
そのまま上昇を続ける
あっという間に浮島が見えて来る
マッドアングラー付近へと近づき着地、流石の性能だコントロールしやすい
「皆、着いたよ、ってポルテちゃんヘロヘロになってる」
「サンタさん!人は飛べないんです!あたしは生きた心地がしませんでした!」
「ポルテちゃん落ち着いて、一応ここ浮島なんだけど大丈夫?」
「ふぇ?こここここ...」ガクブルッ
あっこれダメなやつっぽい
「大丈夫だから、ね、落ち着いて」抱きっ
「はいっあふ、はぁ大丈夫です落ち着きました」
「それじゃ案内するよ、目の前に見えてる大きいのが俺が乗って来た宇宙船マッドアングラー号だよ」
「わぁ大きい~これも空を飛ぶんですか?」
「それだけじゃないよもっと上、空の上にまで行けるんだよ、そこが宇宙と呼ばれるところだよ」
「サンタ兄さん、高い山の上だと空気が薄くなるって聞きました、ここも薄くなってるみたいです、さらに上なんてもっと薄くなるんですよね?人が生きて行けないんじゃ無いでしょうか?」
「カリンちゃんは物知りだね、上に行けば行く程薄くなるよ、空の上の宇宙には空気は無いしね、その為の宇宙船なんだよ、内部を密封する事で空気が漏れないようにして、中で空気を生産する事で生きて行けるようになるんだよ」
「そうなんですね、すごく不思議~でもこの宇宙船穴が開いてますね」
「そうなんだよ、この星に落ちた時にね、浮島に激突して壊れちゃったんだよ、今修理中なんだけど材料がなかなか無くてね、やっとここまで直ったんだよ」
「まぁそれは大変でしたわね、私達じゃ何も役には立ちませんけれど、何でも仰ってくださいな」
「うん、必要な事があったら頼みます」
「キャプテン、お話し中申し訳ありませんがメインリアクターの修復が完了しました、ブリッジまでお越しください」
「今のは誰ですか?」
「ああ、この宇宙船、マッドアングラーの制御を束ねている人工知能のレブナントだよ、ブリッジに行ったらちゃんと紹介しよう」
「「「はい」」」
皆をブリッジまで案内する
「レブナント、まず皆に自己紹介を頼む」
「了解しました、皆様ようこそおいで下さいました、私がこの宇宙船マッドアングラーの制御を一手に引き受けている人工知能のレブナントと申します、以後お見知りおき下さいませ」
「「「初めまして、こちらこそよろしくお願いします」」」
「レブナント、メインリアクターの修復が完了したそうだな、これでやっと色々な機能が使えるぞ」
「はい、広域探査衛星の打ち上げが可能になりました、これで落としたコンテナの発見が容易になりますし、眠ってる資源の発見も可能になりますよ、マッドアングラーの修復にも目途が立ちました」
「はぁやっとか~結構最初はギリギリだったもんな~死ぬかどうかの瀬戸際から脱出出来たな~」
「ほんとに大変でしたからね~早速広域探査衛星の打ち上げ準備に取り掛かりますね」
「ああ、任せたぞ~こっちは丁度良いし昼食にしようか」
「「「「はい」」」」
昼食はパンに焼き鳥を挟んだ物とコーンスープとトマトとレタスのサラダと茹で卵だ
例によって皆からのあ~ん攻撃が来た、もう覚悟は決まってるんだ全部受け止める、美味しかった
レブナントから衛星打ち上げの準備が整ったと連絡が来た
折角だからみんなで打ち上げの見学をしようという事になった
「レブナント、準備は良いか?」
「はいキャプテン、何時でも発射可能です」
「それじゃカウントダウン始めるぞ」
「スリー」
「ツー」
「ワン」
「イグニッション!」
カッ!ドドドドーーーーッ!
ボッシューーーーッ!
光の塊が空高く飛んで行く
「わぁーーすごーい」
「綺麗ね~」
「こんなの初めて見ました」
光の塊は空の彼方に消えて行った
「無事打ち上げ成功です、衛星軌道に乗りました、システムリンクを開始します、太陽光発電システム起動!制御装置起動!システムリンク完了!データ送信来ました、コンテナの反応がありますね、これで探索が楽になりました」
「良かった~今度コンテナ回収をしてくるよ、それと埋蔵資源の発見も頼むな」
「了解しました、お任せください、それとこの惑星なのですが名前を付けました、惑星レイアーとしました」
「ほう、何でその名前なんだ?」
「古い文献データの中に出て来る神話の神の名前から付けてみました」
「なるほど、それじゃこれからはこの惑星をレイアーと呼ぶ事にしよう、もっとも俺達くらいしか使わないだろうけどな」
「そうでしょうね、宇宙まで出れる存在が居ませんしね」
「それじゃちょっと中央の湖を見学してから下に戻るとしよう、皆ドラグドライドに乗ってね」
「「「「はい」」」」
浮島の中央湖にやって来た
「ここがこの浮島の中央に位置する湖で白甘の実の生産地でもある、ここは俺にとっても謎の場所なのであまり荒らさないように注意してね」
「「「分かりました」」」
白甘の実をいくつか捥いで食べ、水辺で休憩して過ごした
「それじゃそろそろ下に戻ろうか」
「うっ!また飛ぶんですね、大丈夫、あたしは大丈夫、怖くない、ええ、大丈夫よ....」
「ポルテちゃんゆっくり深呼吸して、俺を信じて身を任せてね」
「サンタさん!」抱きっ
「わぁ、落ち着きなさいって、ほんとに大丈夫だから、ね」
「うん」グスッ
涙目のポルテちゃん小動物みたいで可愛い
「皆乗ってね、それじゃ出発するよ~」
ガタガタ震えるポルテちゃんをシートに縛り付けるように固定してコックピットに戻る
空に飛んだ瞬間ポルテちゃんが悲鳴を上げたがここは我慢して貰おう
空の旅はすぐに終わった、ほんとにあっという間だ
「ああ、ポルテちゃん大丈夫か?」
「ああぁぁ、怖かったよ~」プルプルッ
生まれたての小鹿の様になっている
「もう地上だから、安心してね」
「うん」
「もう、お姉ちゃんはだらしが無いんだから、そんなんじゃサンタ兄さんの正妻は務まらないよ」
「それとこれは違う話でしょ」
「それじゃ村まで戻りますね~」
村へ戻り自宅で一息入れてポルテちゃんもやっと落ち着いたようだ
戻ってすぐにゴソゴソしてたみたいだが、どうやら少ししちゃってたらしい、よほど怖かったんだろう
夕食まで各自のんびり過ごした
夕食は皆で作ったらしい
レノア担当、牛肉のソテーと根菜と豆の炒め物
ポルテちゃんとカリンちゃん担当、ジャガイモのチーズ焼きとナン
アデリア担当、野菜たっぷりミネストローネ
どれも美味しかった、ここでもやっぱりあ~ん攻撃が来る、全部受け止める
その夜はポルテちゃんが自宅へとやって来た
アデリアが「ごゆっくりどうぞ、明日の朝に迎えに来ます」と出て行った
まぁいよいよ来るべき時が来たと言う事だろう
ポルテちゃんを見ると震えてるのが分かる、それでも空の上よりは良いみたいだ
「ポルテちゃん、全部俺に任せてね、怖い思いはさせないから」
「はい、よよよろしくぅおねがぃしましゅっ」
初めてだから無理も無い、俺は優しく抱き寄せてあげる
「はうん!」
「前からしたかった事をしても良いかな?」
「なんですかぁ?」
「ポルテちゃんの可愛いミミとシッポをモフモフさせてほしい」
「ふぇ?あの、その、はぃ、どうぞ」
許可が下りた、やった~
俺は遠慮なくモフモフさせて貰った
くすぐったいらしくかなり身悶えていた、とても柔らかくフワフワで温かかった
その後は二人で長い夜を楽しんだ
次話は見つかったコンテナの回収に行くぞ~




