12 ドラグドライド
ついにチートな乗り物を取り戻したぞ~
移動に戦闘に運搬に何でもこなす頼もしいヤツ
目覚める!
巨大なコンテナが俺を待っている
中身についてはほぼ確定している、それほどの大きさのコンテナは一つしか当てはまらないからだ
探査用ビークルが格納されているコンテナだ
陸海空対応型高機動探査用ビークル
ドラグドライド
全長14メートル
全幅5メートル
全高3.5メートル
地上:8輪機動
水上:ジェット水流装置2機
空中:下部スラスター4機
空中:高出力ローター2機
電磁加速砲・ドラグストーム1門
拡散光線砲・ドラグブリッツ2門
反応推進弾発射管・ドラグーンノヴァ2門
最大搭乗員10名
最大積載量8トン
巡航速度時速350キロ
恐らくこいつが格納されているはずだ
これが手に入ったらほぼ何処へでも探索に出かけられる
ただ、こいつは目立つからな、直接町へ乗り付ける訳にもいかんよな~
そこが考え物だな~
とりあえずコンテナの場所まで行くとしようか
行商人の話では村から半日歩いた荒野だと言う話だった
食料もあるし問題無いだろう
村出発から4時間ほど経過、そろそろ昼めしにすっかな
携帯食料を用意してあるので歩きながらでも食事が出来る、ただしそれほどうまくは無い
スポドリを飲み進んで行く
荒野に出たようだ
ここは不毛の地とまでは言わないが農業には適さない土地だな
赤茶けた大地と乾燥した風が吹き抜けていく
確かこのまま遠くに見える山を目印に進めば良いと言っていたな
ん?あれは黒い犬?ブラックドックかな、警戒しつつ近づこう
こっち見た!ブラックドックで間違いないキショいやつだった
バシュン!バシュン!バシュン!
「ギャン!」
「ギュガッ!」
「ギャワンッ!」
ふ~相変わらず気持ちが悪い奴らだ
死体が消えた場所には魔石が3個落ちていた、回収しておこう
これは血の跡だな、毛皮から見ると狼がブラックドックに食われたとみて良いだろう
ここらはちょいと危険かもしれんな、先を急ごう
更に進んで行くと、遠くに見覚えのある箱が見えた
コンテナに間違いない凡そ1キロくらい先か
周辺警戒しつつ近づいていく、周りに敵影無し、良し到着だ
ピピピピピッ!プシューー
ガコンッガコンッゴゴン
「おおおお、やったぜ~間違いなくドラグドライドだ、壊れて無いかの確認をしよう」
ふむふむ、破損は無し、エネルギーも問題無し、システムも異常なしっと
(レブナント、ドラグドライドを無事回収した、システムのリンクを頼む)
(了解しました、しばしお待ち下さい....システム起動、データリンク構築、全機能正常作動確認、キャプテン完了しました)
(よっしゃ、それじゃまずは空きコンテナを格納しとかないとな、しばし作業に入る)
(はい、お気をつけて下さい)
ドラグドライドの格納庫に折りたたんだコンテナを収納しておく
武装の残弾数も確認しておこう
ドラグストームが50発
ドラグーンノヴァが20発
これだけあれば並みの軍隊なら相手に出来るな
ふむ、ついでにこの周辺を探索してから帰ろうか、こいつのビーコン索敵範囲は2キロあるし他にも見つかるかもしれない
俺は気ままなドライブへと繰り出す事にした
暫く走らせると右に小山が見えた、しかも動いてやがる
なんだろう?魔物かな?念の為そこそこ近づいてスキャンしてみよう
(レブナント、小さな山が動き回ってる気になるからある程度近づいてスキャンするぞ)
(了解しました、魔物である可能性もありますのでお気をつけて下さい)
何処が正面とか分からないな、適当に周りを回って様子見だ
山が少し割れた
ボシュ!
うわ!回避!っぶねぇ
隙間から火の玉が飛んできた
やっぱり魔物みたいだな
おっとこれは魔物で決定だ
魔素が小山の中心で渦を巻いている
さしずめ岩石型生命体と言ったところか
にしても大きい、高さ8メートルほどの岩山だな
岩石の厚みは大したことは無い、ドラグストームチャージ開始!
ヒュゥゥゥバチバチッ!
発射!
ドシュンッ!
ボッッ!
シューー
過剰攻撃だったか?ドラグブリッツでもいけそうだな
おお、小山が消えたって事は魔石が落ちてるかな
おっこいつは魔鉄の塊だ結構大きい100キロくらいないか?
それと魔石も大きいな直径10センチくらいあるぞ
格納庫に収納しとこう
こいつはどうやら『ストーンクランパー』と言うらしい
岩の塊の魔物って事だろう、倒すのも苦労はしないしな
ここって意外にも稼げるのでは?
魔石もこの大きさなら高く売れるし何より魔鉄だこいつ倒して手に入るならかなり良い
もう一匹いないかな~
その後俺は本来の目的を忘れ岩山狩りをするのだった
結果として2匹追加で倒した
魔鉄も魔石もゲットだぜ~
もうだいぶ日が沈んできた、そろそろ帰るとしよう
帰りに大きな蛇が居たので狩っておく
魔物では無く普通の動物のようだ、蛇って食えるのかな?
話では鶏肉に似た味だとか?持って帰って聞いてみよう
俺はタムール村に戻って来た
箱は無事に見つかり中身はコレだと言っておいた
隠せるものじゃないし魔素で動く馬車の様な物としてある
蛇について聞いてみた
蛇は美味しいらしい、特に煮込み料理に合うそうだ
肉は腐りやすいので火を通して食べないと危ないそうだ
サイリン村までは持たなそうだな、ここで振る舞っておく事にしよう、箱のお礼と言う事にした
蛇の煮込み料理はうまかった、保存が効けばな~そうか冷凍冷蔵庫をビークルに設置すれば良いんだ
材料は魔鉄と回路とかで作ってくれないかな
今度材料を持って試しに行ってみよう
今日はタムール村に一泊する事にした
急ぐわけでもないしゆっくりしようじゃないか
宿屋のベッドで眠りについた
翌朝割と早い時間に起きた
朝食はまだらしい、屋台が出てるのでそっちで買い食いをする事にした
ポルテちゃん達のお土産を買って帰ろう
串焼きをいくつかと焼き菓子をいくつか買っておく
それじゃ戻るとしますか~
帰り道は楽だった、ドラグドライドの走破性は素晴らしくガタガタ道でも安定した走りを見せた
空飛べば速いがそれをすると目立ちすぎる、ただでさえ目立つ乗り物だしな
無事にサイリン村まで戻って来た
門番が驚いていた、事情を説明し納得したらしい
ゆっくりと村の中を進んで行く、自宅に到着だ~
バタンッ!
「サンタさんお帰りなさい~」
ポルテちゃんが飛び込んできた、しっかりと受け止めてあげる
その際とても柔らかい感触があったのは言うまでもない
「いきなり飛び込んできたら危ないよ」
「えへへ、ごめんなさい、待ちきれなかったの」テヘッ
こういう所は非常に可愛らしい、モフリたい
後からアデリア達もやって来た
「ご主人様お帰りなさいませ、どうやら目的のものは手に入ったようですね」
「ああ、探していた重要な物の1つだ、後は一番欲しいスーツが見つかれば良いんだがな~」
「色々な場所に行って探すしかなさそうですね」
「まぁそれは今後って事だな、お土産買ってきたから食べようか」
「まぁありがとうございます、アナタ」抱きっ!
イイ、魅惑のボディの未亡人の破壊力パネェ
「おかあさん抜け駆けダメ~」
「あらあら、ポルテったら嫉妬しちゃって、大丈夫よみんな一緒だからね」チラッ
流し目もイイ
皆を連れて家に入る
お土産の串焼きと焼き菓子を振る舞った
その後アデリアに俺の素性は何処まで話したか確認を取った
ほぼ話してないとの事
覚悟を決めるなら話しておかないといけない事だ
皆を集めて俺の素性を話す事にした
元々この世界の人間ではない事
天空の島に俺が乗って来た乗り物が落ちている事
その乗物から箱が一杯落ちた事
ゆくゆくはこの星を出て行く意思がある事
可能なら付いて来て欲しいと思っている事
付いて来てくれるなら皆に対してきちんと責任を取る覚悟がある事
皆にはきちんと考えて答えを出してほしい事を伝えた
んだけど皆即決で付いて行くと決めたそうだ
「分かった、皆に対してちゃんと責任を取るよ、正式に俺の嫁として扱う事をここに誓います」
「「「「はい、不束者ですがこれから末永くよろしくお願いします」」」」
ちゃっかりアデリアも加わっていた、まぁ良いけどさ
この夜はとても忙しかった、アデリアも加えて色々と振り回された
俺はもうへとへとだ、今はとにかく休息が必要だ
ベッドに横になり沈むように眠った
次話は「天空の島、観光案内」予定です




