第七十八話 水準
強欲の魔女の城を出てから早一週間が経過した。俺、フローラ、くまのぬいぐるみになっているルーシィの三人での行動で出発となった。強欲の魔女マリリンは最後まで駄々こねて一緒に行くと話していたが、いなくなれば、魔法の力が弱まるということもあり、従者マークが無理やりに離した。
最後の不貞腐れた顔は、今まで憎みを一瞬でもしていたが、逆転するほどのかわいさだった。元の見た目は悪くないからこそ、こっちは戸惑う。
怠惰の魔女の城は、これまた結構な距離と道を進まなければいけなく、ゆっくりしていたら一週間ほどかかってしまった。
そもそも強欲の魔女の城にいた時間も含めると、相当な日数次の城への攻略をしなかったとなる。そして、あることにくまのぬいぐるみルーシィは、時頼こちらを見るなりため息をする。
まあ、今の状態を見たら仕方ない気もする。
「仲良いことは良いのですが、アスモ、さすがに場をわきまえる心を持つべきですよ」
馬車を使い、馬を指揮しているのはルーシィであり、裏には俺とフローラが揺れている。ただ、今までと違う変化は、強欲の魔女の戦い以後、城でもそうだが、とても女性陣が活発なことが悩みでもある。
文明が古かったり、田舎にいると暇な時間が多く、活発になることは多いと聞く。
ただ、あまりにも肉食が過ぎることで、マリリンはマークに叱られ、フローラはルーシィに叱られる羽目となった。同時に、俺はマークとルーシィから呆れた目で見られることもしばしばあった。
「魔女様に何か問題起こせば、ただではすみません。しかし、知らないことを言及することはできません。魔女様は、ここまで人を愛するようになった。これが私はうれしくて仕方ありません。なのに、キサマ!! 夢乃あゆむ!! なぜ、断る!? なぜ!!」
「あゆむさん。あなたもしかして、そっち系?」
などなどと言われる始末。場所が場所ならば、怒っている二人が、平穏になると、逆に俺が怒られる。まあそうなんだろうけど。俺自身今まで一度たりともないこともあり、非常に恐ろしいと考えている。
フローラは変わらず、進んでいく。理性崩壊しそうになるが、結局進むに進めない。何日も寸前があったが、思いとどまることが多い。子孫繁栄って意外と難しいと感じる俺だった。
世の中を変える行動ができるようになっても、本質的な変化は何一つできないは、同じかもしれない。
悩みは増えていくばかり、それも攻略には関係ないようなものが多い。
そして、今日もフローラはルーシィに怒られ、俺は呆れられる顔をされるのであった。