第六十七話 戦闘5
暗闇立ち込める頂上。従者マークそして、強欲の魔女マリリンが意地でも守る必要性のあった場所。玉座だと考えていたが、実際にそこには全くのものが置かれていた。俺はそれを見るなり、唖然とする。
「なんだよ……これは……」
そこにあるのは、長椅子と机。机の上には、長い箱が置かれており、中には三つの水晶があった。きれいに輝く水晶は三つの色が分かれており、緑、青、赤の順にセットされていた。
長椅子の側面には下で見ていた高威力の魔法を発動できる石板のようなものがあった。点灯しているのは現在7つであり、光ってないものも合わせると計10個ほど。時計のように円を描いて点灯していた。石板の中央には三つの丸い枠があり、どう考えても水晶を入れるような場所であったのが見て取れる。
俺は恐る恐る一つ一つそこに置く。大きな水晶一つ持つだけでも相当な重量があった。ゆっくりと置いてみると、光は点灯する。先ほどの高威力の魔法が発動されるのではないのか? そう思いつつも、他の方法がわからず、これに賭けてみる。
水晶が三つ置き終わったと同時に地面が揺れ始める。
ガタガタガタガタ
「なんだ!?」
俺は心配し、すぐさま、戦闘が起きている方に向かった。そこには、天井に大きな魔法陣が描かれており回っている。
魔女マリリンはそれを見るなり、膝をつき絶望の表情を浮かべていた。
「終わった……夢乃あゆむ……お前だけは許さん!! 許さん!!!」
魔女マリリンは、こちらを向き憎悪に満ちた表情をし、迫ってきた。その時。
ドガアアアアン!!
魔法陣は大きく光りだし、やがて部屋全体を包み込んだ。やがて光は薄れ、視界が正常に働くようになったが、部屋全体は何も変わらずだった。魔女マリリンもその光に圧倒されたのか防ぐように構えていた。そして、終わったと同時に殺しにかかる。
「終わるならば、このままキサマもろとも!!」
宙に浮き、こちらに迫ってくる。なすすべなく立っているまま、一人の声が部屋中に響き渡った。
「静止なさい!!」
ドタン
魔女マリリンは、今の声により力が吸い取られるように抜けたように地面に落ちる。魔法を必死に放とうとするが、一切でなかった。内またで座り、必死に俺に向かって悲しみの表情を浮かべながら、片手で、時には両手で魔法を放とうとする。
俺は階段を降り、マリリンの方へと向かったが、くまのぬいぐるみが前に立つ。
「夢乃あゆむさん。はじめまして」
話し口調や雰囲気がまるで別人のくまのぬいぐるみが現れた。一体何が起きているのかさっぱりであり、鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をしていると俺自身感じる。
「その表情は無理もないですね。改めまして、初めまして、ここまで遅くなり申し訳ございません。私、放漫の魔女ルーシィと申します」
「まじかよ……」