第六十三話 戦闘
「念能力?」
「この空間の中でも、他の人との通信ができる技術って魔法でないか?」
「魔法はそんな便利ではないものなんだがな……」
「外部との連絡が取れれば勝算はあるはずなんだ。今回の敵は強力だ。だからこそ、ラスティの力が欲しい」
「わおもだいぶ力戻ったしな……一回やってみるか……ただ、時間はかかるぞ? いいな?」
「わかってる。フローラもよろしく」
「ああ、任せとけ」
レジスタンスの基地から離れたところより、俺はくまのぬいぐるみとある作戦会議をしていた。それが、外部との通信をし応援を出せるかといった簡単なものだった。
含めて、くまのぬいぐるみの持てる力でフローラを軽く束縛できないかというもの。シンプルではあるが、非常に苦戦強いられるものだった。
だが、今ここに来てくまのぬいぐるみがいるということは完了したということに通じる。この女王の部屋にフローラが参戦しないことこそが答えだ。ただ予想外にもスーが来たことは驚いた。
どうやら、くまのぬいぐるみが外部との通信を試みた際に、運よくこの国に何にも触れられずいたらしく誘ったとのこと。入ったのは、ちょうど俺と同時期、だからこそ、強力な壁を超えられたのだと考えた。
そして、こちらは回復したスー、くまのぬいぐるみ、俺自身の三人となった。
対する向こうは、マリリンのみ、完全にこちら側といったところだが、能力的には向こうも引けを取らない。そもそもこちら側は、魔法を持ち合わせていないのがいるため実質2人となる。
「まさか、くまちゃんが戻ってくるとはね。元気してた?」
「元気してたさ、くだらない壁を作りやがって……」
「さすがにラスティちゃんをこの中に入れさせることはできないわ。あの子自国以外は乱雑に扱うし」
「どうだかな……」
「アスモちゃんもどこかいったみたいで、大変ね。どうしましょう。私の方は非常に分が悪いわ」
「このまま仕留めるか……」
「すべてが戻ってないのにやる気?」
「やっぱりお前か……」
「御名答」
何の会話しているのかさっぱりだ。ただ、くまのぬいぐるみとマリリンは何かしら互いに持ち合わせていることは明白な内容の話だった。
隣でスーも少しの準備運動し、戦闘態勢を整えていた。魔女との本気の勝負に表情が揺れ動くことなく、真っすぐ見つめていた。
「まあ仕方ないわね。さて、ここからが大勝負。やりましょう。私の美のステージへ!!」
ボ ボ ボ ボ
カーペットの両サイドにしか蝋燭がともっていなかったのが、魔女マリリンの声により、たちまち部屋全体に明るさが増す。初めて見るここの部屋の広さに言葉を失う。
薄暗さは隠れていないものの、蝋燭だけでも相当な多さが設置されており、なおかつ、壁には一面魔法陣が組み込まれていた。自分自身のすべての魔法がここで行えることに繋がる。
恐ろしくも徹底されたシステムに戸惑う俺。他の二人も戦闘態勢に入る。