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七人の魔女と一人の転生者。  作者: しじみかん。
色欲の魔女
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第五十五話 断滅3

 新しい出会いをした。今までにない出会いだ。一生に一度の出会いだ。正直先ほど述べた俺自身の成長は、ほぼこの子の影響が大きい。

 フローラ、彼女はいつでも俺の味方でいてくれた。しっかり叱りもしてくれた。笑い、泣き、共に過ごした時間は一番長いのかもしれない。ただ、俺は彼女のことを何も知らない。もちろん、彼女も俺のことを知らない。それでも、こうやって付き添ってくれた。支えてくれた。何より味方でいてくれた。


 今はそれが敵側にいる。過去に嫉妬の魔女レヴィアとの戦いでは、操られたふりとして活動していた。だからこそ嫉妬の魔女レヴィアを倒すことができた。

 しかし、今回は完全に持ってかれている。一番苦しい展開だ。俺自身も彼女の本気の力に圧倒されっぱなしだ。そんな人をどのように攻略すればいいのかは全くと言っていいほどわからない。


 くまのぬいぐるみと同等なその力を目の前で見ていると、魔法という俺からしたら異次元の力を持ち合わせている存在に太刀打ちできるのか? 普通に考えれば不可能だろう。いくら、神の遺産がどうの言われようが、厳しいものは厳しい。


 だが、今まで共に支え合い救ってくれた人をこんなところで手放したくはない。それだけを心に留めて今生きる。今までこういった考えをしてきたことがあるのだろうか? まさか、人のことを考えれるようにまで成長しているとは思わなかった。


 自分自身だけで精いっぱいだった俺が、まさか好きな人ができ、その人が操られ、助けようとしている。この世界にきて時間は相当経ってはいる。思い出はあまりにも多い。俺が生きて来た分の人生よりも濃い人生をここで体験しているのではないのか? そう思えるほどに、この世界で体験した。フローラはそれを教ってくれた恩人だ。もしこの子のが最初にいなかったら、俺の人生観は変化しなかっただろうし、そのまま息絶えていたのかもしれない。


 助けられた。本当に助けられた。感謝してもしきれないほどだ。今はそれが逆転している。いつからか逆転しだした。ここで俺が自分自身で何とかしなければいけない。でなければ過去に戻る。

 もう、弱い俺ではないはずだ。自己暗示の類なのかもしれないが、それでもいい。俺自身強い。魔法がなくても、十分だ。今度はフローラを俺を救ってくれたように、同じように救って見せる。

 相手が誰であろうが、必ず。そして、この世界の事象についても必ず解決させてみる。


 俺は思っている以上にこの世界での不条理に慣れていた。もしかしたら、どこも変わらないのかもしれない。本気で挑めば、どこの世界にいっても何も変わらないのならば、この世界でも同じだ。芯曲げず突き進め。俺!!

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