第四十八話 誘惑
一人街へと降り立つ。街の空気は操られていること自体嘘かのような振る舞いを見せている。同時に俺が来たころとは打って変わったものへと変化していた。
だからこそ言えるのだが、行動や思考は裏で操られる分には何ら問題ないのかもしれないとそう感じざる負えない。
人はひたすら考え、悩み進化していく、それは耐えがたいものであり、悩まなくなったら人はどうなるのだろうか? こちらに通じるものがある。そもそも、悩みがなくなれば成長なんかしないのではないのだろうか? 不信がなければ、恐怖や不安もなくなり、やがては充実した思考に落ち着くのではないのだろうか? 俺それが間違いではなく、かといって正解ともいえないあやふやな立ち位置にいた。
人知れず考えず、誰かに操ってもらったほうが楽な人もいる。自ら考え行動していくことに喜びを感じるだけが人ではない。行動すれば俺のように間違った方向にいくのであれば、おのずと選択が人頼りになることは容易なこととして考えれる。
何より楽だ。悩みがなければ、生活が満足いくはずだ。俺は軽くそういったように変化していっていた。しかし、同時に進化や発展の域はその程度で止まってしまう可能性すらあり得ると頭の中では訴えているものがいた。俺はひたすら、悩み悩み続けていた。
中央広場のレアとの対面の時と同じ場所で椅子に座りながらも何時間も街を観察し、人を観察していった。周りからは、俺をよくない不審者だと思ってしまうのかもしれない。
ただ、誰一人として、こちらを見ることなくいない存在であると考えれるほどまでに自然となっていた。
今回のマリリンの力は、操作によるもの。俺がこうして考えることさえも、目の前の住民たちはないのかもしれない。ならば、本質はどこにあるのか? 深層心理では何を考えているのか?
考えれば考えるほど難しくなっていく問題だ。少しやめて落ち着こう。
たちまち、夜になる。俺は無駄に時間が過ぎ去っているのが待っているかのようだった。もしここで魔女との対面を果たせば、命がどうなるかなんて言うのが全くといっていいほどわからない。
強欲の魔女マリリンは、命を狙うはずだ。だが、その確証すらどこにもない。
自分の思い通りに操りたいから狙わない。ならば、すでに俺は操られている。しかし、俺自身にそれは感じない。もしかしたら、すでに術の中におり、裏から操られているのかもしれない。
すべて後出しじゃんけんのような感じで世界が回っているように見えて頭痛がしてきた。
ただ俺は椅子から立ち上がり、人知れず城へと向かうのであった。