第三十八話 操作
話し合った日から作戦会議が始まる。結局のところ今までと大きく違った点がいくつかある。そのうちの一つが大きな課題となった。
それが、敵からの攻撃が視認化できるようになったこと。今までは、敵の攻撃は銃器などの人に危害を加えるものは一切使ってこなかった。しかし、今回はそれがリニューアルされたのか、完全武装ばりに抵抗してきたのだ。
大きな異なる点は、もう一つある。それが俺自身の存在だ。到達できなかった魔女の部屋まで難なく突破できた。幸か不幸か、それが理由でコールや他のレジスタンスたちは、それぞれ真新しい情報が流れてくるようになった。だからこそ、危険はつきものである。魔女側の方も、やられるだけやられ、そのまま放置するほどの考えはしてこないはずだ。確実に何か手を打ってくるはず。
すると、コールが何やら案を出してきた。
「今までとは違ったスタイルになる。そうなると、確実に必要になってくるのが、武器。現状俺らの使える戦力になりえる武器は非常に少ない。ただ、一つ確実に有利に運ぶであろうものがある。魔法だ」
魔法……コールは確かにそう話した。やはり来たか……
少なからず、俺自身もそれに関しては考えてはいた。コールの発言により、意志が強固だということを俺自身は知ることになった。
「俺たちレジスタンスは、そこまで魔法に長けているわけではないが、一般的な水準は小さいころから会得している。ならば、何か力になりえるはずだ。ただ、どのように使おうか……」
悩んでいる様子だった。俺も魔法をそこまで熟知していないことはおろか、使えないものだから詳しいことは何一つわからない。
だが、レジスタンス内に目立ってよいものがあるようにも見えない。あたりを見渡してみても、武器と呼べるものは数える程度。槍や剣といったものもあるにはあるが、この世界に銃器や魔法といった遠距離特化のものがある以上、どうしても完全に頼り切ることは不可能に近い。
ならば、コールのいうように魔法という手を使うほかないのかもしれない。
俺は非常に難しいと考えていた。いくら魔法が日常生活レベルで使えようとも、それを実践に使うことなんて、誰も想定しないと思ったからだ。日常生活レベルのものでどうやれば相手を退けることが……!?
今何かがひらめいた。俺は何か大きな間違いをしていたことに気づく。普段から日常生活レベルの魔法が使える。ということは……
ただ一つ疑問があった。それは魔法そのものの物質だ。体の創りが根底から違う可能性すらあり得る。俺は一切使えない。だが、彼らは使える。
そういった一部からは小さき力だと思えるようなものでも、大きな力に変換することは可能なはずだ。今まで自らの能力にしか目を向けずに魔法との向き合いを一切とってなかった。だからこそ思い浮かばなかった。あまりにも愚かだ。
俺はすかさず今思ったことをコールに告げる。
すると、コールは鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔をしながらこちらを見ていた。
それから少し経つと、首を縦に振り安堵するかのような表情に切り替わった。