第三十五話3
「コールお願いがあるの。今のレジスタンスの皆をどうにかして、まとめてほしい」
「え?」
「今回の件で、自信損失しているものや魔女に対しての力の差を見せつけられてノイローゼになっているものが多くて……」
「そうか……」
部内を見てみると、それはそれで悲惨なものだった。周りにいるものたちはみなそろって下を向きぶつぶつと話しているものが多かったからだ。このままでは統治ということ以外の問題が大きく発生してしまいかねない。
「ゴホゴホッ……」
「レア!! お前……」
「あらら……おかしいな~……まさかここで見つかるとは……ごめんなさい」
「いつからだ……?」
「もう数か月も前かな……」
レアは突然の咳から口を押えていた手には血が付着していた。数か月前からこのような状態が続いていると本人は話す。医学系なんか何もわからない俺でさえも、異常であることが容易に感じ取れる。吐血なんてすぐするものではないのは、一般人からしても簡単にわかるはずだから。
「なんで、今まで黙ってたんだ?」
「言ってしまえば、外されると思って……」
「それは……」
「さっきも言ったけど、私も何か人のために未来のために何かをしたいの。ただ洗脳されていくのを見たり、自分自身がそれになっているかと思うと怖くてたまらないの。だから、本当ならば攻略隊の一人としていたいけど、それだと悪化するから……」
「レア……」
涙を浮かべながら弁明するレア、それに圧倒さえてか何も言えずにいたコール。
どんな子であっても、むしろこういった子だからこそ世を変えたい! そう願い続けるのは、どこの世界も一緒なのかと俺自身も理解することになった。
「レア、君はよくやっている。これからもこのレジスタンスのために尽力してほしい。ただ、体調は重要だ。弱っている兵士でも敵は容赦なく叩く、気持ちはうれしいよ。ありがとう」
「コール……」
「夢乃あゆむ、ちょっといいかい? お話がしたい」
「ああ……」
そういわれ、その場から去る。コールをレアは終始こちらを見続けていたのが、背中を通しわかった。
「ちょっとしたことに関する話だ」
外にでては少し歩いた先で話が始まる。表情やその場に先に未来が見えないような目を今でもしている。やはり心までは変えれないし、すぐには踏ん切りもつかないだろう。
「今後に関してだ。今見たらわかると思うが、非常にレジスタンス内はきっぱくしている。たぶん、全体が良い未来を見据えていないと思う。夢乃あゆむの声を聞きたい。救世主である君は、この先をどのように見えるのか教えてほしい」