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七人の魔女と一人の転生者。  作者: しじみかん。
怠惰の魔女
117/120

116:4

残された感覚は二つ。聴覚と嗅覚。その中でも嗅覚が発達していれば、こんな広い場所であっても、俺の位置がわかるはず。現状むやみやたらに攻撃はしないと結論付けた。

 最後に聴覚。これが一番あり得るケースだった。木を自分の一部としているのならば、俺の出す音がわかるはずだ。だからこそ、近いが遠い攻撃が可能になったはず。回りくどい攻撃が可能になったはずだ。


 聴覚が発達していると予測し、俺はそこら辺に転がっている石ころを中心の木の周りにある水に投げ入れる。


ズドドドッドドド!!


 化け物の攻撃は音が鳴った瞬間にその位置めがけて攻撃を放った。あたりだった。同時に投げた方向がわからないのも同じだった。確実に中心部に石を入れれば、軌道がわかるはず。わかれば、その部分に攻撃を入れるはず。だが、それがない。ないならば、あり得る話だ。視覚は見たままで、機能が全くしていない。


 俺は一つの答えにたどり着いたが、ここからが問題だった。


「倒す方法……」


 フローラたちが態勢を整えやってくるなんて言うのは、今からまだ時間はかかる。そんな時間を待つのは無理があると感じる。その前に殺されるが落ちだ。その前に決着をつけなければいけない。

 相手が木であるのならば、ゲーム攻略では火が弱点のはず。俺はそう思いつつ、火がつくようなものを探した。財布をくまなく見る。こんなに見入るのは初めてだ。小銭が多く入っており、お札も数枚ほど。カード類もあるが、使えそうなものがない。ここに来て万事休すと思い気やポケットに何か別のものが入っていることに気づく。


「これは、モバイルバッテリー?」


 モバイルバッテリーが一つ。何も火がつくものがないと悟った。どのようにして、ここから相手に攻撃を与えるかなんて言うのは、考えることができそうにない。

 俺はおもむろにモバイルバッテリーを手に取り、蓋が外れそうなところを触る。すると、白いバッテリー部分が露出しているのが見えた。よく見ようと蓋を開けると、そこには、破裂寸前に膨張しているバッテリーの姿があった。


「これ聞いたことあるぞ……」


 過去にニュースなんかで、バッテリーで爆発した。といった報道があったことを思い出す。しかし、どのようにして爆発したのかはわからないが、過去に携帯を変えたときバッテリーが膨らみまくりで店員に爆発寸前でしたよー! なんていうことを言われた記憶を思い出す。あれは嘘か、真実か、といった感じで今考える。


 俺は一つの可能性を元に、作戦を練った。この世界では通用しないお金も使いつつ、すぐさま計画をする。


「これで行ける。これでいける!!」


 自信を持ち、実行にうつすことにした。

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